2012年ねん3月がつ27日にち(火)か

反省はんせいなく　再編さいへん強化きょうか

自衛隊じえいたい　情報じょうほう保全ほぜん隊たい

　自衛隊じえいたい国民こくみん監視かんし訴訟そしょうで仙台せんだい地裁ちさいが自衛隊じえいたいの国民こくみん監視かんし活動かつどうを「人格じんかく権けんの侵害しんがい」だとして、国くにに賠償ばいしょうを命めいじたことは、情報じょうほう保全ほぜん隊たいによる市民しみんへの情報じょうほう収集しゅうしゅうの違法いほう性せいを明確めいかくにしました。

　この問題もんだいは２００７年ねん６月がつ６日にち、日本にっぽん共産党きょうさんとうの志位しい和夫かずお委員いいん長ちょうが陸上りくじょう自衛隊じえいたい情報じょうほう保全ほぜん隊たいが作成さくせいした内部ないぶ文書ぶんしょを公表こうひょうしたのが発端ほったんでした。同隊どうたいがイラク派兵はへい反対はんたいなどの平和へいわ運動うんどう、春闘しゅんとうや福祉ふくし向上こうじょうなど広範こうはんな市民しみんの行動こうどうを監視かんしし、詳細しょうさいな記録きろくを文書ぶんしょ化かしていた事実じじつを指摘してきし、違憲いけん・違法いほうな活動かつどうを告発こくはつしました。

　この事実じじつは、新聞しんぶん２０紙しが翌日よくじつ付づけの１面めんでいっせいに報道ほうどうするなど、民主みんしゅ主義しゅぎに関かかわる問題もんだいとして大おおきな注目ちゅうもくを集あつめました。

　ところが自民党じみんとう政権せいけん当時とうじの久間くま章生あきお防衛ぼうえい相しょうは「情報じょうほうを収集しゅうしゅうして分析ぶんせきすることは悪わるいことではない」と開ひらき直なおり、文書ぶんしょの存在そんざいについても認みとめようとしませんでした。この姿勢しせいは民主党みんしゅとう政権せいけんになっても同様どうようです。

　今回こんかいの監視かんし訴訟そしょうの公判こうはんでも国くに側がわは、市民しみん監視かんしをしたかどうかや、内部ないぶ文書ぶんしょを作成さくせいしたかどうかの認否にんぴについて明あきらかにせず口くちをつぐんだままでした。

　しかし、判決はんけつでは文書ぶんしょが防衛ぼうえい省しょう所定しょていの文書ぶんしょ形式けいしきに合致がっちしている点てんなどをあげて「情報じょうほう保全ほぜん隊たいによって作成さくせいされた」と認定にんてい。情報じょうほう収集しゅうしゅう活動かつどうを「氏名しめい、職業しょくぎょうに加くわえ、所属しょぞく政党せいとうなど思想しそう信条しんじょうに直結ちょっけつする個人こじん情報じょうほうを収集しゅうしゅうしている」と指摘してきして、明確めいかくに違法いほうだと断だんじました。

　この違法いほうな活動かつどうを主おも任務にんむとする情報じょうほう保全ほぜん隊たいは、いっそう再編さいへん・強化きょうかされています。０９年ねんに陸海空りくかいくうの３自衛隊じえいたいにそれぞれあった情報じょうほう保全ほぜん隊たいが「自衛隊じえいたい情報じょうほう保全ほぜん隊たい」に統合とうごうされ、１０年ねんには民主党みんしゅとう政権せいけんのもとで定員ていいんも増ふえています。