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医療用医薬品 : リフレックス (リフレックス錠15mg 他)

医療いりょうよう医薬品いやくひん : リフレックス

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医薬品いやくひん情報じょうほう


総称そうしょうめい リフレックス
一般いっぱんめい ミルタザピン
欧文おうぶん一般いっぱんめい Mirtazapine
製剤せいざいめい ミルタザピンじょう
薬効やっこう分類ぶんるいめい ノルアドレナリン・セロトニン作動さどうせいこううつざい
薬効やっこう分類ぶんるい番号ばんごう 1179
ATCコード N06AX11
KEGG DRUG
D00563 ミルタザピン
JAPIC 添付てんぷ文書ぶんしょ(PDF)
この情報じょうほうKEGG データベースにより提供ていきょうされています。
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添付てんぷ文書ぶんしょ情報じょうほう2021ねん1がつ 改訂かいていだい5はん


商品しょうひん情報じょうほう 3.組成そせい性状せいじょう

販売はんばいめい 欧文おうぶん商標しょうひょうめい 製造せいぞう会社かいしゃ YJコード 薬価やっか 規制きせい区分くぶん
リフレックスじょう15mg REFLEX TABLETS Meiji Seikaファルマ 1179051F1029 85えんじょう 劇薬げきやく, 処方箋しょほうせん医薬品いやくひんちゅう
リフレックスじょう30mg REFLEX TABLETS Meiji Seikaファルマ 1179051F2025 136.3えんじょう 劇薬げきやく, 処方箋しょほうせん医薬品いやくひんちゅう

2. 禁忌きんき

つぎ患者かんじゃには投与とうよしないこと
2.1 ほんざい成分せいぶんたいして過敏かびんしょう既往きおうれきのある患者かんじゃ
2.2 MAO阻害そがいざい(セレギリン塩酸えんさんしお、ラサギリンメシルさんしお、サフィナミドメシルさんしお)を投与とうよちゅうあるいは投与とうよ中止ちゅうし2週間しゅうかん以内いない患者かんじゃ10.111.1.1参照さんしょう

4. 効能こうのうまたは効果こうか

うつびょう・うつ状態じょうたい

5. 効能こうのうまたは効果こうか関連かんれんする注意ちゅうい

5.1 こううつざい投与とうよにより、24さい以下いか患者かんじゃで、自殺じさつ念慮ねんりょ自殺じさつ企図きとのリスクが増加ぞうかするとの報告ほうこくがあるため、ほんざい投与とうよにあたっては、リスクとベネフィットを考慮こうりょすること。[8.1-8.49.1.19.1.215.1.1参照さんしょう
5.2 ほんざいを18さい未満みまんだいうつびょうせい障害しょうがい患者かんじゃ投与とうよするさいには適応てきおう慎重しんちょう検討けんとうすること。[9.7.19.7.2参照さんしょう

6. 用法ようほうおよ用量ようりょう

通常つうじょう成人せいじんにはミルタザピンとして1にち15mgを初期しょき用量ようりょうとし、15〜30mgを1にち1かい就寝しゅうしんまえ経口けいこう投与とうよする。なお、年齢ねんれい症状しょうじょうおうじ1にち45mgをえない範囲はんい適宜てきぎ増減ぞうげんするが、増量ぞうりょうは1週間しゅうかん以上いじょう間隔かんかくをあけて1にち用量ようりょうとして15mgずつおこなうこと。

7. 用法ようほうおよ用量ようりょう関連かんれんする注意ちゅうい

ほんざい投与とうよりょう必要ひつよう最小限さいしょうげんとなるよう、患者かんじゃごとに慎重しんちょう観察かんさつしながら投与とうよすること。

8. 重要じゅうよう基本きほんてき注意ちゅうい

8.1 うつ症状しょうじょうていする患者かんじゃまれ念慮ねんりょがあり、自殺じさつ企図きとのおそれがあるので、このような患者かんじゃ投与とうよ開始かいし早期そうきならびに投与とうよりょう変更へんこうするさいには患者かんじゃ状態じょうたいおよ病態びょうたい変化へんか注意深ちゅういぶか観察かんさつすること。[5.18.2-8.49.1.19.1.215.1.1参照さんしょう
8.2 不安ふあん焦燥しょうそう興奮こうふん、パニック発作ほっさ不眠ふみんえき刺激しげきせい敵意てきい攻撃こうげきせい衝動しょうどうせい、アカシジア/精神せいしん運動うんどう不穏ふおん軽躁けいそう躁病そうびょうとうがあらわれることが報告ほうこくされている。また、因果いんが関係かんけいあきらかではないが、これらの症状しょうじょう行動こうどうきたした症例しょうれいにおいて、基礎きそ疾患しっかん悪化あっかまた自殺じさつ念慮ねんりょ自殺じさつ企図きとがい行為こうい報告ほうこくされている。患者かんじゃ状態じょうたいおよ病態びょうたい変化へんか注意深ちゅういぶか観察かんさつするとともに、これらの症状しょうじょう増悪ぞうあく観察かんさつされた場合ばあいには、服薬ふくやくりょう増量ぞうりょうせず、徐々じょじょ減量げんりょうし、中止ちゅうしするなど適切てきせつ処置しょちおこなうこと。[5.18.18.38.49.1.1-9.1.415.1.1参照さんしょう
8.3 自殺じさつ目的もくてきでのりょう服用ふくようふせぐため、自殺じさつ傾向けいこうみとめられる患者かんじゃ処方しょほうする場合ばあいには、1回分かいぶん処方しょほう日数にっすう最小限さいしょうげんにとどめること。[5.18.18.28.49.1.19.1.215.1.1参照さんしょう
8.4 家族かぞくとう自殺じさつ念慮ねんりょ自殺じさつ企図きと興奮こうふん攻撃こうげきせいえき刺激しげきせいとう行動こうどう変化へんかおよ基礎きそ疾患しっかん悪化あっかがあらわれるリスクとうについて十分じゅうぶん説明せつめいおこない、医師いし緊密きんみつ連絡れんらくうよう指導しどうすること。[5.18.1-8.39.1.1-9.1.415.1.1参照さんしょう
8.5 眠気ねむけ、めまいとうがあらわれることがあるので、ほんざい投与とうよちゅう患者かんじゃには、自動車じどうしゃ運転うんてんとう危険きけんともな機械きかい操作そうさ従事じゅうじさせないよう注意ちゅういすること。[15.1.315.2参照さんしょう
8.6 投与とうよ中止ちゅうし突然とつぜん中止ちゅうし)により、不安ふあん焦燥しょうそう興奮こうふん浮動ふどうせいめまい、錯覚さっかくかん頭痛ずつうおよ悪心あくしんとうがあらわれることが報告ほうこくされている。投与とうよ中止ちゅうしする場合ばあいには、突然とつぜん中止ちゅうしけ、患者かんじゃ状態じょうたい観察かんさつしながら徐々じょじょ減量げんりょうすること。

9. 特定とくてい背景はいけいゆうする患者かんじゃかんする注意ちゅうい

9.1 合併症がっぺいしょう既往きおうれきとうのある患者かんじゃ
9.1.1 自殺じさつ念慮ねんりょまた自殺じさつ企図きと既往きおうのある患者かんじゃ自殺じさつ念慮ねんりょのある患者かんじゃ
自殺じさつ念慮ねんりょ自殺じさつ企図きとがあらわれることがある。[5.18.1-8.49.1.215.1.1参照さんしょう
9.1.2 そううつびょう患者かんじゃ
躁転、自殺じさつ企図きとがあらわれることがある。[5.18.1-8.49.1.115.1.1参照さんしょう
9.1.3 のう器質きしつてき障害しょうがいまた統合とうごう失調しっちょうしょう素因そいんのある患者かんじゃ
精神せいしん症状しょうじょう増悪ぞうあくさせることがある。[8.28.49.1.4参照さんしょう
9.1.4 衝動しょうどうせいたか併存へいそん障害しょうがいゆうする患者かんじゃ
精神せいしん症状しょうじょう増悪ぞうあくさせることがある。[8.28.49.1.3参照さんしょう
9.1.5 てんかんとう痙攣けいれんせい疾患しっかんまたはこれらの既往きおうれきのある患者かんじゃ
痙攣けいれん発作ほっさこすことがある。
9.1.6 こころ疾患しっかん心筋梗塞しんきんこうそく狭心症きょうしんしょう伝導でんどう障害しょうがいとうまたてい血圧けつあつのある患者かんじゃ
症状しょうじょう悪化あっかさせるおそれがある。
9.1.7 QT延長えんちょうまたはその既往きおうれきのある患者かんじゃちょあかりじょみゃくていカリウムしょうとうがある患者かんじゃ
QT延長えんちょう心室しんしつしきはく(torsades de pointesをふくむ)をこすおそれがある。[10.211.1.7参照さんしょう
9.1.8 緑内障りょくないしょうまたないあつ亢進こうしんのある患者かんじゃ
症状しょうじょう悪化あっかさせるおそれがある。ほんざいはノルアドレナリン放出ほうしゅつ促進そくしんする。
9.1.9 排尿はいにょう困難こんなんのある患者かんじゃ
症状しょうじょう悪化あっかさせるおそれがある。ほんざいはノルアドレナリン放出ほうしゅつ促進そくしんする。
9.2 じん機能きのう障害しょうがい患者かんじゃ
ほんざいのクリアランスが低下ていかする可能かのうせいがある。[16.6.1参照さんしょう
9.3 かん機能きのう障害しょうがい患者かんじゃ
かん機能きのう障害しょうがい悪化あっかさせるおそれがある。また、ほんざいのクリアランスが低下ていかする可能かのうせいがある。[11.1.416.6.2参照さんしょう
9.5 にん
妊婦にんぷまた妊娠にんしんしている可能かのうせいのある女性じょせいには、治療ちりょうじょう有益ゆうえきせい危険きけんせい上回うわまわると判断はんだんされる場合ばあいにのみ投与とうよすること。妊娠にんしんおよ授乳期じゅにゅうきのラットに100mg/kg/経口けいこう投与とうよ(ヒトに45mgを投与とうよしたときの全身ぜんしん曝露ばくろりょうAUえーゆーC)のやく2ばい相当そうとう)すると、ゆか死亡しぼうりつ上昇じょうしょう出生しゅっしょう体重たいじゅう増加ぞうか抑制よくせいおよ死亡しぼうりつ増加ぞうか観察かんさつされた。
9.6 授乳じゅにゅう
治療ちりょうじょう有益ゆうえきせいおよ母乳ぼにゅう栄養えいよう有益ゆうえきせい考慮こうりょし、授乳じゅにゅう継続けいぞくしくは中止ちゅうしまたほんざい投与とうよ継続けいぞくしくは中止ちゅうし検討けんとうすること。動物どうぶつおよびヒトで乳汁にゅうじゅうちゅう移行いこうすることが報告ほうこくされている1)
9.7 小児しょうにとう
9.7.1 小児しょうにとう対象たいしょうとした国内こくない臨床りんしょう試験しけん実施じっししていない。[5.2参照さんしょう
9.7.2 海外かいがい実施じっしされた7〜17さいだいうつびょうせい障害しょうがい(DSM-IVちゅうにおける分類ぶんるい患者かんじゃ対象たいしょうとしたプラセボ対照たいしょう臨床りんしょう試験しけんにおいて有効ゆうこうせい確認かくにんできなかったとの報告ほうこくがある。[5.2参照さんしょう
ちゅう)DSM-IV:American Psychiatric Association(米国べいこく精神せいしん学会がっかい)のDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,4th edition(DSM-IV精神せいしん疾患しっかん診断しんだん統計とうけいマニュアル)
9.8 高齢こうれいしゃ
患者かんじゃ状態じょうたい十分じゅうぶん観察かんさつしながら、慎重しんちょう投与とうよすること。ちゅう濃度のうど上昇じょうしょうするおそれがある。[16.6.3参照さんしょう

10. 相互そうご作用さよう

相互そうご作用さよう序文じょぶん
ほんざいしゅとしてきも代謝たいしゃ酵素こうそCYP1A2、CYP2D6およびCYP3A4により代謝たいしゃされる。[16.4参照さんしょう
薬物やくぶつ代謝たいしゃ酵素こうそ用語ようご
CYP1A2
薬物やくぶつ代謝たいしゃ酵素こうそ用語ようご
CYP2D6
薬物やくぶつ代謝たいしゃ酵素こうそ用語ようご
CYP3A4
10.1 併用へいよう禁忌きんき
MAO阻害そがいざい
セレギリン塩酸えんさんしお
(エフピー)
ラサギリンメシルさんしお
(アジレクト)
サフィナミドメシルさんしお
(エクフィナ)
2.211.1.1参照さんしょう
セロトニン症候群しょうこうぐんがあらわれることがある。MAO阻害そがいざい投与とうよちゅうあるいは投与とうよ中止ちゅうし2週間しゅうかん以内いない患者かんじゃ投与とうよしないこと。また、ほんざい投与とうよMAO阻害そがいざいえる場合ばあいは、2週間しゅうかん以上いじょう間隔かんかくをあけること。のうないノルアドレナリン、セロトニンの神経しんけい伝達でんたつたかまるとかんがえられる。
10.2 併用へいよう注意ちゅうい
CYP3A4阻害そがいざい
HIVプロテアーゼ阻害そがいざい
アゾールけいこうきんやく(ケトコナゾールとう
エリスロマイシンとう
16.7.1参照さんしょう
ほんざい作用さよう増強ぞうきょうするおそれがある。また、これらの薬剤やくざい投与とうよ中止ちゅうしほんざい作用さようげんじゃくするおそれがある。CYP3A4の阻害そがい作用さようにより、ほんざい血漿けっしょうちゅう濃度のうど増大ぞうだいする可能かのうせいがある。
CYP3A4誘導ゆうどうざい
カルバマゼピン
フェニトイン
リファンピシンとう
16.7.216.7.3参照さんしょう
ほんざい作用さようげんじゃくするおそれがある。また、これら薬剤やくざい併用へいよう中止ちゅうしする場合ばあいほんざい作用さよう増強ぞうきょうされる可能かのうせいがある。CYP3A4の誘導ゆうどう作用さようにより、ほんざい血漿けっしょうちゅう濃度のうど減少げんしょうする可能かのうせいがある。
シメチジン
16.7.4参照さんしょう
ほんざい作用さよう増強ぞうきょうするおそれがある。複数ふくすうのCYPぶん子種こだね(CYP1A2、CYP2D6およびCYP3A4とう)の阻害そがい作用さようによりほんざい血漿けっしょうちゅう濃度のうど増大ぞうだいする可能かのうせいがある。
鎮静ちんせいざい
ベンゾジアゼピンけい薬剤やくざいとう
ジアゼパム
16.7.5参照さんしょう
鎮静ちんせい作用さよう増強ぞうきょうされるおそれがある。また、ジアゼパムとの併用へいようにより精神せいしん運動うんどう機能きのうおよ学習がくしゅう獲得かくとく能力のうりょく減退げんたいするとの報告ほうこくがある。あいてき鎮静ちんせい作用さようしめすことがかんがえられる。
アルコール(飲酒いんしゅ
16.7.6参照さんしょう
鎮静ちんせい作用さよう増強ぞうきょうされるおそれがある。ほんざい服用ふくようちゅう飲酒いんしゅけさせることがのぞましい。あいてき相乗そうじょうてき鎮静ちんせい作用さようしめすことがかんがえられる。
セロトニン作用さようやく
選択せんたくてきセロトニンさい阻害そがいざい
L-トリプトファン含有がんゆう製剤せいざい
トリプタンけい薬剤やくざい
トラマドール塩酸えんさんしお
リネゾリド
メチルチオニニウム塩化えんかぶつすい和物あえもの(メチレンブルー)
炭酸たんさんリチウムとう
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有がんゆう食品しょくひん
11.1.116.7.716.7.8参照さんしょう
セロトニン症候群しょうこうぐんとうしょうじるおそれがあるので、注意ちゅういして投与とうよすること。セロトニン作用さよう増強ぞうきょうするおそれがある。
ワルファリンカリウム
16.7.9参照さんしょう
プロトロンビン時間じかん増加ぞうかするおそれがあるので、プロトロンビン時間じかん国際こくさい標準ひょうじゅん(INR)をモニターすることがのぞましい。じょ不明ふめい
QT延長えんちょうこすことがられている薬剤やくざい
9.1.711.1.7参照さんしょう
QT延長えんちょう心室しんしつしきはく(torsades de pointesをふくむ)をこすおそれがある。併用へいようによりQT延長えんちょう作用さようあいてき増加ぞうかするおそれがある。

11. 副作用ふくさよう

11.1 重大じゅうだい副作用ふくさよう
つぎ副作用ふくさようがあらわれることがあるので、観察かんさつ十分じゅうぶんおこない、異常いじょうみとめられた場合ばあいには投与とうよ中止ちゅうしするなど適切てきせつ処置しょちおこなうこと。
11.1.1 セロトニン症候群しょうこうぐん頻度ひんど不明ふめい
不安ふあん焦燥しょうそう興奮こうふん錯乱さくらん発汗はっかん下痢げり発熱はつねつ高血圧こうけつあつかたちぢみしきみゃく、ミオクローヌス、自律じりつ神経しんけい不安定ふあんていとうがあらわれることがある。セロトニン作用さようやくとの併用へいよう発現はつげんする可能かのうせいたかくなるため、とく注意ちゅういすること。[2.210.110.216.7.716.7.8参照さんしょう異常いじょうみとめられた場合ばあいには投与とうよ中止ちゅうしし、からだ冷却れいきゃく水分すいぶん補給ほきゅうとう全身ぜんしん管理かんりとともに適切てきせつ処置しょちおこなうこと。
11.1.2 顆粒かりゅうだましょうこうちゅうだま減少げんしょうしょう(いずれも頻度ひんど不明ふめい
感染かんせんしょう兆候ちょうこうがみられた場合ばあいなど、必要ひつようおうじて血液けつえき検査けんさおこなうこと。
11.1.3 痙攣けいれん頻度ひんど不明ふめい
11.1.4 かん機能きのう障害しょうがい黄疸おうだん(いずれも頻度ひんど不明ふめい
AST、ALTの上昇じょうしょうとうともなきも機能きのう障害しょうがい黄疸おうだんがあらわれることがある。[9.3参照さんしょう
11.1.5 こう利尿りにょうホルモン不適合ふてきごう分泌ぶんぴつ症候群しょうこうぐん(SIADH)頻度ひんど不明ふめい
ていナトリウムしょうてい浸透しんとうあつしょう尿にょうちゅうナトリウム排泄はいせつりょう増加ぞうか高張たかはり尿にょう痙攣けいれん意識いしき障害しょうがいとうともなこう利尿りにょうホルモン不適合ふてきごう分泌ぶんぴつ症候群しょうこうぐん(SIADH)があらわれることがあるので、異常いじょうみとめられた場合ばあいには投与とうよ中止ちゅうしし、水分すいぶん摂取せっしゅ制限せいげんとう適切てきせつ処置しょちおこなうこと。
11.1.6 皮膚ひふ粘膜ねんまく症候群しょうこうぐん(Stevens-Johnson症候群しょうこうぐん)、かたちべにまだら(いずれも頻度ひんど不明ふめい
11.1.7 QT延長えんちょう心室しんしつしきはく(いずれも頻度ひんど不明ふめい)[9.1.710.2参照さんしょう
11.2 その副作用ふくさよう
つぎ副作用ふくさようがあらわれることがあるので、観察かんさつ十分じゅうぶんおこない、異常いじょうみとめられた場合ばあいには投与とうよ中止ちゅうしするなど適切てきせつ処置しょちおこなうこと。
 5%以上いじょう1〜5%未満みまん1%未満みまん頻度ひんど不明ふめい
全身ぜんしん症状しょうじょう体重たいじゅう増加ぞうか倦怠けんたいかん(15.2%)異常いじょうかん末梢まっしょうせい浮腫ふしゅ胸痛きょうつうえき刺激しげきせい浮腫ふしゅ末梢まっしょうひやかん体重たいじゅう減少げんしょう疲労ひろう
内分泌ないぶんぴつ   こうプロラクチンしょう乳汁にゅうじゅう漏出ろうしゅつしょう女性じょせい乳房ちぶさ
精神せいしん神経しんけいけいかたぶけねむり(50.0%)、浮動ふどうせいめまい、頭痛ずつう体位たいいせいめまい、感覚かんかく鈍麻どんまたたかえ不眠症ふみんしょう、構語障害しょうがい注意ちゅういりょく障害しょうがい、アカシジア、痙攣けいれん悪夢あくむ鎮静ちんせい、錯感覚かんかく下肢かし静止せいし不能ふのう症候群しょうこうぐん異常いじょうゆめ不安ふあん軽躁けいそう躁病そうびょう激越げきえつ錯乱さくらん運動うんどう過多かた、ミオクローヌス、失神しっしん幻覚げんかく精神せいしん運動うんどう不穏ふおん運動うんどう過剰かじょうしょう)、嗜眠しみんくちの錯感覚かんかく、せんもう攻撃こうげきせい健忘けんぼう
消化しょうか便秘べんぴ(12.7%)、口渇こうかつ(20.6%)うえ腹部ふくぶつう下痢げり悪心あくしん不快ふかいかん嘔吐おうと腹部ふくぶ膨満腹痛はらいた口内こうない乾燥かんそう、おくび、くち感覚かんかく鈍麻どんま口腔こうくう浮腫ふしゅ唾液だえき分泌ぶんぴつ亢進こうしん
循環じゅんかん 動悸どうき血圧けつあつ上昇じょうしょう心拍しんぱくすう増加ぞうか起立きりつせいてい血圧けつあつてい血圧けつあつ
呼吸こきゅう  しゃっくり 
血液けつえき  ヘモグロビン減少げんしょう白血球はっけっきゅう減少げんしょう白血球はっけっきゅうぞうこうさんだまぞうこうちゅうだまぞう、リンパだま減少げんしょう再生さいせい不良ふりょうせい貧血ひんけつ顆粒かりゅうだま減少げんしょう血小板けっしょうばん減少げんしょうしょう
皮膚ひふ  べにむら多汗症たかんしょう、そうようしょう発疹はっしん水疱すいほう
感覚かんかく  調節ちょうせつ障害しょうがい眼瞼がんけん浮腫ふしゅ視覚しかく障害しょうがい 
肝臓かんぞうAST上昇じょうしょう、ALT上昇じょうしょう(12.4%)、γがんま-GTP上昇じょうしょうAl-P上昇じょうしょうLDH上昇じょうしょう、ビリルビン上昇じょうしょう 
泌尿器ひにょうき しき尿にょう尿にょうとう陽性ようせい尿にょう蛋白たんぱく陽性ようせい尿にょう閉、排尿はいにょう困難こんなん
生殖せいしょく  不正ふせい子宮しきゅう出血しゅっけつ持続じぞく勃起ぼっきしょう
骨格こっかくすじ結合けつごう組織そしき 関節かんせつつう筋肉きんにくつう筋力きんりょく低下ていか背部はいぶつう四肢しし不快ふかいかんCK上昇じょうしょう
その 過食かしょく食欲しょくよく亢進こうしん、コレステロール上昇じょうしょう食欲しょくよく不振ふしん 

13. りょう投与とうよ

13.1 症状しょうじょう
おも症状しょうじょうとしてしきみゃく高血圧こうけつあつまたてい血圧けつあつともな見当けんとう障害しょうがいおよ鎮静ちんせい作用さようとう中枢ちゅうすう神経しんけいけい抑制よくせい報告ほうこくされている。
13.2 処置しょち
特異とくいてき解毒げどくざいはない。必要ひつようおうじて、活性炭かっせいたん投与とうよとう適切てきせつ処置しょちおこなうこと。

14. 適用てきようじょう注意ちゅうい

14.1 薬剤やくざい交付こうふ注意ちゅうい
PTP包装ほうそう薬剤やくざいはPTPシートからして服用ふくようするよう指導しどうすること。PTPシートのあやまいんにより、かた鋭角えいかく食道しょくどう粘膜ねんまくとげいれし、さらには穿孔せんこうをおこしてたてへだたほらえんとうじゅうあつし合併症がっぺいしょう併発へいはつすることがある。

15. その注意ちゅうい

15.1 臨床りんしょう使用しようもとづく情報じょうほう
15.1.1 海外かいがい実施じっしされただいうつびょうせい障害しょうがいとう精神せいしん疾患しっかんゆうする患者かんじゃ対象たいしょうとした、ほんざいふく複数ふくすうこううつざい短期たんきプラセボ対照たいしょう臨床りんしょう試験しけん検討けんとう結果けっかにおいて、24さい以下いか患者かんじゃでは、自殺じさつ念慮ねんりょ自殺じさつ企図きと発現はつげんのリスクがこううつざい投与とうよぐんでプラセボぐん比較ひかくしてたかかった。なお、25さい以上いじょう患者かんじゃにおける自殺じさつ念慮ねんりょ自殺じさつ企図きと発現はつげんのリスクの上昇じょうしょうみとめられず、65さい以上いじょうにおいてはそのリスクが減少げんしょうした。[5.18.1-8.49.1.19.1.2参照さんしょう
15.1.2 おもに50さい以上いじょう対象たいしょう実施じっしされた海外かいがい疫学えきがく調査ちょうさにおいて、選択せんたくてきセロトニンさい阻害そがいざいおよさんたまきけいこううつざいふくこううつざい投与とうよされた患者かんじゃで、骨折こっせつのリスクが上昇じょうしょうしたとの報告ほうこくがある。
15.1.3 健康けんこう成人せいじんにおいて、ふか睡眠すいみん増加ぞうかし、いれねむまでの時間じかん短縮たんしゅくしたとの報告ほうこくがある2)。[8.5参照さんしょう
15.2 臨床りんしょう試験しけんもとづく情報じょうほう
ラットをもちいた睡眠すいみん覚醒かくせい行動こうどう試験しけんにおいて、ふか睡眠すいみん増加ぞうかしたとの報告ほうこくがある3)。[8.5参照さんしょう

16. 薬物やくぶつ動態どうたい

16.1 ちゅう濃度のうど
16.1.1 たんかい投与とうよ
日本人にっぽんじん健康けんこう成人せいじん男性だんせいにミルタザピン15または30mgをたんかい経口けいこう投与とうよしたとき、すみやかな吸収きゅうしゅうがみられ、半減はんげんはそれぞれ31.7、32.7あいだであった4)
ひょう1 健康けんこう成人せいじんにおけるたんかい経口けいこう投与とうよのミルタザピンの薬物やくぶつ動態どうたいがくてきパラメータ
用量ようりょう(mg)nTmax(hr)Cmax(ng/mL)T1/2(hr)AUC0-∞(ng・hr/mL)
1541.1±0.338.1±5.831.7±8.2477.2±115.5
3041.4±0.376.4±17.032.7±4.41006.3±116.4
16.1.2 反復はんぷく投与とうよ
日本人にっぽんじん健康けんこう成人せいじん男性だんせいにミルタザピン15、30または45mgを空腹くうふくに1にち1かい9日間にちかん反復はんぷく経口けいこう投与とうよしたとき、かく投与とうよりょう最終さいしゅう投与とうよにおいて、投与とうよ1.5時間じかん中央ちゅうおう)で最高さいこう血漿けっしょうちゅう濃度のうどたっし、AUえーゆーC0-24およびCmaxはこれらの用量ようりょう範囲はんい用量ようりょう相関そうかんせいしめした。45mg最終さいしゅう投与とうよ半減はんげんは23.2あいだであった。
かく投与とうよりょうともに、7にち以内いない定常ていじょう状態じょうたいたっし、また蓄積ちくせきせいみとめられなかった5)
 健康けんこう成人せいじんにおける反復はんぷく経口けいこう投与とうよ血漿けっしょうちゅうミルタザピン濃度のうど推移すいい
ひょう2 健康けんこう成人せいじんにおける反復はんぷく経口けいこう投与とうよのミルタザピンの薬物やくぶつ動態どうたいがくてきパラメータ
用量ようりょう(mg/にちnTmax(hr)Cmax(ng/mL)T1/2(hr)AUC0-24(ng・hr/mL)
1591.5
(0.75〜3)
43.4±9.44393±84.6
3091.5
(0.75〜3)
83.2±27.5778±178
4591.5
(0.75〜3)
146±49.823.2±6.061147±288
16.2 吸収きゅうしゅう
16.2.1 食事しょくじ影響えいきょう
健康けんこう成人せいじんにミルタザピンちゅう1)15mgを絶食ぜっしょくおよこう脂肪しぼうしょく摂取せっしゅたんかい経口けいこう投与とうよしたとき、絶食ぜっしょくくらだか脂肪しぼうしょく摂取せっしゅにはTmaxがわずかに遅延ちえんした(絶食ぜっしょく1.6あいだこう脂肪しぼうしょく摂取せっしゅ2.4あいだ)が、Cmax、AUえーゆーC0-∞およ半減はんげんには食事しょくじ影響えいきょうみとめられなかった6)外国がいこくじんデータ)。
ちゅう1)ほんざい処方しょほうことなるものの、溶出ようしゅつ試験しけん成績せいせきとうから同等どうとうとみなせる製剤せいざい使用しよう
16.3 分布ぶんぷ
16.3.1 血漿けっしょう蛋白たんぱく結合けつごう
ほんざいのヒト血漿けっしょう蛋白たんぱくへの結合けつごうりつは、0.01〜10μみゅーg/mLの濃度のうど範囲はんい平均へいきん85%であった7)in vitro)。
16.4 代謝たいしゃ
ほんざい広範こうはん代謝たいしゃされ、その主要しゅよう代謝たいしゃ経路けいろは、8水酸化すいさんか、N-2だつメチル、N-2酸化さんかおよびグルクロンさん抱合ほうごうによるだい4きゅうアミンであると推定すいていされた。8水酸化すいさんかにはCYP2D6およびCYP1A2がおも関与かんよし、N-2だつメチルおよびN-2酸化さんかにはおもにCYP3A4、またCYP1A2も関与かんよしているものとかんがえられた。[10.参照さんしょう]また、ミルタザピンのCYP1A2、CYP2D6およびCYP3A4にたいする阻害そがい作用さようよわいものとかんがえられた8)9)in vitro外国がいこくじんデータ)。
16.5 排泄はいせつ
健康けんこう成人せいじんに[14C]で標識ひょうしきしたほんざい20mgを投与とうよしたとき、投与とうよ168あいだまでに投与とうよした放射能ほうしゃのうの80〜94%が尿にょうおよくそちゅう排泄はいせつされ(尿にょうちゅうやく75%、くそちゅうやく15%)、そのほとんどは代謝たいしゃぶつであった。尿にょうちゅうへの変化へんかたい排泄はいせつりょう投与とうよした放射能ほうしゃのうの5%以下いかであり、くそちゅうへの変化へんかたい排泄はいせつ非常ひじょう少量しょうりょうであった9)外国がいこくじんデータ)。
16.6 特定とくてい背景はいけいゆうする患者かんじゃ
16.6.1 じん機能きのう障害しょうがい血漿けっしょうちゅう濃度のうど
ミルタザピン15mgをたんかい投与とうよしたとき、中等ちゅうとうおよ重度じゅうどじん機能きのう低下ていかしゃぐん(クレアチニンクリアランスが40mL/min未満みまん)におけるAUえーゆーC0-∞は、じん機能きのう正常せいじょうしゃぐんくらべてそれぞれ54%および116%増加ぞうかし、クリアランスは有意ゆうい低下ていかした。しかし、軽度けいどじん機能きのう低下ていかしゃぐんでは、じん機能きのう正常せいじょうしゃぐんくらべてはなかった10)外国がいこくじんデータ)。[9.2参照さんしょう
16.6.2 かん機能きのう障害しょうがい血漿けっしょうちゅう濃度のうど
ミルタザピン15mgをたんかい投与とうよしたときの半減はんげんきも機能きのう低下ていか高齢こうれいしゃぐん健康けんこう高齢こうれいしゃぐんくらやく40%ながかった。また、AUえーゆーC0-∞健康けんこう高齢こうれいしゃぐんくらかん機能きのう低下ていか高齢こうれいしゃぐんで57%たかく、体重たいじゅう補正ほせいしたクリアランスはきも機能きのう低下ていか高齢こうれいしゃぐんで33%ひくかった11)外国がいこくじんデータ)。[9.3参照さんしょう
16.6.3 高齢こうれいしゃ血漿けっしょうちゅう濃度のうど
ミルタザピン20mgを1にち1かい7日間にちかん投与とうよしたときの定常ていじょう状態じょうたいにおけるAUえーゆーC0-24は、高齢こうれいしゃくら高齢こうれいしゃ有意ゆういたかかった(男性だんせい:1.8ばい女性じょせい:1.1ばい12)外国がいこくじんデータ)。[9.8参照さんしょう
16.6.4 男女だんじょにおける血漿けっしょうちゅう濃度のうど
ミルタザピン20mgを1にち1かい7日間にちかん投与とうよしたときの定常ていじょう状態じょうたいにおけるAUえーゆーC0-24は、男性だんせいくら女性じょせいたかかった(高齢こうれいしゃ:2.0ばい高齢こうれいしゃ:1.2ばい)。また、半減はんげん男性だんせいくらべて女性じょせい有意ゆういながかった(高齢こうれいしゃ:1.6ばい高齢こうれいしゃ:1.3ばい12)外国がいこくじんデータ)。
16.7 薬物やくぶつ相互そうご作用さよう
16.7.1 ケトコナゾール
健康けんこう成人せいじん男性だんせい22れいにミルタザピン30mgをケトコナゾールちゅう2)(CYP3A4阻害そがいやく)1にち2かい200mgの7日間にちかん反復はんぷく経口けいこう投与とうよ投与とうよ3にちたんかい経口けいこう投与とうよしたところ、単独たんどく投与とうよくらべミルタザピンのCmaxおよびAUC0-∞はそれぞれ42%および52%増加ぞうかした13)外国がいこくじんデータ)。[10.2参照さんしょう
ちゅう2)経口けいこうざい国内こくない発売はつばい
16.7.2 カルバマゼピン
健康けんこう成人せいじん男性だんせいにカルバマゼピン(CYP3A4誘導ゆうどうやく)1にち2かい400mgを21日間にちかん反復はんぷく経口けいこう投与とうよミルタザピン30mgを7日間にちかん反復はんぷく経口けいこう投与とうよ併用へいよう、あるいはミルタザピン30mgを7日間にちかん反復はんぷく経口けいこう投与とうよカルバマゼピン1にち2かい400mgを21日間にちかん反復はんぷく経口けいこう投与とうよ併用へいようしたところ、いずれの場合ばあいもミルタザピンのAUえーゆーC0-24はカルバマゼピンによる酵素こうそ誘導ゆうどうまえくらやく60%減少げんしょうした。一方いっぽう、カルバマゼピンの薬物やくぶつ動態どうたいパラメータは併用へいようにより影響えいきょうけなかった13)外国がいこくじんデータ)。[10.2参照さんしょう
16.7.3 フェニトイン
健康けんこう成人せいじん男性だんせいにミルタザピン1にち1かい15mgを2日間にちかん反復はんぷく経口けいこう投与とうよし、つづけて1にち1かい30mgを5日間にちかん反復はんぷく経口けいこう投与とうよ、ミルタザピン1にち1かい30mgおよびフェニトイン(CYP3A4誘導ゆうどうやく)1にち1かい200mgを10日間にちかん反復はんぷく経口けいこう投与とうよ併用へいようしたところ、併用へいようによりミルタザピンのCmaxおよびAUC0-24はそれぞれ30%および46%減少げんしょうした。一方いっぽう、フェニトインの薬物やくぶつ動態どうたいには併用へいようによる影響えいきょうみとめられなかった14)外国がいこくじんデータ)。[10.2参照さんしょう
16.7.4 シメチジン
健康けんこう成人せいじん男性だんせい12れいにシメチジン(CYP1A2、CYP2D6、CYP3A4とう阻害そがいやく)1にち2かい800mgを5日間にちかん反復はんぷく経口けいこう投与とうよミルタザピン1にち1かい30mgを7日間にちかん反復はんぷく経口けいこう投与とうよ併用へいようしたところ、ミルタザピンのCmaxおよびAUC0-∞単独たんどく投与とうよくらべてそれぞれ24%および63%増加ぞうかしたが、半減はんげんには有意ゆういみとめられなかった。一方いっぽう、シメチジンの薬物やくぶつ動態どうたいには併用へいようによる影響えいきょうみとめられなかった13)外国がいこくじんデータ)。[10.2参照さんしょう
16.7.5 ジアゼパム
健康けんこう成人せいじん男性だんせいおよ女性じょせいにミルタザピン15mgとジアゼパム15mgを併用へいようたんかい経口けいこう投与とうよしたところ、ミルタザピンの血漿けっしょうちゅう濃度のうど単独たんどく投与とうよとほぼ同様どうよう推移すいいした。一方いっぽう、ジアゼパムの血漿けっしょうちゅう濃度のうどには併用へいようによる影響えいきょうみとめられなかった13)外国がいこくじんデータ)。[10.2参照さんしょう
16.7.6 エタノール
健康けんこう成人せいじん男性だんせい6れいにミルタザピン1にち1かい30mgを7日間にちかん反復はんぷく経口けいこう投与とうよ、8にちにミルタザピン15mgたんかい経口けいこう投与とうよ30ふんにエタノール60gをたんかい経口けいこう投与とうよしたところ、血漿けっしょうちゅうミルタザピン濃度のうどはエタノールの併用へいようによりたか推移すいいする傾向けいこうみとめられた。一方いっぽう、エタノールの血漿けっしょうちゅう濃度のうど推移すいいはエタノール単独たんどく投与とうよ同様どうようであったが、AUCはエタノール単独たんどく投与とうよ比較ひかくひくかった13)外国がいこくじんデータ)。[10.2参照さんしょう
16.7.7 パロキセチン
健康けんこう成人せいじん男性だんせいおよ女性じょせいにミルタザピン1にち1かい30mgとパロキセチン(CYP2D6阻害そがいやく)1にち1かい40mgを9日間にちかん反復はんぷく経口けいこう投与とうよしたところ、ミルタザピンのAUえーゆーC0-24単独たんどく投与とうよくらべ18%増加ぞうかした。一方いっぽう、パロキセチンのCmaxおよびAUC0-24併用へいようにより影響えいきょうけなかった13)外国がいこくじんデータ)。[10.211.1.1参照さんしょう
16.7.8 炭酸たんさんリチウム
健康けんこう成人せいじん男性だんせいにミルタザピン30mgのたんかい経口けいこう投与とうよ単独たんどくまた炭酸たんさんリチウム1にち1かい600mgの反復はんぷく経口けいこう投与とうよ10日とおかたんかい経口けいこう投与とうよしたところ、併用へいようによるミルタザピンの薬物やくぶつ動態どうたいへの影響えいきょうみとめられなかった15)外国がいこくじんデータ)。[10.211.1.1参照さんしょう
16.7.9 ワルファリン
プロトロンビン時間じかんが1.4〜2.0INRとなるようにワルファリンを経口けいこう投与とうよした健康けんこう成人せいじん男性だんせい16れいにミルタザピン1にち1かい30mgを7日間にちかん反復はんぷく経口けいこう投与とうよ併用へいようしたところ、プロトロンビン時間じかんはワルファリン単独たんどく投与とうよ比較ひかくし、わずかではあるが有意ゆうい延長えんちょうした(ワルファリン単独たんどく投与とうよ:1.6±0.1INR、ミルタザピン併用へいよう:1.8±0.3INR)13)外国がいこくじんデータ)。[10.2参照さんしょう
16.7.10 アミトリプチリン
健康けんこう成人せいじん男性だんせいおよ女性じょせいにミルタザピン1にち1かい30mgの9日間にちかん反復はんぷく経口けいこう投与とうよとアミトリプチリン1にち1かい75mgを9日間にちかん反復はんぷく経口けいこう投与とうよ併用へいようしたところ、併用へいようにより男性だんせいではミルタザピンのCmaxは36%増加ぞうかしたが、女性じょせいではミルタザピンの薬物やくぶつ動態どうたいパラメータに変化へんかはみられなかった。一方いっぽう併用へいようにより女性じょせいではアミトリプチリンのCmaxおよびAUC0-24はそれぞれ23%および13%減少げんしょうしたが、男性だんせいではCmaxが23%増加ぞうかした13)外国がいこくじんデータ)。
16.7.11 リスペリドン
統合とうごう失調しっちょうしょう患者かんじゃちゅう3)にミルタザピン1にち1かい30mgの反復はんぷく経口けいこう投与とうよとリスペリドン1にち2かい1〜3mgの反復はんぷく経口けいこう投与とうよ(いずれも1週間しゅうかん以上いじょう)を併用へいようした結果けっか併用へいようによるリスペリドンの薬物やくぶつ動態どうたいへの影響えいきょうみとめられなかった16)外国がいこくじんデータ)。
ちゅう3)ほんざい承認しょうにん効能こうのうは「うつびょう・うつ状態じょうたい」である。

17. 臨床りんしょう成績せいせき

17.1 有効ゆうこうせいおよ安全あんぜんせいかんする試験しけん
17.1.1 国内こくないだいIIしょうプラセボ対照たいしょう比較ひかく試験しけん
うつびょう患者かんじゃ対象たいしょうとした6週間しゅうかん作為さくいじゅうめくらけん比較ひかく試験しけん実施じっしした。すべてのほんざい投与とうよぐん初期しょき用量ようりょうは15mg/にちとし、30mg/にちぐんおよび45mg/にちぐんは2しゅうに30mgへ強制きょうせい増量ぞうりょう、45mg/にちぐんは3しゅうに45mgへ強制きょうせい増量ぞうりょうし、かくぐんども増量ぞうりょう用量ようりょう維持いじした。ほんざい15mg/にちぐんおよび30mg/にちぐんの、投与とうよ終了しゅうりょう中止ちゅうしのHAM-D合計ごうけいスコア(17項目こうもく)の投与とうよ開始かいしまえからの変化へんかりょう(LOCF)はプラセボぐん比較ひかくして有意ゆういおおきかった。なお、ほんざい45mg/にちぐんでの効果こうかは、30mg/にちぐん上回うわまわるものではなかった17)
ひょう1 HAM-D合計ごうけいスコア(17項目こうもく)の投与とうよ終了しゅうりょう中止ちゅうし変化へんかりょう(LOCF)
投与とうよぐんnHAM-D変化へんかりょう1)2)
プラセボぐん70−10.4(7.5)
15mg/にちぐん65−13.3(6.8)−2.8(−5.3〜−0.4)
30mg/にちぐん66−13.8(6.9)−3.4(−5.8〜−1.0)
45mg/にちぐん69−11.9(7.6)−1.6(−4.2〜0.9)
 HAM-D合計ごうけいスコア(17項目こうもく変化へんかりょう推移すいい(LOCF)
副作用ふくさよう発現はつげん頻度ひんどは、ほんざい15mg/にちぐんで85.5%(59/69れい)、30mg/にちぐんで80.0%(56/70れい)、45mg/にちぐんで80.3%(57/71れいおよびプラセボぐんで67.1%(47/70れい)であった。もっとおおかった副作用ふくさようかたぶけねむりで、ほんざい15mg/にちぐんで44.9%(31/69れい)、30mg/にちぐんで54.3%(38/70れい)、45mg/にちぐんで42.3%(30/71れいおよびプラセボぐんで30.0%(21/70れい)であった。
17.1.2 国内こくないだいIIIしょうフルボキサミン対照たいしょう比較ひかく試験しけん
うつびょう患者かんじゃ対象たいしょうとした6週間しゅうかん作為さくいじゅうめくらけん比較ひかく試験しけんにおいて、ほんざい投与とうよぐん(15〜45mg/にち)の投与とうよ終了しゅうりょう中止ちゅうしにおけるHAM-D合計ごうけいスコア(17項目こうもく)の投与とうよ開始かいしまえからの変化へんかりょう(LOCF)は−13.8±7.3(n=95)であった。一方いっぽう、フルボキサミンマレインさんしおぐん(50〜150mg/にち)では−11.7±8.1(n=98)であり、変化へんかりょうとその95%信頼しんらい区間くかんは−2.20(−4.35〜−0.04)であった(p=0.0462)18)
副作用ふくさよう発現はつげん頻度ひんどは、ほんざい投与とうよぐんで78.1%(75/96れいおよびフルボキサミンマレインさんしおぐんで68.4%(67/98れい)であった。もっとおおかった副作用ふくさようかたぶけねむりで、ほんざい投与とうよぐんで43.8%(42/96れいおよびフルボキサミンマレインさんしおぐんで21.4%(21/98れい)であった。
17.1.3 国内こくないだいIIしょう長期ちょうき投与とうよ試験しけん
うつびょう患者かんじゃ対象たいしょうとした52週間しゅうかん投与とうよ(15〜45mg/にち)により、HAM-D合計ごうけいスコア(17項目こうもく)は、投与とうよ開始かいしまえの10.2±6.5(n=107)から投与とうよ開始かいし6しゅうでは、6.9±5.1となった(OC)。投与とうよ6しゅう以降いこう投与とうよ52しゅう(4.0±5.2)まで7未満みまん安定あんていして推移すいいし、ほんざい長期ちょうき投与とうよでの効果こうか確認かくにんされた。また、ほんざい30mg/にちから45mg/にちへの増量ぞうりょうにより改善かいぜんした症例しょうれいみとめられた19)
ひょう2 HAM-D合計ごうけいスコア(17項目こうもく)(OC)
観察かんさつ時点じてん投与とうよ開始かいしまえ投与とうよ6しゅう投与とうよ12しゅう投与とうよ24しゅう投与とうよ52しゅう
n107100978371
HAM-D合計ごうけいスコア1)10.2
(6.5)
6.9
(5.1)
5.7
(4.9)
4.1
(4.1)
4.0
(5.2)
副作用ふくさよう発現はつげん頻度ひんどは、79.8%(87/109れい)であった。もっとおおかった副作用ふくさようかたぶけねむ42.2%(46/109れい)であった。

18. 薬効やっこう薬理やくり

18.1 作用さようじょ
ミルタザピンは中枢ちゅうすうのシナプスまえαあるふぁ2アドレナリン自己じこ受容じゅようたいおよびヘテロ受容じゅようたいたいして拮抗きっこう作用さようしめし、中枢ちゅうすうのセロトニンおよびノルアドレナリンの両方りょうほう神経しんけい伝達でんたつ増強ぞうきょうする。ミルタザピンは5-HT2および5-HT3受容じゅようたい阻害そがいするため、セロトニンの神経しんけい伝達でんたつ増大ぞうだいによりおもに5-HT1受容じゅようたい活性かっせいされる。ミルタザピンのS(+)かがみぞう異性いせいたいαあるふぁ2受容じゅようたいと5-HT2受容じゅようたいおも阻害そがいし、R(−)かがみぞう異性いせいたいは5-HT3受容じゅようたいおも阻害そがいする。N-だつメチル代謝たいしゃぶつはラットのう唯一ゆいいつ検出けんしゅつされた代謝たいしゃぶつで、αあるふぁ2受容じゅようたい、5-HT2受容じゅようたいおよび5-HT3受容じゅようたいへの親和しんわせいはミルタザピンとどう程度ていどであった3)20)
18.2 こううつ作用さよう
18.2.1 隔離かくり飼育しいくされたマウスの攻撃こうげき行動こうどう抑制よくせいした3)
18.2.2 ラットをもちいたDRL72オペラント行動こうどう薬理やくり試験しけんにおいて強化きょうか獲得かくとくりつ上昇じょうしょうさせた21)
18.2.3 反復はんぷく投与とうよで嗅球摘出てきしゅつラットの運動うんどうりょう亢進こうしん抑制よくせいした22)
18.2.4 反復はんぷく投与とうよでラットをもちいた強制きょうせい水泳すいえい試験しけんにおける不動ふどう時間じかん短縮たんしゅくさせた23)

19. 有効ゆうこう成分せいぶんかんする理化学りかがくてき知見ちけん

19.1. ミルタザピン

一般いっぱんてき名称めいしょう ミルタザピン
一般いっぱんてき名称めいしょうおうめい Mirtazapine
化学かがくめい (14bRS)-1,2,3,4,10,14b-Hexahydro-2-methylpyrazino[2,1-a]pyrido[2,3-c][2]benzazepine
分子ぶんししき C17H19N3
分子ぶんしりょう 265.35
物理ぶつり化学かがくてき性状せいじょう ミルタザピンは白色はくしょく乳白色にゅうはくしょく結晶けっしょうまた粉末ふんまつである。
メタノールおよびエタノールにけやすく、みずにほとんどけない。
KEGG DRUG D00563

22. 包装ほうそう

<リフレックスじょう15mg>
PTP包装ほうそう
100じょう(10じょう×10) 500じょう(10じょう×50) 1000じょう(10じょう×100)
バラ包装ほうそう(ボトルいれ
500じょう
<リフレックスじょう30mg>
PTP包装ほうそう
100じょう(10じょう×10)

23. 主要しゅよう文献ぶんけん

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  5. 社内しゃない資料しりょう反復はんぷく投与とうよ試験しけん(2009ねん7がつ7にち承認しょうにん、CTD2.7.2.2)
  6. 社内しゃない資料しりょう食事しょくじ影響えいきょう試験しけん(2009ねん7がつ7にち承認しょうにん、CTD2.7.1.2)
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24. 文献ぶんけん請求せいきゅうさきおよわせさき

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26. 製造せいぞう販売はんばい業者ぎょうしゃとう

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