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放送研究と調査
放送ほうそう研究けんきゅう調査ちょうさ
Online ISSN : 2433-5622
Print ISSN : 0288-0008
ISSN-L : 0288-0008
最新さいしんごう
選択せんたくされたごう論文ろんぶんの4けんちゅう1~4を表示ひょうじしています
  • 計算けいさん社会しゃかい科学かがくにおけるソーシャルメディア分析ぶんせき技術ぎじゅつ応用おうよう
    したくぼ 拓也たくや, りょ さわ宇, 永吉ながよし 希久子きくこ, 瀧川たきがわ 裕貴ゆき, 渡辺わたなべ ちかい, 中村なかむら 美子よしこ
    2024 ねん 74 かん 9 ごう p. 2-31
    発行はっこう: 2024/09/01
    公開こうかい: 2024/09/20
    研究けんきゅう報告ほうこくしょ技術ぎじゅつ報告ほうこくしょ フリー
    ほん論文ろんぶんは、X(きゅうTwitter)を事例じれいに、東京とうきょう2020パラリンピック競技きょうぎ大会たいかい(2021ねん8がつ24にち~9がつ5にち)とその放送ほうそうが、日本にっぽんにおける障害しょうがいしゃたいする意識いしき態度たいどおよぼす影響えいきょうについて把握はあくしようとするものである。なお、東京とうきょう大会たいかいは、コロナ・パンデミックのため開催かいさいが1ねん延期えんきされ、緊急きんきゅう事態じたい宣言せんげん開催かいさいされた異例いれい大会たいかいだった。 大会たいかい前後ぜんこう変化へんかるために、2021ねん5がつ1にちから12月31にちまでのXうえ投稿とうこうのうち、「パラリンピック」「障害しょうがいしゃ」「障碍しょうがいしゃ」「さわがいしゃ」のいずれかのかたりふくむオリジナルポストを収集しゅうしゅうした。このなかからボットの削除さくじょおこない、56まん4,688ユーザーによる200まん6,853けん投稿とうこう分析ぶんせき対象たいしょうとした。 分析ぶんせき方法ほうほうは、Xうえ投稿とうこうからパラリンピックや障害しょうがいしゃたいする態度たいど判断はんだんする「センチメント分析ぶんせき」と、投稿とうこう内容ないよう話題わだい(トピック)をく「トピックモデル分析ぶんせき」という手法しゅほうもちいた。センチメント分析ぶんせきは、東北大学とうほくだいがく公開こうかいしたBERTモデルに、ランダムサンプリングした10,000けん投稿とうこうデータの分類ぶんるい結果けっかまえて調整ちょうせいおこない、ほん研究けんきゅう対応たいおうする分類ぶんるいモデルを作成さくせいした。トピックモデル分析ぶんせきには、みじかいテキストにとくしたGibbs Sampling Dirichlet Multinomial Mixtureをもちい、トピックすうは20が妥当だとうとされた。 まず、「センチメント分析ぶんせき」では、分析ぶんせき対象たいしょうとなる投稿とうこうは「障害しょうがいしゃ」あるいは「パラリンピック」にたいして、47.5%が「ポジティブ(肯定こうていてき)」、41.7%が「ネガティブ(否定ひていてき)」、10.8%が「その広告こうこくなどほん研究けんきゅう関心かんしんとは無関係むかんけいのもの)」だった。投稿とうこうすうは、オリンピックの開催かいさい直前ちょくぜん、パラリンピックの開会かいかいしき閉会へいかいしき顕著けんちょ増加ぞうかしたが、とくにパラリンピックの開会かいかいしきおこなわれた8がつ24にちにポジティブが急増きゅうぞうし、大会たいかい期間きかんちゅうつねにポジティブがネガティブを上回うわまわった。しかし、閉会へいかいしき以降いこうは、ポジティブ、ネガティブともに開催かいさいまえ水準すいじゅん減少げんしょうした。 つぎに、「トピックモデル分析ぶんせき」で20のトピックにたいする投稿とうこう割合わりあいると、パラリンピック関連かんれんのトピック(「競技きょうぎ」「選手せんしゅ応援おうえん」「開閉かいへい会式えしき」など)への投稿とうこうけい62.5%で、障害しょうがいしゃ日常にちじょう生活せいかつ関連かんれんのトピック(「障害しょうがいしゃ支援しえん制度せいど」「雇用こよう/就労しゅうろう」など)への投稿とうこうけい30.6%)よりも多数たすうめ、パラリンピックと障害しょうがいしゃたいしておおむねポジティブであった。 大会たいかい期間きかんちゅう投稿とうこう注目ちゅうもくして、NHKが中継ちゅうけい放送ほうそうした陸上りくじょう競技きょうぎれい放送ほうそうとの関係かんけい分析ぶんせきすると、リアルタイムで視聴しちょう応援おうえんする様子ようす投稿とうこうかられた。また、NHKがはじめて起用きようした3にん障害しょうがいのあるリポーターにかんする投稿とうこうは、1,365けんかずすくないが、その86.3%がポジティブだった。 大会たいかいまえ大会たいかい期間きかんちゅう大会たいかい投稿とうこう推移すいいると、パラリンピックにかんするポジティブな投稿とうこう大会たいかい期間きかんちゅう増加ぞうかするが、大会たいかい終了しゅうりょうするとなくなる一方いっぽうで、障害しょうがいしゃ日常にちじょう生活せいかつ関連かんれんする投稿とうこう大会たいかい前後ぜんこうおおきな変動へんどうられなかった。 東京とうきょうパラリンピックの開催かいさい障害しょうがいしゃおよびパラリンピックにたいするXへの投稿とうこう増加ぞうかさせたが、それは障害しょうがいしゃたいする意見いけん感情かんじょう表明ひょうめいたかまりというよりは、パラリンピックやその選手せんしゅたいする投稿とうこうであった。大会たいかい期間きかんちゅう増加ぞうかした投稿とうこう閉会へいかいには大会たいかい以前いぜん水準すいじゅんまで減少げんしょうしたことから、Xうえではパラリンピックのがりは一時いちじてきなもので、障害しょうがいしゃたいする態度たいど向上こうじょううながしたものではないとかんがえられる。 一方いっぽう、パラリンピック放送ほうそう視聴しちょうとXうえ投稿とうこうとの関係かんけいについては、「放送ほうそうたから投稿とうこうした」という因果いんが関係かんけいあきらかにするものではない。しかし、NHKが連日れんじつ競技きょうぎ放送ほうそうしたことで、画面がめんうつ選手せんしゅ障害しょうがいのあるリポーターの姿すがたつづけた視聴しちょうしゃの、障害しょうがいしゃ障害しょうがいたいする意識いしき影響えいきょうあたえた可能かのうせいはある。このことは、パラリンピックや障害しょうがいしゃスポーツだけでなく、幅広はばひろいジャンルの番組ばんぐみ障害しょうがいしゃ姿すがた継続けいぞくてきげることの重要じゅうようせい示唆しさしている。 ほん研究けんきゅう結果けっかは、Xに参加さんかしない人々ひとびとてはまるとはかぎらない。重要じゅうようなことは、Xなどのソーシャルメディアじょう世論せろんと、従来じゅうらいがた世論せろん調査ちょうさからられたデータなどほかのデータと補完ほかんいながら、世論せろん実態じったいせまることである。
  • 関東大震災かんとうだいしんさいからかんがえる
    中丸なかまる 憲一けんいち
    2024 ねん 74 かん 9 ごう p. 32-66
    発行はっこう: 2024/09/01
    公開こうかい: 2024/09/20
    研究けんきゅう報告ほうこくしょ技術ぎじゅつ報告ほうこくしょ フリー
    災害さいがいの「あやま情報じょうほうにせ情報じょうほう」への対策たいさく急務きゅうむとなっている。その“原点げんてん”ともいえるのが,1923ねん発生はっせいした関東大震災かんとうだいしんさいだ。この震災しんさいでは,火山かざん噴火ふんか津波つなみむすびついた「災害さいがい流言りゅうげん」とばれる多種たしゅ多様たようあやま情報じょうほうにせ情報じょうほうながれた。しかし,この災害さいがい流言りゅうげんがなぜ発生はっせいひろまったのかについて,くわしく調査ちょうさ分析ぶんせきした先行せんこう研究けんきゅうはほとんど見当みあたらない。本稿ほんこうでは,現代げんだいあやま情報じょうほうにせ情報じょうほう対策たいさくするためにも,これまであまり注目ちゅうもくされてこなかった関東大震災かんとうだいしんさいにおける災害さいがい流言りゅうげん発生はっせい拡散かくさん様相ようそうについて,子細しさい検討けんとうした。また,その過程かていで,関東大震災かんとうだいしんさい以外いがいひろまった災害さいがい流言りゅうげんについても,その内容ないよう発生はっせいパターンなどを数多かずおおく摘示した。 さらに,現代げんだいのメディアが対策たいさくさい課題かだいについても検討けんとう。▼視聴しちょうしゃ聴取ちょうしゅしゃ読者どくしゃのメディア情報じょうほうリテラシーをたかめるため,あやま情報じょうほうにせ情報じょうほう発生はっせい拡散かくさんパターンをあらかじめっておく「予防よぼう接種せっしゅ効果こうか」の重要じゅうようせい指摘してきした。また,▼過去かこ災害さいがい発生はっせいしたあやま情報じょうほうにせ情報じょうほうを,事例じれいしゅうとして「データベース」しておくことで,災害さいがい発生はっせい迅速じんそく的確てきかくな「報道ほうどう」につながることなどを提言ていげんした。
  • 『おかあさんといっしょ』初期しょき人形にんぎょうげき変遷へんせん
    高橋たかはし ひろし一郎いちろう
    2024 ねん 74 かん 9 ごう p. 68-83
    発行はっこう: 2024/09/01
    公開こうかい: 2024/09/20
    研究けんきゅう報告ほうこくしょ技術ぎじゅつ報告ほうこくしょ フリー
    本稿ほんこうは、2024ねん放送ほうそう開始かいし65ねんむかえる幼児ようじ番組ばんぐみ『おかあさんといっしょ』(NHK、1959~)においてげき作家さっか飯沢いいざわただしがけた8シリーズの人形にんぎょうげき内容ないようを3かいにわたって検証けんしょうするものである。 6がつごうでは、どう番組ばんぐみはじめての人形にんぎょうげき「ブーフーウー」(1960~1967)と2さくの「ダットくん」(1967~1969)を、7,8がつごうでは「とんちんこぼうず」(1969~1971)、「とんでけブッチー」(1971~1974)、「うごけぼくのえ」(1974~1976)の3シリーズをた。それぞれの作品さくひんにおいて、飯沢いいざわあらたな手法しゅほうやテーマにいどみ、どう番組ばんぐみ人形にんぎょうげき表現ひょうげんはばひろげたことがわかった。 本号ほんごうでは、後期こうき制作せいさくされた「ペリカンおばさん」(1976~1977)、「おもちゃおじさん」(1978~1979)、「ミューミューニャーニャー」(1979~1983)の3シリーズの内容ないよう検証けんしょうする。後期こうき3シリーズをつうじて、飯沢いいざわがさまざまな時代じだい変化へんかけつつ、みずからがよいとしんじるものをつくつづけたことを確認かくにんする。
  • 番組ばんぐみ改善かいぜんけた多彩たさい調査ちょうさ掲載けいさいした「事業じぎょう資料しりょう
    広川ひろかわ ひろし
    2024 ねん 74 かん 9 ごう p. 84-87
    発行はっこう: 2024/09/01
    公開こうかい: 2024/09/20
    研究けんきゅう報告ほうこくしょ技術ぎじゅつ報告ほうこくしょ フリー
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