2017年ねん4月がつ26日にち(水)すい

「共謀きょうぼう罪ざい」　内心ないしん処罰しょばつ　一般人いっぱんじんも対象たいしょう

衆院しゅういん委い　参考さんこう人じんから指摘してき相次あいつぐ

畑野はたの議員ぎいんが質問しつもん

（写真しゃしん）参考さんこう人じんに質問しつもんする畑野はたの君枝きみえ議員ぎいん（手前てまえ）。（奥おく左ひだりから）小澤おざわ、井田いだ、小林こばやし、高山たかやま、早川はやかわの各氏かくし＝２５日にち、衆院しゅういん法務ほうむ委い

　衆院しゅういん法務ほうむ委員いいん会かいは２５日にち、「共謀きょうぼう罪ざい」法案ほうあんについて参考さんこう人じん質疑しつぎを行おこないました。法案ほうあんに賛成さんせいの立場たちばの参考さんこう人じんからも、「内心ないしんの処罰しょばつ」や一般人いっぱんじんが捜査そうさの対象たいしょうになることに懸念けねんが出だされ、同どう法案ほうあんの危険きけん性せいが改あらためて浮うき彫ぼりになりました。

（詳報しょうほう）

　日本にっぽん共産党きょうさんとうの畑野はたの君枝きみえ議員ぎいんが、花見はなみか犯罪はんざいの下見したみかの違ちがいは目的もくてきであり「目的もくてきをしっかり調しらべる」とした金田かねだ勝年かつとし法相ほうしょうの答弁とうべんを挙あげて「内心ないしんを調しらべることになり、憲法けんぽう違反いはんではないか」と質問しつもんしたのに対たいし、高山たかやま佳奈子かなこ京都きょうと大学だいがく大学院だいがくいん教授きょうじゅは「内心ないしんの自由じゆうを侵害しんがいするような立法りっぽうは違憲いけんだ」と答こたえました。

　高山たかやま氏しはさらに、花見はなみと下見したみの違ちがいは「内心ないしんそのものだ。日本国にっぽんこく憲法けんぽうは、内心ないしんの違ちがいだけを根拠こんきょに処罰しょばつすることを基本きほん的てきに認みとめていない」と指摘してきしました。

　法案ほうあんに賛成さんせいした井田いだ良りょう（まこと）中央大学ちゅうおうだいがく大学院だいがくいん教授きょうじゅは、重大じゅうだい犯罪はんざいの発端ほったん部分ぶぶんを捕つかまえるには「内心ないしんを見みるのは当然とうぜんだ」と述のべました。

　一般人いっぱんじんが捜査そうさ対象たいしょうになるかをめぐっては、元もと自民党じみんとう衆院しゅういん議員ぎいんで弁護士べんごしの早川はやかわ忠孝ただたか氏しが、“一般人いっぱんじんも対象たいしょう”と答弁とうべんした盛さかり山さん正せい仁じん法務ほうむ副ふく大臣だいじんの方ほうが「法律ほうりつ家かの感覚かんかくに近ちかい」と述のべ、対象たいしょう外がいだとした金田かねだ法相ほうしょうの見解けんかいを退しりぞけました。

　漫画まんが家かの小林こばやしよしのり氏しは「市民しみんが萎縮いしゅくして健全けんぜんな民主みんしゅ主義しゅぎが成なりたなくなる」と警鐘けいしょうを鳴ならしました。

　政府せいふが「共謀きょうぼう罪ざい」の最大さいだいの口実こうじつとする国際こくさい組織そしき犯罪はんざい防止ぼうし条約じょうやくについては、高山たかやま氏しが、現行げんこう法ほう制度せいどの下した、「共犯きょうはんや予備よび罪ざい・陰謀いんぼう罪ざいの処罰しょばつ等とうの諸しょ制度せいどを組くみ合あわせることで締結ていけつできる」と指摘してき。同どう条約じょうやく５条じょうを元もとに共謀きょうぼう罪ざいが必要ひつようだと主張しゅちょうする政府せいふに対たいし、「条約じょうやく全体ぜんたいは国内こくない法ほうの原則げんそくに適合てきごうする対処たいしょを求もとめている。５条じょうだけをしゃくし定規じょうぎに見みて、全部ぜんぶ国内こくない法ほうで犯罪はんざい化かしないといけないものではない」と強調きょうちょうしました。