【ソウル共同】ソウル中央地裁は28日、1965年の日韓請求権協定に基づく日本の拠出資金で個人補償が十分行われなかったのは不当だとして、元徴用工遺族らが韓国政府に賠償を求めた2件の訴訟について、請求をいずれも棄却。元徴用工らの個人請求権は同協定で消滅していないとした韓国最高裁の確定判決を踏まえ、徴用するなどした日本企業への請求が妥当だと判断した。
地裁は「不法な植民地支配に直結した日本企業の不法行為」に対する請求権は協定の適用対象外とした2018年の最高裁判決にも言及。今回の訴訟は請求権の喪失を前提としているとして「(韓国の)最終的な法的見解と異なり、酌むべき事情がない」と指摘した。