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空想と現実の狭間に 「電脳コイル」で考える近未来の脅威:アニメに潜むサイバー攻撃(7/7 ページ) - ITmedia NEWS
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空想くうそう現実げんじつ狭間はざまに 「電脳でんのうコイル」でかんがえるきん未来みらい脅威きょういアニメにひそむサイバー攻撃こうげき(7/7 ページ)

» 2018ねん11月30にち 0800ふん 公開こうかい
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記憶きおく形作かたちづくるもの、電脳でんのうコイルにゆめ

F: 物語ものがたりなか騒動そうどう収束しゅうそくしたのち、ヤサコの母親ははおや彼女かのじょに、現実げんじつ世界せかい大切たいせつさをき「メガネあそびはもうおしまい」とさとします。しかしヤサコは納得なっとくはせず、電脳でんのう空間くうかん記憶きおくもまたひとしく大切たいせつ経験けいけんであるとかんがえます。

photo (C)いそ 光雄みつお徳間書店とくましょてん電脳でんのうコイル製作せいさく委員いいんかい

 ここは複雑ふくざつ気分きぶんで、もしわたしむすめがいたらいちもなく母親ははおや賛成さんせいです。危険きけんなものにはできるだけ近寄ちかよらず、現実げんじつ世界せかいでの経験けいけん大切たいせつにしてきてほしいとおもいます。セキュリティ官僚かんりょうとしては、うーん、「現実げんじつ大切たいせつにしつつ、注意ちゅういして使つかってほしい」かな。しかしネットやITの未来みらい希望きぼういだ人間にんげんとしては、ヤサコにすごく共感きょうかんするのです。

K: 監督かんとくいそ光雄みつおさんにもおはなしいたところ、そのてん強調きょうちょうされていました。

F: 大人おとなになるとおけや妖怪ようかいなくなるというはなしがあります。そこまで感受性かんじゅせいはなしはなくとも、どうやったって大人おとなになれば、あたま現実げんじつ世界せかいにシフトしていきます。空想くうそうゆめ世界せかい現実げんじつ世界せかいひとしくかんじられるのはどものころだけなのです。そしてこの現実げんじつたが(たが)、つまり「こんなことできないよ」「かんがえたら無理むりでしょ」という、大人おとな常識じょうしきという枠組わくぐみにはめこまれるまえに、どれぐらい想像そうぞうりょくやしなえるのかは、ども時代じだい空想くうそうゆめにかかっているとおもいます。意外いがいとこれ、大人おとなになって想像そうぞうりょくのある仕事しごとをするには必要ひつようなのです。

 わたしたちがどものころ、そのつばさの1つがジュブナイル小説しょうせつでした。これからのどもたちにとって、それはAR/VRグラスやそれらをつうじて仮想かそう世界せかいなんじゃないかとおもいます。

 文字もじとして小説しょうせつ想像そうぞうりょく刺激しげきしますが、電脳でんのうメガネのようなものは、より多元的たげんてきのう刺激しげきし、反復はんぷくはげしく、すさまじく想像そうぞうりょくやしなうんじゃないかとおもいます。

K: でも小説しょうせつ自分じぶん映像えいぞうてき世界せかいかん創造そうぞうできますが、電脳でんのうメガネの場合ばあい、ARでもVRでも、だれかがつくったものになってしまうんじゃないですか? そうするとどもたちの意識いしきが、大人おとなつくったいくつかの世界せかいかん収束しゅうそくしていくのでは?

F: ……とおもうでしょ。イマーゴの1つの機能きのうは、思考しこう電脳でんのう空間くうかん反映はんえいさせることです。これは「かんがえていることをすインタフェース」ということなので、使用しようしゃ意思いし反映はんえいして、千差万別せんさばんべつ世界せかい想像そうぞうすることも可能かのうなんじゃないですか?

 小説しょうせつの1次元じげんたいして2次元じげん漫画まんが、3次元じげんのアニメやゲーム、次元じげんたかくなるほど世界せかいかず収束しゅうそくして、イメージが具体ぐたいてきになり世界せかいかんかずかぎられるのは、じつはマンパワー、つまり製作せいさくコストのせいです。

 しかし、解決かいけつさくはあります。先日せんじつ無限むげん都市とし生成せいせいされるアルゴリズム」にかんする記事きじ掲載けいさいされていました。これをどもたちそれぞれのイメージからみちびすことができれば、それぞれがオリジナルの世界せかいすこともできるとおもいます。

 それに電脳でんのうメガネのような機器ききは、翻訳ほんやく機能きのう使つかって電脳でんのう空間くうかん遠隔えんかくひとう、ということもできるはず。これまでははなしたり出会であったりできなかった、異国いこくどもたちとも交流こうりゅう可能かのうになるはずです。

 これは、わたしたち大人おとなっている「常識じょうしき」によってもたらされる文化ぶんかかべをぶちやぶり、さまざまな人種じんしゅたりまえ存在そんざいし、文化ぶんか最初さいしょからそういうものだと認識にんしきする「あらたな常識じょうしき」を世代せだいすことにつながるかもしれません。

 電脳でんのうコイルには、そうした「デジタルネイティブのどもたちの未来みらい」をます。だからこそ、こういったプラットフォームが登場とうじょうしたときにそなえて、どもたちが、そして大人おとなたちも攻撃こうげき対象たいしょうにならないように準備じゅんびととのえないといけないとおもうわけです。

 電脳でんのうコイルには郷愁きょうしゅうと、そういった未来みらいせてもらいました。ほいっ! 今回こんかいはなし以上いじょうです。原稿げんこうおくりましたよ!

K: え、オチは?

F: え? オチ? うーん……。ネットのうわさによると、いまKさんにおくった原稿げんこうファイルにはあやしいマクロがはいっているそうです。そんでもって、サッチーは、バグやウイルスをつけると、それがはいっているものもろとも攻撃こうげきするんですよね〜。

K: え?

F: サッチーはかべとおけてどこでもやってくる!

K: えええええ?

F: ほら、そこのうしろのかべ郵政ゆうせいきょくの郵のが!

K: ぎゃあああああああ!

コミケ参戦さんせん! 漫画まんがほん日本にっぽんサイバーセキュリティ昔話むかしばなし」を頒布はんぷ

photo 頒布はんぷ予定よてい漫画まんがほん日本にっぽんサイバーセキュリティ昔話むかしばなし

F: そろそろ「サイバーセキュリティ小説しょうせつコンテスト」の審査しんさ佳境かきょうです。

K: どうでした?

F: 盛況せいきょう盛況せいきょう。サイバーセキュリティというニッチなくくりだったのに、応募おうぼすう通常つうじょうのオールジャンルのコンテストにちかかずあつまりました。

K: じゃなくて、Fさんが匿名とくめい応募おうぼしたヤツですよ!

F: うっ! きすぎて文字数もじすうがオーバーして、いたのちにぶったって投稿とうこうしたり、“カンナがけ”もりなかったりしたので……ちたはずです。てへ。普段ふだんかんがえている「こういう攻撃こうげきもできる。ああいう攻撃こうげきもできる」というおも凶悪きょうあくなサイバー犯罪はんざいをいくつもんだんですが(笑)

K: んでみたいな。

F: じつはカクヨムで公開こうかいされてますよ。タイトル、ペンネームは内緒ないしょですが。それとはべつに、内閣ないかくサイバーセキュリティセンター(NISC)の仲間なかまたちと一緒いっしょにコミケ(コミックマーケット95)に応募おうぼしたらかりました! 小説しょうせつではなく「日本にっぽんサイバーセキュリティ昔話むかしばなし」という漫画まんがほんします。サークルめいは「サイバー官僚かんりょう野戦やせん部隊ぶたい」、12月31にちつき)、3にちひがし地区ちくU-08aです。おひまほう、ぜひあそびにてくださいね!

K: 取材しゅざいっていいですか?

F: えー。かおバレはまずいでしょ!

K: 散々さんざんがおしてるやん!

電脳でんのうコイル Blu-ray Disc Box

photo

電脳でんのうコイル Blu-ray Disc Box」

ぜい価格かかく:3まん7000えん

発売はつばい販売元はんばいもと バンダイナムコアーツ

(C)いそ 光雄みつお徳間書店とくましょてん電脳でんのうコイル製作せいさく委員いいんかい


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