2017年ねん5月がつ13日にち(土)ど

共謀きょうぼう罪ざいで縮ちぢむ民主みんしゅ主義しゅぎ

藤野ふじの、畑野はたの氏しが批判ひはん

　警察けいさつの力ちからが大おおきくなるなか、市民しみんは声こえをあげられなくなる―。１２日にちの衆院しゅういん法務ほうむ委員いいん会かいで日本にっぽん共産党きょうさんとうの藤野ふじの保たもつ史し、畑野はたの君枝きみえ両りょう議員ぎいんは「共謀きょうぼう罪ざい」法案ほうあんが成立せいりつすれば日本にっぽんの民主みんしゅ主義しゅぎが縮ちぢむことを明あきらかにしました。

（写真しゃしん）質問しつもんする藤野ふじの保たもつ史し議員ぎいん＝12日にち、衆院しゅういん法務ほうむ委い

投票とうひょう呼よびかけを弾圧だんあつ　藤野ふじの氏しが批判ひはん

　藤野ふじの氏しは、警察けいさつが民主みんしゅ主義しゅぎの発展はってんを求もとめる市民しみん運動うんどうを弾圧だんあつしている事例じれいを具体ぐたい的てきに示しめし、「すでに恣意しい（しい）的てきな判断はんだんで市民しみん運動うんどうを萎縮いしゅくさせている警察けいさつに共謀きょうぼう罪ざいを与あたえれば、市民しみんの言論げんろん活動かつどうがますます縮小しゅくしょうするばかりか、民主みんしゅ主義しゅぎが押おしつぶされる」と警告けいこくしました。

　藤野ふじの氏しが取とり上あげたのは、参院さんいん選せん中ちゅうの２０１６年ねん７月がつ和歌山わかやま市しの路上ろじょうで「選挙せんきょに行いこう」と呼よびかけていた２０人にんほどのグループが、県警けんけいから県けん条例じょうれい違反いはんを口実こうじつに警告けいこくを受うけ、活動かつどうを中止ちゅうしさせられた事例じれい。

　白川しらかわ靖浩やすひろ警察庁けいさつちょう長官ちょうかん官房かんぼう審議しんぎ官かんは事実じじつ関係かんけいを認みとめ、「適正てきせいな警察けいさつ活動かつどうだった」と述のべました。

　藤野ふじの氏しは、「選挙せんきょに行いこう」との呼よびかけは、県けん条例じょうれいに照てらしても許可きょかを要ようしない啓発けいはつ活動かつどうだとして「警察けいさつの恣意しい的てきな判断はんだんでやめさせることは許ゆるされない」と指摘してき。「共謀きょうぼう罪ざいができれば、警察けいさつの介入かいにゅうが拡大かくだいし、個人こじんの萎縮いしゅくだけでなく、民主みんしゅ主義しゅぎにとっても脅威きょういとなる」と批判ひはんしました。

（写真しゃしん）質問しつもんする畑野はたの君枝きみえ議員ぎいん＝12日にち、衆院しゅういん法務ほうむ委い

密告みっこく社会しゃかいへの道みち開ひらく　畑野はたの氏しが指摘してき

　畑野はたの氏しは、市民しみん運動うんどうの弾圧だんあつと密告みっこく社会しゃかいに道みちを開ひらく危険きけん性せいを浮うき彫ぼりにしました。

　「共謀きょうぼう罪ざい」法案ほうあんは、犯罪はんざい実行じっこう前まえに「自首じしゅ」した場合ばあいに刑けいを軽減けいげん・免除めんじょする規定きていを設もうけています。政府せいふが「共謀きょうぼう罪ざい」法案ほうあんの根拠こんきょとしている国際こくさい組織そしき犯罪はんざい防止ぼうし条約じょうやくも導入どうにゅうを義務付ぎむづけていない「自首じしゅ減免げんめん」規定きていを、法務省ほうむしょうの林はやし真琴まこと刑事けいじ局長きょくちょうは「犯罪はんざいの未然みぜん防止ぼうしのため政策せいさく的てき配慮はいりょから設もうけた」と答弁とうべんしました。

　畑野はたの氏しは、日本にっぽん弁護士べんごし連合れんごう会かいなど多おおくの法律ほうりつ家か団体だんたいから「犯罪はんざいを持もちかけた方ほうの主犯しゅはんが処罰しょばつされず、それに同意どういしただけの人ひとが処罰しょばつされる事態じたいになりかねない」との強つよい懸念けねんがあると紹介しょうかい。市民しみん団体だんたいや労働ろうどう組合くみあいに“スパイ”として入はいり込こんだ公安こうあん警察けいさつが犯罪はんざいの実行じっこうを持もち掛かけ、関係かんけい者しゃが同意どういしたことを示しめす“証拠しょうこ”を警察けいさつに持もち込こめば、全ぜん構成こうせい員いんが逮捕たいほされるとして、「多おおくの国民こくみんを疑心暗鬼ぎしんあんきに陥おとしいれ、密告みっこく社会しゃかいへの道みちを開ひらきかねないものだ」と批判ひはんしました。