2013年ねん11月6日にち(水)すい

原発げんぱつ従業じゅうぎょう員いんの身辺しんぺん調査ちょうさ政府せいふが早期そうき導入どうにゅう検討けんとう

秘密ひみつ保護ほご法案ほうあんと歩調ほちょう

規制きせい委い検討けんとう会議かいぎ事ごと録ろくで判明はんめい

　「秘密ひみつ保護ほご法案ほうあん」で「秘密ひみつ」を扱あつかう公務員こうむいんや軍需ぐんじゅ産業さんぎょうの従業じゅうぎょう員いんに実施じっしされる身辺しんぺん調査ちょうさ制度せいど（適性てきせい評価ひょうか）とほぼ同おなじ内容ないようの制度せいど（信頼しんらい性せい確認かくにん制度せいど）を、原子力げんしりょく施設しせつ内ないで働はたらく従業じゅうぎょう員いんにも早期そうきに導入どうにゅうする方向ほうこうで政府せいふが検討けんとうを進すすめていることがわかりました。

　国くにのもつ広範こうはんな情報じょうほうを秘密ひみつにする「秘密ひみつ保護ほご法ほう」の策定さくていと歩調ほちょうを合あわせて、事業じぎょう者しゃである電力でんりょく会社かいしゃなどが保有ほゆうする原発げんぱつ情報じょうほうに対たいしても規制きせいを強つよめようとする政府せいふの姿勢しせいを明確めいかくに示しめす動うごきです。原子力げんしりょく規制きせい委員いいん会かいが外部がいぶ専門せんもん家かを集あつめて議論ぎろんを進すすめる「核かくセキュリティに関かんする検討けんとう会かい」の議事ぎじ録ろくから明あきらかになりました。

　同どう検討けんとう会かいの第だい２回かい会合かいごう（７月がつ８日にち）では、制度せいど導入どうにゅうについて「喫緊きっきんの課題かだいとしてやる必要ひつようがある」「速すみやかな措置そちを」などの意見いけんが出だされ、来年らいねん３月がつの核かくセキュリティサミットまでに制度せいど設計せっけいの方向ほうこう性せいをまとめる方針ほうしんを確認かくにんしています。

　事務じむ方かたから示しめされた「論点ろんてん整理せいり」の資料しりょうによると、調査ちょうさ項目こうもくは「国くにの利益りえきを害がいする活動かつどうへの関与かんよ」の有無うむから信用しんよう状態じょうたい、薬物やくぶつ・アルコールの影響えいきょう、精神せいしん問題もんだいでの通院つういん歴れきなど多岐たきに及および、「秘密ひみつ保護ほご法案ほうあん」の「適性てきせい評価ひょうか」とほぼ同おなじ内容ないよう。治安ちあん当局とうきょく（公安こうあん警察けいさつ）が収集しゅうしゅうした従業じゅうぎょう員いんの個人こじん情報じょうほうへの照会しょうかいが制度せいどの前提ぜんていとなっています。

　同どう制度せいどは、米国べいこくがテロ対策たいさく強化きょうかとして日本にっぽんに導入どうにゅうを要求ようきゅうしていたことが２００７年ねんの米べい公文書こうぶんしょから判明はんめい（４日にち付づけ既報きほう）。当時とうじ、日本にっぽん政府せいふは憲法けんぽう上じょう困難こんなんとの認識にんしきを示しめしています。

　実際じっさい、０５年ねんに経済けいざい産業さんぎょう省しょうがまとめた報告ほうこく書しょは、導入どうにゅうには憲法けんぽうの保障ほしょうする思想しそう・信条しんじょうの自由じゆうやプライバシー保護ほごの観点かんてんなどから「慎重しんちょうな検討けんとうが必要ひつよう」としていました。しかし、１２年ねんの原子力げんしりょく委員いいん会かい報告ほうこく書しょでは「秘密ひみつ保全ほぜん法制ほうせいの進捗しんちょく（しんちょく）状況じょうきょうにかかわらず、導入どうにゅうするべき」と推進すいしん姿勢しせいに一転いってん。原子力げんしりょく規制きせい委いの検討けんとう会かいでも推進すいしん意見いけんが大勢おおぜいを占しめています。

　信頼しんらい性せい確認かくにん制度せいど　原子力げんしりょく施設しせつ内ないで働はたらく電力でんりょく会社かいしゃ、協力きょうりょく会社かいしゃ社員しゃいんに詳細しょうさいな個人こじん情報じょうほう調査ちょうさを行おこない、内部ないぶからの情報じょうほう漏ろうえいやテロを“予防よぼう”する制度せいど。東京電力とうきょうでんりょくをはじめとする電力でんりょく会社かいしゃでは社しゃに批判ひはん的てきな組合くみあい活動かつどうなどをする社員しゃいんを治安ちあん当局とうきょくと一体いったいに差別さべつ・排除はいじょし、情報じょうほう隠かくしが横行おうこうする「原子力げんしりょくムラ」の体質たいしつをつくってきた経緯けいいがあります。