ドコモが「MONO」や「カードケータイ」のプロトタイプを公開こうかい　携帯けいたい電話でんわのデザインとは何なにかを聞きいた（1/2 ページ）

[金子かねこ麟太郎りんたろう，ITmedia]

　NTTドコモが、東京とうきょうミッドタウンのデザインイベント「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2019」にて展示てんじ会かい「ドコモとデザイン」を10月18日にちから10月がつ27日にちまで開催かいさい。携帯けいたい電話でんわなどを開発かいはつする過程かていで作成さくせいしたアイデアスケッチや開発かいはつ段階だんかいのプロトタイプ、サイズ・カラー検証けんしょう用ようサンプルなどを初はじめて公開こうかいしている。

　普段ふだんは見みることのできない製品せいひんを開発かいはつしている様子ようすや、およそ100種類しゅるい以上いじょうのプロトタイプや実際じっさいに製品せいひん化かされた携帯けいたい電話でんわなどが展示てんじされている。NTTドコモ プロダクト部ぶ デザインディレクター 宮沢みやざわ哲あきら氏しは「このイベントを通つうじて、プロダクトデザインとは何なにかを知しってもらう機会きかいにしたい」と話はなす。

　テーブルごとにテーマが決きめられており、時代じだい背景はいけいやニーズなどをもとにした製品せいひんや、実際じっさいに発売はつばいされなかった製品せいひんを見みることができる。各かくテーブルを順じゅんに紹介しょうかいしていく。

　まず、展示てんじエリアの床ゆかは、カッターマットが表現ひょうげんされており、そこに物ものや削けずり出だしに使つかう道具どうぐなどを配置はいちしたような空間くうかんになっている。展示てんじエリアの中央ちゅうおうには巨大きょだいな鉛筆えんぴつと物差ものさしが展示てんじされている。

携帯けいたい電話でんわってどんな素材そざいや質感しつかん？　素材そざい選えらびから試行錯誤しこうさくご

　「形かたちのデザインから、素材そざいのデザインへ」というテーブルでは、時代じだいによって変化へんかする携帯けいたい電話でんわのデザインを説明せつめい。形かたちは個性こせいを出だすものであり、それと同時どうじに素材そざい選えらびも大切たいせつにしているという。シリコン素材そざいの携帯けいたい電話でんわは人間にんげんに近ちかい触感しょっかんを実現じつげんでき、耐たい熱性ねっせいや耐たい薬品やくひん性せいに優すぐれ、金かね型がたを含ふくめて低ていコストになるという。

　携帯けいたい電話でんわに使つかわれる素材そざいとして近年きんねん最もっとも進化しんかしているのが「ガラス」だという。宮沢みやざわ氏しは「ガラスは傷きずに強つよい反面はんめん、曲面きょくめん加工かこうにはコストがかかる」と話はなす。

　ジルコニアという素材そざいは、金属きんぞくよりも硬かたく、傷きずはつきにくいが衝撃しょうげきには弱よわいという。一方いっぽうで、ジルコニアという素材そざいに鏡面きょうめん処理しょりやヘアライン加工かこうを取とり入いれると、金属きんぞくのような質感しつかんになり高級こうきゅう感かんが出だせる。しかしながら、製造せいぞうコストや重おもさが増まし、耐久たいきゅう性せいという点てんにおいては、割われやすく製品せいひん化かには至いたらなかったそうだ。

　アルミニウムは、軽量けいりょうながら強度きょうどが高たかく、加工かこうもしやすいが、導電性どうでんせいがあり電波でんぱを通とおしにくい性質せいしつがある。また、加工かこうに時間じかんを要ようするため、大量たいりょう生産せいさんには向むかないそうだ。

　よくデザイナーは、「PANTONE（パントン）」という色いろ見本みほんを使つかい、製品せいひんのコンセプトやターゲットに合あう色いろを選定せんていしていくが、携帯けいたい電話でんわにおいてもそれは同おなじだ。宮沢みやざわ氏しによると、ドコモでも、毎年まいとしどんな色いろが流行はやるのか、または流行はやっているのかを700人にん規模きぼで調査ちょうさするそうだ。

大型おおがた化かが進すすむ携帯けいたい電話でんわ　幅はば、厚あつみ、重おもさも含ふくめてデザイン

　加くわえて、製品せいひんの持もちやすさについても大切たいせつにしているという。近年きんねん、スマートフォンの本体ほんたいや画面がめんサイズが大型おおがた化かしており、以前いぜんに比くらべて小型こがたな端はし末まつが減少げんしょうしている。宮沢みやざわ氏しは「そんな中なかでもドコモとしては、幅広はばひろいニーズに応こたえるべく、多様たような機種きしゅを取とりそろえてきた」と主張しゅちょうする。確たしかに、過去かこを振ふり返かえっても、スマートフォンという板いた形状けいじょうにとらわれず、折おりたたみの端末たんまつやキッズケータイなど、多種たしゅ多様たような形かたちや機能きのうを持もった携帯けいたい電話でんわを投入とうにゅうしてきた。

　宮沢みやざわ氏しによると、板いた状じょうが当あたり前まえとなったスマートフォン時代じだいにおいても、デザイナーは常つねに「持もちやすさ」にこだわり、本体ほんたいの厚あつさや幅はばが異ことなるさまざまなサンプルを手てに取とり、検討けんとうしているという。