2014年ねん8月がつ31日にち(日)にち

国連こくれん差別さべつ撤廃てっぱい委い　ヘイトスピーチ　法ほう規制きせいを

日本にっぽん政府せいふに勧告かんこく　「慰安いあん婦ふ」謝罪しゃざいなど要求ようきゅう

　【パリ＝浅田あさだ信幸のぶゆき】国連こくれん人種じんしゅ差別さべつ撤廃てっぱい委員いいん会かい（ジュネーブ）は２９日にち、日本にっぽんにおける人種じんしゅ差別さべつ撤廃てっぱい条約じょうやくの順守じゅんしゅ状じょう況きょうに関かんする「最終さいしゅう見解けんかい」を発表はっぴょうし、人種じんしゅや国籍こくせきで差別さべつをあおるヘイトスピーチ（憎悪ぞうお表現ひょうげん）を法律ほうりつで規制きせいするよう日本にっぽん政府せいふに勧告かんこくしました。また旧きゅう日本にっぽん軍ぐん「慰安いあん婦ふ」問題もんだいへの対応たいおうも不十分ふじゅうぶんだとし、謝罪しゃざいと補償ほしょうを求もとめました。

　最終さいしゅう見解けんかいは、右翼うよく団体だんたいの街頭がいとう宣伝せんでん活動かつどうでのヘイトスピーチの広ひろがりや、公職こうしょく者しゃ、政治せいじ家かによる人種じんしゅ差別さべつ発言はつげんに懸念けねんを表明ひょうめい。(1)街宣がいせんやインターネットを含ふくむメディアでの差別さべつ的てき行為こうい・表現ひょうげんに対たいする厳正げんせいな対応たいおう(2)差別さべつ行為こういにかかわった個人こじんと組織そしきへの捜査そうさと訴追そつい(3)ヘイトスピーチを広ひろげる公職こうしょく者しゃと政治せいじ家かの処罰しょばつ(4)教育きょういくなどを通つうじた人種じんしゅ差別さべつ問題もんだいへの取とり組くみ―などを勧告かんこくしました。

　同時どうじに、ヘイトスピーチ対策たいさくを、その他たの抗議こうぎ行動こうどうなどを規制きせいする「口実こうじつにしてはならない」とくぎを刺さしています。

　人種じんしゅ差別さべつ撤廃てっぱい条約じょうやくは差別さべつを助長じょちょうする表現ひょうげんを「犯罪はんざい」と定義ていぎし、処罰しょばつ立法りっぽう措置そちを義務付ぎむづけています。ただ日本にっぽん政府せいふは「表現ひょうげんの自由じゆう」を保障ほしょうする憲法けんぽうとの整合せいごう性せいを考慮こうりょすべきだとして、履行りこうを留保りゅうほしています。最終さいしゅう見解けんかいは留保りゅうほの取とり下さげを要請ようせいしました。

　「慰安いあん婦ふ」問題もんだいでは、日本にっぽん政府せいふによる実態じったいの認識にんしきや被害ひがい者しゃへの謝罪しゃざい、補償ほしょうが不十分ふじゅうぶんだと懸念けねんを表明ひょうめい。(1)人権じんけん侵害しんがいの調査ちょうさを終おえ、侵害しんがいに関与かんよした責任せきにん者しゃの処罰しょばつ(2)真摯しんし（しんし）な謝罪しゃざいと適切てきせつな補償ほしょうによる「慰安いあん婦ふ」問題もんだいの永続えいぞく的てき解決かいけつ(3)「慰安いあん婦ふ」問題もんだいを否定ひていする試こころみの糾弾きゅうだん―を日本にっぽん政府せいふに求もとめました。