2013年ねん11月23日にち(土)ど

あなたが狙ねらわれる

廃案はいあんしかない秘密ひみつ保護ほご法案ほうあん　この怖こわさ

　国会こっかいで審議しんぎ中ちゅうの秘密ひみつ保護ほご法案ほうあんへの不安ふあんや懸念けねんが今いま、国民こくみんのあいだに急速きゅうそくに広ひろがっています。それは、法案ほうあんが国民こくみんの目め、耳みみ、口くちをふさぎ、憲法けんぽうが保障ほしょうする基本きほん的てき人権じんけんをじゅうりんする「新あたらしい治安ちあん維持いじ法ほう」（日本にっぽん共産党きょうさんとうの志位しい和夫かずお委員いいん長ちょう）であることが明あきらかになってきたからです。矛先ほこさきは国民こくみん全体ぜんたいに向むけられています。与党よとうは２６日にちにも採決さいけつを狙ねらいますが、法案ほうあんはきっぱり廃案はいあんにする以外いがいにありません。

知しらぬ間あいだに…逮捕たいほ

　政府せいふは、この法案ほうあんを公務員こうむいんから秘密ひみつが漏もれることを防ふせぐためのものと説明せつめいします。しかし、処罰しょばつや捜査そうさの対象たいしょうは、公務員こうむいんとその周まわりの人ひとに限定げんていされていません。政府せいふも国会こっかい答弁とうべんで広ひろく国民こくみんが処罰しょばつされることを認みとめています。

　秘密ひみつを知しろうと話はなし合あったり（共謀きょうぼう）、他人たにんに勧すすめたり（教唆きょうさ）、大勢おおぜいの人ひとに呼よびかけたり（扇動せんどう）するだけで処罰しょばつできるしくみだからです。

　最大さいだいの問題もんだいは、そもそも国民こくみんには「何なにが秘密ひみつかもヒミツ」ということ。

　事故じこが心配しんぱいで原発げんぱつのことを調しらべたり、米べい軍ぐん基地きち被害ひがいのことを住民じゅうみん同士どうしで話はなし合あったりしただけで、ある日ひ突然とつぜん警察けいさつから同行どうこうを求もとめられたり、逮捕たいほされたりする可能かのう性せいもあります。

知しらぬまま…裁判さいばん

　「何なにが秘密ひみつかもヒミツ」ということは、もし私わたしたちが逮捕たいほされ、国くにと裁判さいばんを争あらそうことになったときも、恐おそろしい事態じたいをもたらします。

　逮捕たいほ状じょうにも捜索そうさく令状れいじょうにも、犯おかした罪つみが書かかれません。何なんの罪ざいの疑うたがいがかけられているか、その核心かくしんが秘密ひみつだからです。

　起訴きそ状じょうにも犯おかした罪つみの内容ないようが書かかれない―。これではどうして訴うったえられたのかが本人ほんにんにもわからず、裁判さいばんの場ばで弁明べんめいのしようがありません。

　その秘密ひみつを知しろうとすれば、弁護士べんごしや裁判官さいばんかんまで逮捕たいほされてしまいます。有罪ゆうざいの認定にんていも、罪つみの核心かくしんが明あきらかにされないままの暗黒あんこく裁判さいばんです。

知しらぬ間あいだに…監視かんし

　秘密ひみつを扱あつかう公務員こうむいんや武器ぶき関連かんれんメーカーの社員しゃいんには、秘密ひみつを漏もらすおそれがないか、「危険きけん人物じんぶつ」との接触せっしょくがないか、国くにが“監視かんし”することになります。

　調査ちょうさ対象たいしょうは本人ほんにんの個人こじん情報じょうほうだけではありません。家族かぞくや親族しんぞくも調しらべられます。テロ活動かつどうなどへの関与かんよがあるかどうかも対象たいしょうです。

　しかし、市民しみんと「テロリスト」の区別くべつが、外見がいけんでつくわけではありません。２０１０年ねんに流出りゅうしゅつした公安こうあん警察けいさつの捜査そうさ資料しりょうから判明はんめいしたのは、当局とうきょくがイスラム教徒きょうとを無差別むさべつに「テロリスト」扱あつかいする、思想しそう・信条しんじょうに踏ふみ込こんだ監視かんし活動かつどうの実態じったいでした。