美術びじゅつ初心者しょしんしゃは絵画かいが鑑賞かんしょう時じに絵画かいがに描えがかれた具体ぐたい物ぶつの特定とくていに固執こしつする傾向けいこう（写実しゃじつ性せい制約せいやく）があることが指摘してきされている。先行せんこう研究けんきゅうでは、具象ぐしょう絵画かいがの鑑賞かんしょうにおいて、絵画かいがの形式けいしき的てき要素ようそに関かんする解説かいせつ文ぶんを読よみながら鑑賞かんしょうする経験けいけんによって写実しゃじつ性せい制約せいやくが緩和かんわされ、逆ぎゃくに絵画かいがに描えがかれた対象たいしょう物ぶつについての解説かいせつ文ぶんでは制約せいやくが強つよめられることが示唆しさされている。本ほん研究けんきゅうでは、抽象ちゅうしょう絵画かいがの鑑賞かんしょう時じにも同様どうようの傾向けいこうが見みられるか検討けんとうした。一般いっぱん大学生だいがくせい24ペアに2点てんの抽象ちゅうしょう絵画かいが（カンディンスキーとモンドリアン）を鑑賞かんしょうさせ発話はつわを分析ぶんせきした。その結果けっか、前者ぜんしゃでは具体ぐたい物ぶつの名称めいしょうを挙あげようとする傾向けいこうが強つよく見みられたが、後者こうしゃでは具体ぐたい物ぶつへの言及げんきゅうは殆ほとんど見みられず、題名だいめいで言及げんきゅうされた色いろを特定とくていしようとする傾向けいこうが強つよくみられた。解説かいせつ文ぶんの種類しゅるいの効果こうかは明確めいかくではなかった。