ロシア、ジョージア国民こくみんへの短期たんき滞在たいざいビザを廃止はいし、2国こく間あいだの直行ちょっこう便びんを再開さいかいへ

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領だいとうりょうは5月がつ10日とおか、2つの大統領だいとうりょう令れいに署名しょめいし、2000年ねんから続つづいていたジョージア国民こくみんに対たいする短期たんき滞在たいざいビザ制度せいどと、2019年ねん7月がつに導入どうにゅうした両国りょうこく間あいだの直行ちょっこう航空こうくう便びんの禁止きんし措置そちを撤廃てっぱいした（大統領だいとうりょう令れい第だい335号ごう、第だい336号ごう）。これにより、5月15日にち以降いこう、ジョージア国民こくみんは、就労しゅうろうや長期ちょうき留学りゅうがく目的もくてきで渡航とこうする者ものと90日にち以上いじょうの長期ちょうき滞在たいざい者しゃを除のぞき、180日にちの期間きかん内ないで最大さいだい90日にちまではパスポートのみでロシアへの入国にゅうこくが可能かのうになった。モスクワ～トビリシ間あいだの直行ちょっこう便びんも5月がつ末まつまでには再開さいかいされる見込みこみだ。

ロシア外務省がいむしょうは、制限せいげん措置そちの緩和かんわは両りょう国民こくみんの交流こうりゅうを促進そくしんするための原則げんそく的てきなアプローチによるものだと説明せつめいしている。しかし、複数ふくすうの政府せいふ高官こうかんや国会こっかい議員ぎいんの発言はつげんから、ウクライナ紛争ふんそうによる西側にしがわの対たいロ制裁せいさいにジョージアが参加さんかしていないことに対たいするロシア政府せいふの評価ひょうかの表あらわれとする見方みかたがある（「コメルサント」5月がつ10日とおか、「BBC」5月がつ10日とおか）。

ジョージアのサロメ・ズラビシビリ大統領だいとうりょうはこの決定けっていを受うけ、ロシアによる挑発ちょうはつだと反発はんぱつし、国家こっか安全あんぜん保障ほしょう会議かいぎに対たいしてロシア国民こくみんへの3カ月かげつビザ導入どうにゅうを検討けんとうするよう求もとめた。現在げんざい、ロシア国民こくみんはジョージアにビザなしで最長さいちょう1年ねんまで滞在たいざいすることができる。一方いっぽう、イリヤ・ダルチアシビリ外相がいしょうは、ロシアに在住ざいじゅうする100万まん人にん以上いじょうのジョージア国民こくみんのために、ロシア政府せいふの決定けっていを人道的じんどうてき観点かんてんから歓迎かんげいするとコメントした（「Agenda.ge」5月がつ10日とおか）。

野党やとう側がわは、ロシアはこのような施策しさくでジョージア国民こくみんの懐柔かいじゅうを図はかっている、制裁せいさい逃のがれという非難ひなんを受うけているジョージアをさらに複雑ふくざつな立場たちばに立たたせようとしており、EU加盟かめい候補こうほ国こくの地位ちい獲得かくとくとの関連かんれんで好このましくないなどと批判ひはんしている（「BBC」5月がつ10日とおか）。

ロシア運輸省うんゆしょうは、ロシアの航空こうくう会社かいしゃが国産こくさんの航空機こうくうきでモスクワ～トビリシ間あいだの直行ちょっこう便びんを週しゅう7便びん運航うんこうすると発表はっぴょうし、ロシア外務省がいむしょうはロシア国民こくみんへのジョージア渡航とこう自粛じしゅく勧告かんこくを撤回てっかいした。運輸省うんゆしょうによると、航空こうくう各社かくしゃは直行ちょっこう便びん再開さいかいに向むけて機体きたい確保かくほなどの準備じゅんびを開始かいししている（「BBC」5月がつ10日とおか）。

一方いっぽう、ジョージア経済けいざい省しょうは、制裁せいさい対象たいしょうとなっていないロシアの航空こうくう会社かいしゃに対たいしてなら、旅客りょかく輸送ゆそうの許可きょかを出だす用意よういがあるとしている（「Agenda.ge」5月がつ15日にち）。ジョージア航空こうくうは5月がつ20日はつかからのトビリシ～モスクワ直行ちょっこう便びんの航空こうくう券けんの販売はんばいをオンラインで開始かいしした。両国りょうこくの観光かんこう業界ぎょうかいでは、ロシア人じんによるジョージアツアーへの需要じゅよう回復かいふくを期待きたいしている。ジョージア政府せいふ観光かんこう協会きょうかいの報告ほうこくによると、2018年ねんには140万まん人にんのロシア人じんが同国どうこくを訪おとずれ、外国がいこく人じん観光かんこう客きゃく全体ぜんたいの20％を占しめていた（「コメルサント」5月がつ10日とおか）。

（小林こばやし圭子けいこ）