2014年ねん9月がつ18日にち(木)もく

安倍あべ政権せいけんとメディア都内とないでシンポ

美辞麗句びじれいくの本質ほんしつ暴あばこう

　安倍あべ政権せいけんの集団しゅうだん的てき自衛じえい権けん行使こうし容認ようにんなどの暴走ぼうそうに、マスメディアがどう対応たいおうしてきたのかを考かんがえるシンポジウム（主催しゅさい＝メディア総合そうごう研究所けんきゅうじょ）が１３日にちに都内とないで開ひらかれ、８０人にんが参加さんかしました。

（写真しゃしん）講演こうえんする岸井きしい成しげる格かく氏し

　毎日新聞まいにちしんぶん特別とくべつ編集へんしゅう委員いいんの岸井きしい成しげる格かく（しげただ）氏しが基調きちょう講演こうえん。市民しみんの立場たちばに立たったジャーナリズムをどう普及ふきゅうさせていくのかを提起ていきしました。

支持しじの論調ろんちょう

　岸井きしい氏しは、首相しゅしょうがメディア対策たいさくのために「武器ぶき」を「防衛ぼうえい装備そうび」とい換いかえるなどしていると指摘してき。このような政権せいけんを支持しじする論調ろんちょうが複数ふくすうのメディアに表あらわれたのは戦後せんご初はつだと述のべ、こう強調きょうちょうしました。

　「安倍あべ氏しが第だい１次じ政権せいけん以降いこうに学まなんだのは、基盤きばんと支持しじ率りつのあるうちにやっておかないと倒たおれるということと、言葉ことばの使つかい方かただ。秘密ひみつ保護ほご法ほうも集団しゅうだん的てき自衛じえい権けんもいくらでも拡大かくだい解釈かいしゃくできる言葉ことばのトリックがある。そこを突つく報道ほうどうもあるが、政治せいじなどの堅かたい話はなしになると視聴しちょう率りつは落おちる傾向けいこうにある。視聴しちょう者しゃに自分じぶんたちにかかわる問題もんだいだと認識にんしきしてもらうため、提起ていきの方法ほうほうを考かんがえていかないといけない」

　討論とうろんにはジャーナリストの青木あおき理さとし氏し、インターネットメディア・アワープラネットＴＶてれび代表だいひょうの白石しらいし草くさ氏し、ＮＰＯ情報じょうほう公開こうかいクリアリングハウス理事りじ長ちょうの三木みき由希子ゆきこ氏しがパネリストとして加くわわりました。

　青木あおき氏しは、現げん閣僚かくりょう１９人にんのうち１５人にんが、過去かこの侵略しんりゃく戦争せんそうを肯定こうてい・美化びかする右翼うよく団体だんたい「日本にっぽん会議かいぎ」に所属しょぞくしていると指摘してき。「戦後せんご最悪さいあくのタカ派は政権せいけんといえる。ＮＨＫも官邸かんていが差さし向むけた経営けいえい委員いいんが増ふえ、街まちではヘイトスピーチが起おきるなど、日本にっぽん社会しゃかいの上層じょうそうと下層かそうに黒くろ々とした勢力せいりょくが根ねを張はっている。『愛国あいこく』を鼓舞こぶする勢力せいりょくが幅はばをきかせているが、メディアが市民しみんの側がわに立たつのか権力けんりょくの側がわに立たつのか。他国たこくをおとしめ、排他はいたと不ふ寛容かんようの拡大かくだいを許ゆるしていいのか。戦争せんそうする国くににしたいとの思惑おもわくにどう立たち向むかっていくのかが問とわれている」

　三木みき氏しは「政権せいけんの意向いこうを通とおすための情報じょうほう戦略せんりゃくがなされ、本質ほんしつを隠かくし秘密ひみつを抱かかえたい側そくが、メディアをコントロールしうる状況じょうきょうになっている。他国たこくへ攻せめ込こむための表現ひょうげんに『自衛じえい』を使つかうなど、政権せいけんが打うち出だす新あたらしい言葉ことばのもとでの議論ぎろんではなく、私わたしたちは議論ぎろんを自分じぶんたちの側がわに引ひき込こむための土俵どひょうをつくっていく必要ひつようがある」と語かたりました。

（写真しゃしん）パネリストと参加さんか者しゃが討論とうろん

手てを組くんで

　白石しらいし氏しは「政権せいけんは女性じょせいファッション誌し『ＶＥＲＹ（ヴェリィ）』３月がつ号ごうが憲法けんぽう問題もんだいを扱あつかうことを事前じぜんにつかんで出版しゅっぱん社しゃに攻撃こうげきを仕掛しかけてきた。朝日新聞あさひしんぶんの誤報ごほうへの今いまのバッシングはそのメディア攻撃こうげきの象徴しょうちょうといえるだろう。大変たいへんな権力けんりょくの行使こうしがすすんでいるときに一番いちばん怖こわいのは記者きしゃが萎縮いしゅくしてしまうこと。記者きしゃがより力ちからを発揮はっきするために、外そとから励はげますことも必要ひつようだし、政権せいけん監視かんしも一いち社しゃでがんばるのでなく、志こころざしあるジャーナリズムが手てを組くんで７０年ねん前まえの悲惨ひさんさを繰くり返かえさない行動こうどうを取とることが必要ひつようではないか」と述のべました。

　岸井きしい氏しは「政権せいけんと迎合げいごうするメディアの戦術せんじゅつとねらいを見極みきわめていくことが重要じゅうよう」と訴うったえ。コーディネーターのメディア総研そうけん所長しょちょうの砂川すなかわ浩ひろし慶けい立教大学りっきょうだいがく准じゅん教授きょうじゅは、「『積極せっきょく的てき平和へいわ主義しゅぎ』などのパフォーマンス的てきな美辞麗句びじれいくの本質ほんしつを暴あばいていくことは急務きゅうむです」と呼よびかけました。