(Translated by https://www.hiragana.jp/)
「権力の監視」できるのか 安倍首相とメディア幹部の会食/「読売」突出 5年で38回
「しんぶん赤旗」
日本共産党
メール

申し込み記者募集・見学会主張とコラム電話相談キーワードPRグッズ
日本共産党しんぶん赤旗前頁に戻る

2017ねん12月31にち(日)にち

権力けんりょく監視かんし」できるのか 安倍あべ首相しゅしょうとメディア幹部かんぶ会食かいしょく

読売よみうり突出とっしゅつ 5ねんで38かい

このエントリーをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 mixiチェック

写真

写真しゃしん安倍あべ首相しゅしょうインタビューを掲載けいさいした5がつにちづけ読売新聞よみうりしんぶん

 国政こくせい私物しぶつ疑惑ぎわくにまみれ、改憲かいけんへの執念しゅうねん際立きわだたせている安倍晋三あべしんぞう首相しゅしょう大手おおてメディア幹部かんぶとの会食かいしょくが、今年ことしも15かいおよびました。首相しゅしょうは5がつに2020ねんまでの9じょう改憲かいけん構想こうそうを「読売よみうり紙上しじょうあきらかにしましたが、同社どうしゃ幹部かんぶとの会食かいしょくは8かいだい安倍あべ政権せいけん以降いこうの5年間ねんかんでは38かい突出とっしゅつしています。

 「読売よみうり」が首相しゅしょう改憲かいけん発言はつげん掲載けいさいしたのは、5がつにちづけでしたが、インタビューがおこなわれたのは4がつ26にち。その2にちまえには、首相しゅしょう渡辺わたなべ恒雄つねお読売よみうり」グループ本社ほんしゃ主筆しゅひつ、インタビュアーとなった前木まえぎ理一郎りいちろう政治せいじ部長ぶちょうとが飯田橋いいだばしのホテルない日本にっぽん料理りょうりてんで2あいだにわたり、会食かいしょくしています。

 「読売よみうり」インタビューは「憲法けんぽう施行しこう70ねんむかえた。あらためて憲法けんぽう改正かいせいにかけるおもいを」という質問しつもんからはじまり、首相しゅしょういたいことをわせるもので、報道ほうどう機関きかんとしてのありかたわれました。国会こっかいでは、改憲かいけん発言はつげん意図いとについて野党やとうから質問しつもんけた安倍あべ首相しゅしょうが「読売新聞よみうりしんぶん熟読じゅくどくして」と答弁とうべんし、国会こっかい軽視けいし問題もんだいになりました。

 そのインタビューのうらでは、しゃのトップとインタビュアーが首相しゅしょう会食かいしょくしてすりわせをしていたのではないかとおもわせる行動こうどう報道ほうどう機関きかん失格しっかくです。「読売よみうり御用ごよう新聞しんぶん』という汚名おめい」という見出みだしの週刊しゅうかん記事きじまでました。

 ちなみに、渡辺わたなべ主筆しゅひつは、5年間ねんかんで18かい今年ことしだけで5かい首相しゅしょう会食かいしょくかえしており、特別とくべつ親密しんみつぶりがわれています。

首相しゅしょう選別せんべつ利用りようすす

表:安倍首相とメディア幹部の会食(2017年)

 安倍あべ首相しゅしょうとメディア幹部かんぶとの会食かいしょくからえてくるのは、首相しゅしょうによるメディアの選別せんべつ利用りようが、5年間ねんかんでいっそうすすんでいることです。「権力けんりょく監視かんし」というジャーナリズム本来ほんらい役割やくわりたせない状況じょうきょう危惧きぐされます。

政局せいきょく節目ふしめ

 5年間ねんかん会食かいしょく回数かいすう突出とっしゅつしているのは、1めんしょほうのように「読売よみうり」38かいいで同社どうしゃだい株主かぶぬし日本にほんテレビが21かい。フジサンケイグループでは「産経さんけい」14かい、フジテレビ11かいです。また、「日経にっけい」も16かいおよんでいます。

 重大じゅうだいなのは、首相しゅしょうがこれらのメディアを使つかって、政局せいきょく節目ふしめ節目ふしめ発言はつげんしていることです。2がつに、トランプまい大統領だいとうりょうとの日米にちべい首脳しゅのう会談かいだんえて帰国きこくした首相しゅしょうは、BSフジとNHKの「ニュースウオッチ9」になま出演しゅつえんし、訪米ほうべいの“成果せいか”をとくとくとかたりました。

 5がつにちには、「読売よみうり」で改憲かいけんインタビューを掲載けいさい同月どうげつ15にちには、「日経にっけいけいのBSジャパンと日経にっけいCNBCの共同きょうどうインタビューで改憲かいけん問題もんだいかたっています。

 9月くがつ衆院しゅういん解散かいさんまえの13にちには、「日経にっけい」の単独たんどくインタビューでのちにそう選挙せんきょ公約こうやく目玉めだまになる「ぜん世代せだいがた社会しゃかい保障ほしょう制度せいど」をめざすかんがえを披露ひろうしています。

 そして、そう選挙せんきょ開票かいひょう翌日よくじつ(10がつ23にち)には、「読売よみうり渡辺わたなべ恒雄つねお主筆しゅひつ、「産経さんけい清原きよはら武彦たけひこ相談役そうだんやく、「日経にっけい芹川せりかわ洋一よういち論説ろんせつ主幹しゅかん共同通信きょうどうつうしん福山ふくやま正喜まさよし社長しゃちょうと、“祝杯しゅくはい”をあげるかのように、東京とうきょう大手町おおてまち読売新聞よみうりしんぶん東京とうきょう本社ほんしゃビルで会食かいしょくするというねんれようです。

 さらにはトランプ大統領だいとうりょう来日らいにち前後ぜんこうでは、長女ちょうじょのイバンカさん報道ほうどうがテレビを席巻せっけんするなど異常いじょうなお追従ついしょう報道ほうどう目立めだちました。

 これらのメディアには、権力けんりょくかんというジャーナリズムの自覚じかくがあるのかがするどわれます。

われる癒着ゆちゃく

 もうひとつ、われるのは、首相しゅしょうとメディア幹部かんぶ会食かいしょくなか権力けんりょくとの癒着ゆちゃくうたがわれる事態じたいまれていることです。

 5がつ17にち、「朝日あさひ」が加計かけ疑惑ぎわくにかかわる文科ぶんかしょう内部ないぶ文書ぶんしょをスクープし、「赤旗あかはた」も翌日よくじつつづきました。首相しゅしょう腹心ふくしんとも加計かけ孝太郎こうたろう理事りじちょうつとめる加計かけ学園がくえんしし医学部いがくぶ新設しんせつについて、「官邸かんてい最高さいこうレベル」の意向いこうはたらいたとの疑惑ぎわく噴出ふんしゅつしました。24にちには、前川まえかわ喜平きへいぜん文科ぶんか事務次官じむじかんが、内部ないぶ文書ぶんしょについて「自分じぶん説明せつめいけたさいしめされた」と証言しょうげんしました。

 ところが、前川まえかわ証言しょうげんの3にちまえ、こうしたうごきを察知さっちしたかのように「読売よみうり」(5がつ22にちづけ)が「前川まえかわ次官じかん出会であけいバーがよい」と人身じんしん攻撃こうげき記事きじたのです。かんよしえら官房かんぼう長官ちょうかんは、「出会であけいバーがよいには違和感いわかんがある」と人間にんげんせいをおとしめ、問題もんだいをそらすために利用りようしました。

 犯罪はんざい行為こういでもない個人こじん行動こうどうが、公器こうきである新聞しんぶんること自体じたい異例いれいでした。前川まえかわによれば、「読売よみうり記事きじ直前ちょくぜん首相しゅしょう補佐ほさかんから面会めんかいもうれがあったといいます。

 かり権力けんりょく結託けったくして告発こくはつしゃ攻撃こうげきしたとすれば、メディアの自殺じさつ行為こういです。「読売よみうり」は6がつにちづけ東京とうきょう本社ほんしゃ社会しゃかい部長ぶちょう署名しょめい記事きじで「公正こうせい報道ほうどうであるかのような批判ひはんている。…こうした批判ひはんまったたらない」とかん長官ちょうかんばりの反論はんろんをおこないました。

 「出会であけいバー」記事きじ掲載けいさいされた1週間しゅうかん、「読売よみうり」の編集へんしゅうきょく総務そうむ政治せいじ部長ぶちょう国際こくさい部長ぶちょうの3にんが、赤坂あかさか居酒屋いざかやで、安倍あべ首相しゅしょうと3あいだあまりにわたって会食かいしょくしています。


見本紙 購読 ページの上にもどる
日本共産党 (c)日本にっぽん共産党きょうさんとう中央ちゅうおう委員いいんかい 利用りようにあたって