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医療用医薬品 : ヤーズフレックス (ヤーズフレックス配合錠)

医療いりょうよう医薬品いやくひん : ヤーズフレックス

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医薬品いやくひん情報じょうほう


総称そうしょうめい ヤーズフレックス
一般いっぱんめい ドロスピレノン
エチニルエストラジオール ベータデクス
欧文おうぶん一般いっぱんめい Drospirenone
Ethinylestradiol Betadex
製剤せいざいめい ドロスピレノン・エチニルエストラジオールじょう
薬効やっこう分類ぶんるいめい 子宮しきゅうないまくしょうともな疼痛とうつう改善かいぜんざい
月経げっけい困難こんなんしょう治療ちりょうざい
薬効やっこう分類ぶんるい番号ばんごう 2482
ATCコード G03AA12
KEGG DRUG
D09741 ドロスピレノン・エチニルエストラジオール
JAPIC 添付てんぷ文書ぶんしょ(PDF)
この情報じょうほうKEGG データベースにより提供ていきょうされています。
日米にちべい医薬品いやくひん添付てんぷ文書ぶんしょこちらから検索けんさくすることができます。

添付てんぷ文書ぶんしょ情報じょうほう2022ねん9がつ 改訂かいていさい審査しんさ結果けっか)(だい5はん


商品しょうひん情報じょうほう 3.組成そせい性状せいじょう

販売はんばいめい 欧文おうぶん商標しょうひょうめい 製造せいぞう会社かいしゃ YJコード 薬価やっか 規制きせい区分くぶん
ヤーズフレックス配合はいごうじょう Yaz Flex combination tablets バイエル薬品ばいえるやくひん 2482011F2027 280.1えんじょう 処方箋しょほうせん医薬品いやくひんちゅう

1. 警告けいこく

ほんざい服用ふくようにより、血栓けっせんしょうがあらわれ、致死ちしてき経過けいかをたどることがあるので、つぎのような症状しょうじょうがあらわれた場合ばあいただちに投与とうよ中止ちゅうしし、適切てきせつ処置しょちおこなうこと。
緊急きんきゅう対応たいおうようする血栓けっせんしょうおも症状しょうじょう
下肢かし急激きゅうげき疼痛とうつう腫脹しゅちょう突然とつぜん息切いきぎれ、胸痛きょうつうはげしい頭痛ずつう四肢しし脱力だつりょく麻痺まひ、構語障害しょうがい急性きゅうせい視力しりょく障害しょうがいとう
患者かんじゃたいしても、このような症状しょうじょうがあらわれた場合ばあいは、ただちに服用ふくよう中止ちゅうしし、救急きゅうきゅう医療いりょう機関きかん受診じゅしんするよう説明せつめいすること。
2.4-2.112.142.158.2-8.69.1.29.1.5-9.1.1011.1.1参照さんしょう

2. 禁忌きんき

つぎ患者かんじゃには投与とうよしないこと
2.1 ほんざい成分せいぶんたい過敏かびんせい素因そいんのある患者かんじゃ
2.2 エストロゲン依存いぞんせい悪性あくせい腫瘍しゅようたとえば、乳癌にゅうがん子宮しきゅうないまくがん)、子宮しきゅう頸癌およびそのうたがいのある患者かんじゃ腫瘍しゅよう悪化あっかあるいはあらわせいうながすことがある。][8.8-8.108.12参照さんしょう
2.3 診断しんだん確定かくていしていない異常いじょう性器せいき出血しゅっけつのある患者かんじゃ性器せいきがんうたがいがある。出血しゅっけつ性器せいきがんによる場合ばあいは、がん悪化あっかあるいはあらわせいうながすことがある。][8.88.108.12参照さんしょう
2.4 血栓けっせんせい静脈じょうみゃくえんはいふさがせんしょうのう血管けっかん障害しょうがい冠動脈かんどうみゃく疾患しっかんまたはその既往きおうれきのある患者かんじゃ血液けつえき凝固ぎょうこのう亢進こうしんされ、これらの症状しょうじょう増悪ぞうあくすることがある。][1.、11.1.1参照さんしょう
2.5 35さい以上いじょうで1にち15ほん以上いじょう喫煙きつえんしゃ心筋梗塞しんきんこうそくとうしん血管けっかんけい障害しょうがい発生はっせいしやすくなるとの報告ほうこくがある。][1.、8.69.1.29.1.511.1.1参照さんしょう
2.6 前兆ぜんちょう(閃輝くらてんほしがた閃光せんこうとう)をともなかた頭痛ずつう患者かんじゃ前兆ぜんちょうともなかた頭痛ずつう患者かんじゃ前兆ぜんちょうともなわない患者かんじゃくらのう血管けっかん障害しょうがい脳卒中のうそっちゅうとう)が発生はっせいしやすくなるとの報告ほうこくがある。][1.、11.1.1参照さんしょう
2.7 はいだか血圧けつあつしょうまた心房しんぼうほそどう合併がっぺいする心臓しんぞう弁膜べんまくしょう患者かんじゃ急性きゅうせい細菌さいきんせいしんないまくえん既往きおうれきのある心臓しんぞう弁膜べんまくしょう患者かんじゃ血栓けっせんしょうとうしん血管けっかんけい障害しょうがい発生はっせいしやすくなるとの報告ほうこくがある。][1.、9.1.911.1.1参照さんしょう
2.8 血管けっかん病変びょうへんともな糖尿とうにょうびょう患者かんじゃ糖尿とうにょうびょうせいじんしょう糖尿とうにょうびょうせい網膜もうまくしょうとう)[血栓けっせんしょうとうしん血管けっかんけい障害しょうがい発生はっせいしやすくなるとの報告ほうこくがある。][1.、11.1.1参照さんしょう
2.9 血栓けっせんせい素因そいんのある患者かんじゃ血栓けっせんしょうとうしん血管けっかんけい障害しょうがい発生はっせいしやすくなるとの報告ほうこくがある。][1.、11.1.1参照さんしょう
2.10 こうリン脂質ししつ抗体こうたい症候群しょうこうぐん患者かんじゃ血栓けっせんしょうとうしん血管けっかんけい障害しょうがい発生はっせいしやすくなるとの報告ほうこくがある。][1.、11.1.1参照さんしょう
2.11 手術しゅじゅつまえ4しゅう以内いない術後じゅつご2しゅう以内いない産後さんご4しゅう以内いないおよ長期間ちょうきかん安静あんせい状態じょうたい患者かんじゃ血液けつえき凝固ぎょうこのう亢進こうしんされ、こころ血管けっかんけい副作用ふくさよう危険きけんせいたかくなることがある。][1.、8.511.1.1参照さんしょう
2.12 おもあつかん障害しょうがいのある患者かんじゃ9.3.1参照さんしょう
2.13 かん腫瘍しゅようのある患者かんじゃ症状しょうじょう増悪ぞうあくすることがある。]
2.14 脂質ししつ代謝たいしゃ異常いじょうのある患者かんじゃ血栓けっせんしょうとうしん血管けっかんけい障害しょうがい発生はっせいしやすくなるとの報告ほうこくがある。また、脂質ししつ代謝たいしゃ影響えいきょうおよぼす可能かのうせいがあるため、症状しょうじょう増悪ぞうあくすることがある。][1.、11.1.1参照さんしょう
2.15 高血圧こうけつあつのある患者かんじゃ軽度けいど高血圧こうけつあつ患者かんじゃのぞく)[血栓けっせんしょうとうしん血管けっかんけい障害しょうがい発生はっせいしやすくなるとの報告ほうこくがある。また、症状しょうじょう増悪ぞうあくすることがある。][1.、9.1.1011.1.1参照さんしょう
2.16 みみ硬化こうかしょう患者かんじゃ症状しょうじょう増悪ぞうあくすることがある。]
2.17 妊娠にんしんちゅう黄疸おうだん持続じぞくせいそうようしょうまた妊娠にんしんヘルペスの既往きおうれきのある患者かんじゃ症状しょうじょう再発さいはつするおそれがある。]
2.18 妊婦にんぷまた妊娠にんしんしている可能かのうせいのある女性じょせい9.4.19.4.29.5.1参照さんしょう
2.19 授乳じゅにゅう9.6参照さんしょう
2.20 ほね成長せいちょう終了しゅうりょうしていない可能かのうせいがある患者かんじゃほねはし早期そうき閉鎖へいさきたすおそれがある。]
2.21 じゅうあつしじん障害しょうがいまた急性きゅうせいじん障害しょうがいのある患者かんじゃ9.2.1参照さんしょう

4. 効能こうのうまたは効果こうか

子宮しきゅうないまくしょうともな疼痛とうつう改善かいぜん
月経げっけい困難こんなんしょう
生殖せいしょく補助ほじょ医療いりょうにおける調節ちょうせつ卵巣らんそう刺激しげき開始かいし時期じき調整ちょうせい

5. 効能こうのうまたは効果こうか関連かんれんする注意ちゅうい

生殖せいしょく補助ほじょ医療いりょうにおける調節ちょうせつ卵巣らんそう刺激しげき開始かいし時期じき調整ちょうせい
妊娠にんしんりつ生産せいさんりつ報告ほうこくまえると、ほんざいふくてい用量ようりょう黄体おうたいホルモン・卵胞らんぽうホルモン配合はいごうざい調節ちょうせつ卵巣らんそう刺激しげき開始かいし時期じき調整ちょうせいおこなった場合ばあいは、開始かいし時期じき調整ちょうせいおこなわない場合ばあいくらべて、妊娠にんしんりつ生産せいさんりつ低下ていかする可能かのうせいがあるので、このことを患者かんじゃ説明せつめいしたうえで、ほんざい投与とうよようは、患者かんじゃごとに治療ちりょうじょう必要ひつようせいおよ危険きけんせい考慮こうりょして慎重しんちょう判断はんだんすること。[15.1.6参照さんしょう

6. 用法ようほうおよ用量ようりょう

子宮しきゅうないまくしょうともな疼痛とうつう改善かいぜん
1にち1じょう経口けいこう投与とうよする。24にちまでは出血しゅっけつ有無うむにかかわらず連続れんぞく投与とうよする。25にち以降いこうに3日間にちかん連続れんぞく出血しゅっけつてんじょう出血しゅっけつふくむ)がみとめられた場合ばあいまたは、連続れんぞく投与とうよが120にちたっした場合ばあいは、4日間にちかんきゅうやくする。
きゅうやく出血しゅっけつわっているかつづいているかにかかわらず、連続れんぞく投与とうよ開始かいしする。以後いご同様どうよう連続れんぞく投与とうよきゅうやくかえす。
月経げっけい困難こんなんしょう
下記かきのいずれかを選択せんたくする。
・1にち1じょう経口けいこう投与とうよする。24にちまでは出血しゅっけつ有無うむにかかわらず連続れんぞく投与とうよする。25にち以降いこうに3日間にちかん連続れんぞく出血しゅっけつてんじょう出血しゅっけつふくむ)がみとめられた場合ばあいまたは、連続れんぞく投与とうよが120にちたっした場合ばあいは、4日間にちかんきゅうやくする。
きゅうやく出血しゅっけつわっているかつづいているかにかかわらず、連続れんぞく投与とうよ開始かいしする。以後いご同様どうよう連続れんぞく投与とうよきゅうやくかえす。
・1にち1じょうを24日間にちかん連続れんぞく経口けいこう投与とうよし、4日間にちかんきゅうやくする。
以上いじょう28日間にちかん投与とうよ1周期しゅうきとし、出血しゅっけつわっているかつづいているかにかかわらず、29にちからつぎ周期しゅうき錠剤じょうざい投与とうよし、以後いご同様どうようかえす。
生殖せいしょく補助ほじょ医療いりょうにおける調節ちょうせつ卵巣らんそう刺激しげき開始かいし時期じき調整ちょうせい
1にち1じょうを、通常つうじょう、14〜28日間にちかん連続れんぞく経口けいこう投与とうよする。

7. 用法ようほうおよ用量ようりょう関連かんれんする注意ちゅうい

効能こうのう共通きょうつう
7.1 毎日まいにち一定いってい時刻じこく服用ふくようさせること。
7.2 まんいち前日ぜんじつわすれに気付きづいた場合ばあいただちに前日ぜんじつわすれた錠剤じょうざい服用ふくようし、当日とうじつ錠剤じょうざい通常つうじょう服薬ふくやく時刻じこく服用ふくようする。2にち以上いじょう服薬ふくやくわすれた場合ばあいは、気付きづいた時点じてん前日ぜんじつぶんの1じょう服用ふくようし、当日とうじつ錠剤じょうざい通常つうじょう服薬ふくやく時刻じこく服用ふくようし、その当初とうしょ服薬ふくやくスケジュールどおり服用ふくよう継続けいぞくすること。
子宮しきゅうないまくしょうともな疼痛とうつう改善かいぜん月経げっけい困難こんなんしょう
7.3 きゅうやく期間きかんは4日間にちかんえないこと。
7.4 ほんざい投与とうよにあたっては、不正ふせい性器せいき出血しゅっけつ予防よぼうおよびホルモンざい服用ふくようちゅう妊娠にんしんのリスクを最小限さいしょうげんにとどめるため、わすとうがないよう服用ふくよう方法ほうほう十分じゅうぶん指導しどうすること。
7.5 服用ふくよう開始かいし
ほんざいはじめて服用ふくようさせる場合ばあい月経げっけいだい1にちから服用ふくよう開始かいしさせる。服用ふくよう開始かいし月経げっけいだい1にちからおくれた場合ばあい妊娠にんしんのリスクを考慮こうりょし、みはじめの最初さいしょの1週間しゅうかんはホルモンざい以外いがい避妊ひにんほうもちいること。
生殖せいしょく補助ほじょ医療いりょうにおける調節ちょうせつ卵巣らんそう刺激しげき開始かいし時期じき調整ちょうせい
7.6 ほんざい投与とうよにあたっては、わすとうがないよう服用ふくよう方法ほうほう十分じゅうぶん指導しどうすること。

8. 重要じゅうよう基本きほんてき注意ちゅうい

効能こうのう共通きょうつう
8.1 ほんざい避妊ひにん目的もくてき使用しようしないこと。日本人にっぽんじんにおける避妊ひにん目的もくてきでの有効ゆうこうせいおよ安全あんぜんせい確認かくにんされていない。
8.2 ほんざい服用ふくようにより、年齢ねんれい喫煙きつえん肥満ひまん家族かぞくれきとうのリスク因子いんし有無うむにかかわらず血栓けっせんしょうがあらわれることがあるので、血栓けっせんしょううたがわれる症状しょうじょうがあらわれた場合ばあいは、投与とうよ中止ちゅうしするなど適切てきせつ処置しょちおこなうこと。[1.、11.1.1参照さんしょう
血栓けっせんしょううたがわれる症状しょうじょう
下肢かし疼痛とうつう腫脹しゅちょう・しびれ・発赤はっせきねつかん頭痛ずつう、嘔気・嘔吐おうととう
8.3 血栓けっせんしょうのリスクがたかまる状態じょうたいからだうごかせない状態じょうたい顕著けんちょ血圧けつあつ上昇じょうしょう脱水だっすいとう)がみとめられる場合ばあいは、投与とうよ中止ちゅうしするなど適切てきせつ処置しょちおこなうこと。[1.、11.1.1参照さんしょう
8.4 ほんざい服用ふくよう患者かんじゃには、投与とうよ開始かいしおよ継続けいぞく以下いかについて説明せつめいすること。[1.、11.1.1参照さんしょう
血栓けっせんしょう生命せいめいかかわる経過けいかをたどることがあること。
血栓けっせんしょううたがわれる症状しょうじょうがあらわれた場合ばあいや、血栓けっせんしょうのリスクがたかまる状態じょうたいになった場合ばあいは、症状しょうじょう状態じょうたい軽度けいどであってもただちに服用ふくよう中止ちゅうし医師いしとう相談そうだんすること。
血栓けっせんしょううたがって医療いりょう機関きかん受診じゅしんするさいは、ほんざい使用しよう医師いし告知こくちし、ほんざいによる血栓けっせんしょう念頭ねんとうにおいた診察しんさつけられるようにすること。
8.5 ほんざい服用ふくようちゅうにやむを手術しゅじゅつ必要ひつよう判断はんだんされる場合ばあいには、血栓けっせんしょう予防よぼう十分じゅうぶん配慮はいりょすること。[1.、2.1111.1.1参照さんしょう
8.6 年齢ねんれいおよ喫煙きつえんりょうによりこころ血管けっかんけいじゅうあつし副作用ふくさよう危険きけんせい増大ぞうだいするとの報告ほうこくがある。したがって、ほんざい服用ふくよう患者かんじゃには禁煙きんえんするよう指導しどうすること。[1.、2.59.1.29.1.511.1.1参照さんしょう
8.7 ほんざい黄体おうたいホルモンと卵胞らんぽうホルモンの配合はいごうざいであることから、黄体おうたいホルモンまたは卵胞らんぽうホルモンを含有がんゆうする薬剤やくざい経口けいこう避妊ひにんざいとう)を使用しようしている場合ばあいは、ほんざい投与とうよ開始かいしまえ中止ちゅうしさせること。また、ほんざい投与とうよちゅうにこれらの薬剤やくざい使用しようしないよう患者かんじゃ指導しどうすること。
子宮しきゅうないまくしょうともな疼痛とうつう改善かいぜん月経げっけい困難こんなんしょう
8.8 ほんざい投与とうよにあたっては患者かんじゃ病歴びょうれき調査ちょうさおよ検診けんしん必要ひつようである。この検診けんしんには、血圧けつあつ測定そくてい乳房ちぶさ腹部ふくぶ検査けんさおよ臨床りんしょう検査けんさふくまれる。ほんざい投与とうよちゅうは6ヵ月かげつごとの検診けんしんおこない、1ねんに1かい以上いじょう子宮しきゅう卵巣らんそう中心ちゅうしんとした骨盤こつばんない臓器ぞうき検査けんさおこなうこと。また、1ねんに1かい子宮しきゅう頸部の細胞さいぼう実施じっし考慮こうりょすること。[2.22.39.1.1参照さんしょう
8.9 乳癌にゅうがん検査けんさは、患者かんじゃ自己じこ検診けんしんおこなうよう指導しどうすること。[2.29.1.39.1.4参照さんしょう
8.10 ほんざい投与とうよにあたっては、器質きしつてき疾患しっかん増悪ぞうあく有無うむ確認かくにんするため、不正ふせい性器せいき出血しゅっけつ発現はつげん注意ちゅういし、定期ていきてき内診ないしんおよちょう音波おんぱ検査けんさとうによる診察しんさつおこなうこと。ほんざい投与とうよちゅうしゅこぶ増大ぞうだいするなど器質きしつてき疾患しっかん増悪ぞうあくみとめられる場合ばあいや、臨床りんしょう症状しょうじょう改善かいぜんがみられない場合ばあいは、治療ちりょうほう勘案かんあんしたうえで投与とうよ継続けいぞく判断はんだんおこなうこと。とくに、子宮しきゅうないまくしょうせい卵巣らんそうのうほう卵巣らんそうチョコレートのうほう)は、頻度ひんどひくいものの自然しぜん経過けいかにおいて悪性あくしょう示唆しさする報告ほうこくがあるので、画像がぞう診断しんだん腫瘍しゅようマーカーとう検査けんさおこなうこと。[2.22.3参照さんしょう
8.11 ほんざい投与とうよちゅう経過けいか十分じゅうぶん観察かんさつし、期待きたいする効果こうかられない場合ばあいには漫然まんぜん投与とうよ継続けいぞくせず、適切てきせつ治療ちりょう考慮こうりょすること。
8.12 用法ようほう用量ようりょうしたがって服用ふくようしても、性器せいき出血しゅっけつ長期間ちょうきかん持続じぞくする場合ばあいは、ちつ細胞さいぼうとう検査けんさ悪性あくせい疾患しっかんによるものではないことを確認かくにんうえ投与とうよすること。[2.22.3参照さんしょう
8.13 服用ふくようちゅうはげしい下痢げり嘔吐おうとつづいた場合ばあいにはほんざい吸収きゅうしゅう不良ふりょうきたすことがあり、不正ふせい性器せいき出血しゅっけつ発現はつげん可能かのうせいおよ妊娠にんしんのリスクがたかくなるので注意ちゅういすること。
8.14 ほんざい投与とうよによりまれはつ月経げっけいとう月経げっけい異常いじょう不正ふせい性器せいき出血しゅっけつがみられる。患者かんじゃにはあらかじめ十分じゅうぶん説明せつめいし、通常つうじょう月経げっけいくらべて出血しゅっけつりょうおお持続じぞく日数にっすうなが場合ばあいあるいは月経げっけいはつらいがない場合ばあいには、医師いし相談そうだんするよう指導しどうすること。出血しゅっけつつづ患者かんじゃには必要ひつようおうじて血液けつえき検査けんさとう実施じっしし、異常いじょうみとめられた場合ばあいには鉄剤てつざい投与とうよまたほんざい投与とうよ中止ちゅうしなど適切てきせつ処置しょちおこなうこと。
生殖せいしょく補助ほじょ医療いりょうにおける調節ちょうせつ卵巣らんそう刺激しげき開始かいし時期じき調整ちょうせい
8.15 ほんざいは、にん治療ちりょう十分じゅうぶん知識ちしき経験けいけんのある医師いしのもとで使用しようすること。ほんざい投与とうよにより予想よそうされるリスクおよ注意ちゅういすべき症状しょうじょうについて、あらかじめ患者かんじゃ説明せつめいおこなうこと。
8.16 服用ふくようちゅうはげしい下痢げり嘔吐おうとつづいた場合ばあいにはほんざい吸収きゅうしゅう不良ふりょうきたすことがあり、予定よていした時期じききえ退ずさ出血しゅっけつはつらいしない可能かのうせいがあるので、医師いし相談そうだんすること。

9. 特定とくてい背景はいけいゆうする患者かんじゃかんする注意ちゅうい

9.1 合併症がっぺいしょう既往きおうれきとうのある患者かんじゃ
9.1.1 子宮しきゅう筋腫きんしゅのある患者かんじゃ
定期ていきてき内診ないしん画像がぞう診断しんだんとう検査けんさおこなうなど慎重しんちょう投与とうよすること。筋腫きんしゅしゅだいうながすことがある。[8.8参照さんしょう
9.1.2 40さい以上いじょう患者かんじゃ(ただし、1にち15ほん以上いじょう喫煙きつえんしゃには投与とうよしないこと)
一般いっぱん心筋梗塞しんきんこうそくとうしん血管けっかんけい障害しょうがい発生はっせいしやすくなる年代ねんだいであるため、これを助長じょちょうするおそれがある。[1.、2.58.611.1.1参照さんしょう
9.1.3 乳癌にゅうがん既往きおうれきのある患者かんじゃ
乳癌にゅうがん再発さいはつするおそれがある。[8.9参照さんしょう
9.1.4 乳癌にゅうがん家族かぞくれきまた乳房ちぶさ結節けっせつのある患者かんじゃ
定期ていきてき乳房ちぶさ検診けんしんおこなうなど慎重しんちょう投与とうよすること。エストロゲン投与とうよ乳癌にゅうがん発生はっせいとの因果いんが関係かんけいについてその関連かんれんせい示唆しさする報告ほうこくもある。[8.9参照さんしょう
9.1.5 喫煙きつえんしゃ(ただし、35さい以上いじょうで1にち15ほん以上いじょう喫煙きつえんしゃには投与とうよしないこと)
心筋梗塞しんきんこうそくとうしん血管けっかんけい障害しょうがい発生はっせいしやすくなるとの報告ほうこくがある。[1.、2.58.611.1.1参照さんしょう
9.1.6 肥満ひまん患者かんじゃ
血栓けっせんしょうとうしん血管けっかんけい障害しょうがい発生はっせいしやすくなるとの報告ほうこくがある。[1.、11.1.1参照さんしょう
9.1.7 血栓けっせんしょう家族かぞくれき患者かんじゃ
血栓けっせんしょうとうしん血管けっかんけい障害しょうがい発生はっせいしやすくなるとの報告ほうこくがある。[1.、11.1.1参照さんしょう
9.1.8 前兆ぜんちょうともなわないかた頭痛ずつう患者かんじゃ
のう血管けっかん障害しょうがい脳卒中のうそっちゅうとう)が発生はっせいしやすくなるとの報告ほうこくがある。[1.、11.1.1参照さんしょう
9.1.9 心臓しんぞう弁膜べんまくしょう患者かんじゃ(ただし、はいだか血圧けつあつしょうまた心房しんぼうほそどう合併がっぺいする心臓しんぞう弁膜べんまくしょう患者かんじゃ急性きゅうせい細菌さいきんせいしんないまくえん既往きおうれきのある心臓しんぞう弁膜べんまくしょう患者かんじゃには投与とうよしないこと)
血栓けっせんしょうとうしん血管けっかんけい障害しょうがい発生はっせいしやすくなるとの報告ほうこくがある。[1.、2.711.1.1参照さんしょう
9.1.10 軽度けいど高血圧こうけつあつ妊娠にんしんちゅう高血圧こうけつあつ既往きおうふくむ)のある患者かんじゃ
血栓けっせんしょうとうしん血管けっかんけい障害しょうがい発生はっせいしやすくなるとの報告ほうこくがある。また、症状しょうじょう増悪ぞうあくすることがある。[1.、2.1511.1.1参照さんしょう
9.1.11 たいとうのう低下ていかしている患者かんじゃ糖尿とうにょうびょう患者かんじゃおよたいとうのう異常いじょう患者かんじゃ
十分じゅうぶんコントロールをおこないながら投与とうよすること。たいとうのう低下ていかすることがある。
9.1.12 ポルフィリンしょう患者かんじゃ
症状しょうじょう増悪ぞうあくすることがある。
9.1.13 こころ疾患しっかんまたはその既往きおうれきのある患者かんじゃ
ナトリウムまた体液たいえき貯留ちょりゅうにより症状しょうじょう増悪ぞうあくすることがある。
9.1.14 てんかん患者かんじゃ
症状しょうじょう増悪ぞうあくすることがある。
9.1.15 テタニーのある患者かんじゃ
症状しょうじょう増悪ぞうあくすることがある。
9.2 じん機能きのう障害しょうがい患者かんじゃ
9.2.1 じゅうあつしじん障害しょうがいまた急性きゅうせいじん障害しょうがいのある患者かんじゃ
投与とうよしないこと。ドロスピレノンのよわこうミネラルコルチコイド作用さようにより、血漿けっしょうちゅうレニンおよびアルドステロン活性かっせい上昇じょうしょうすることがある。[2.21参照さんしょう
9.2.2 じん障害しょうがいのある患者かんじゃじゅうあつしじん障害しょうがいまた急性きゅうせいじん障害しょうがいのある患者かんじゃのぞく)
ドロスピレノンのよわこうミネラルコルチコイド作用さようにより、血漿けっしょうちゅうレニンおよびアルドステロン活性かっせい上昇じょうしょうすることがある。
9.3 かん機能きのう障害しょうがい患者かんじゃ
9.3.1 おもあつかん障害しょうがいのある患者かんじゃ
投与とうよしないこと。代謝たいしゃのう低下ていかしており肝臓かんぞうへの負担ふたん増加ぞうかするため、症状しょうじょう増悪ぞうあくすることがある。[2.12参照さんしょう
9.3.2 かん障害しょうがいのある患者かんじゃおもあつかん障害しょうがいのある患者かんじゃのぞく)
代謝たいしゃのう低下ていかしており肝臓かんぞうへの負担ふたん増加ぞうかするため、症状しょうじょう増悪ぞうあくすることがある。
9.4 生殖せいしょくのうゆうするもの
子宮しきゅうないまくしょうともな疼痛とうつう改善かいぜん月経げっけい困難こんなんしょう
9.4.1 ほんざい投与とうよさいしては、問診もんしん内診ないしん基礎きそ体温たいおん測定そくてい免疫めんえきがくてき妊娠にんしん診断しんだんとうにより、妊娠にんしんしていないことを十分じゅうぶん確認かくにんすること。[2.189.5.1参照さんしょう
9.4.2 服用ふくよう方法ほうほう遵守じゅんしゅしていない場合ばあいひとしなんらかの理由りゆうにより妊娠にんしん可能かのうせいうたがわれる場合ばあいは、医師いし相談そうだんするよう指導しどうし、妊娠にんしん有無うむについて確認かくにんすること。なお、月経げっけい困難こんなんしょうたいし28にち周期しゅうきただしく服用ふくようしているにもかかわらず、服用ふくようちゅうきえ退ずさ出血しゅっけつが2周期しゅうき連続れんぞくしてはつらいしなかった場合ばあい投与とうよ継続けいぞくせんだって妊娠にんしんしていないことを確認かくにんすること。[2.189.5.1参照さんしょう
9.4.3 妊娠にんしん希望きぼうする場合ばあいには、ほんざい服用ふくよう中止ちゅうし月経げっけい周期しゅうき回復かいふくするまで避妊ひにんさせることがのぞましい。
9.5 にん
9.5.1 妊婦にんぷまた妊娠にんしんしている可能かのうせいのある女性じょせいには投与とうよしないこと。妊娠にんしん確認かくにんされた場合ばあいには投与とうよ中止ちゅうしすること。[2.189.4.19.4.2参照さんしょう
9.5.2 卵胞らんぽうホルモンざい妊娠にんしん動物どうぶつ(マウス)に投与とうよした場合ばあい成長せいちょうちつ上皮じょうひおよ子宮しきゅうないまく悪性あくせい変性へんせい示唆しさする結果けっか報告ほうこくされている。
また、新生児しんせいじ(マウス)に投与とうよした場合ばあい成長せいちょうちつ上皮じょうひ悪性あくせい変性へんせいみとめたとの報告ほうこくがある。
9.6 授乳じゅにゅう
投与とうよしないこと。授乳じゅにゅうちゅう患者かんじゃには治療ちりょうほうをすすめるなど適切てきせつ指導しどうをすること。母乳ぼにゅう量的りょうてき質的しつてき低下ていかこることがある。また、母乳ぼにゅうちゅうへの移行いこうにおいて黄疸おうだん乳房ちぶさしゅだい報告ほうこくされている。[2.19参照さんしょう
9.7 小児しょうにとう
小児しょうにとう対象たいしょうとした有効ゆうこうせいおよ安全あんぜんせい指標しひょうとした臨床りんしょう試験しけん実施じっししていない。

10. 相互そうご作用さよう

10.2 併用へいよう注意ちゅうい
副腎ふくじん皮質ひしつホルモン
プレドニゾロンとう
さんたまきけいこううつざい
イミプラミンとう
セレギリン塩酸えんさんしお
シクロスポリン
オメプラゾール
これらの薬剤やくざい作用さよう増強ぞうきょうするおそれがある。ほんざいはこれらの薬剤やくざい代謝たいしゃ抑制よくせいするとかんがえられる。
テオフィリン
チザニジン塩酸えんさんしお
これらの薬剤やくざいちゅう濃度のうど上昇じょうしょうするおそれがある。ほんざいがこれらの薬剤やくざい代謝たいしゃ酵素こうそ(CYP1A2)を阻害そがいするとかんがえられる。
リファンピシン
バルビツールさんけい製剤せいざい
フェノバルビタールとう
ヒダントインけい製剤せいざい
フェニトインナトリウムとう
カルバマゼピン
ボセンタン
モダフィニル
トピラマート
ほんざい効果こうかげん弱化じゃっかおよ不正ふせい性器せいき出血しゅっけつ発現はつげんりつ増大ぞうだいするおそれがある。これらの薬剤やくざい薬物やくぶつ代謝たいしゃ酵素こうそ誘導ゆうどうし、ほんざい代謝たいしゃ促進そくしんするとかんがえられる。
テトラサイクリンけい抗生こうせい物質ぶっしつ
テトラサイクリンとう
ペニシリンけい抗生こうせい物質ぶっしつ
アンピシリンとう
ほんざい効果こうかげん弱化じゃっかおよ不正ふせい性器せいき出血しゅっけつ発現はつげんりつ増大ぞうだいするおそれがある。これらの薬剤やくざいちょうない細菌さいきんくさむら変化へんかさせ、ほんざいちょうきも循環じゅんかんによるさい吸収きゅうしゅう抑制よくせいするとかんがえられる。
テルビナフィン塩酸えんさんしお黄体おうたいホルモン・卵胞らんぽうホルモン配合はいごうざいとの併用へいようで、月経げっけい異常いじょうがあらわれたとの報告ほうこくがある。じょ不明ふめい
Gn-RH誘導体ゆうどうたい
ブセレリン酢酸さくさんしおとう
これらの薬剤やくざい作用さようげんじゃくするおそれがある。これらの薬剤やくざいせいホルモンの分泌ぶんぴつ低下ていかすることにより薬効やっこうしめすため、せいホルモンであるほんざい投与とうよによってこれらの薬剤やくざい効果こうかげんじゃくする可能かのうせいかんがえられる。
血糖けっとう降下こうかざい
インスリン製剤せいざい、スルフォニル尿素にょうそけい製剤せいざい、スルフォンアミドけい製剤せいざい、ビグアナイドけい製剤せいざいとう
血糖けっとう降下こうかざい作用さようげんじゃくするおそれがある。血糖けっとうその患者かんじゃ状態じょうたい十分じゅうぶん観察かんさつし、血糖けっとう降下こうかざい用量ようりょう調節ちょうせつするなど注意ちゅういする。ほんざいたいとうのう低下ていかさせ、血糖けっとう降下こうかざい作用さようげんじゃくさせるとかんがえられる。
HIVプロテアーゼ阻害そがいざい
ネルフィナビルメシルさんしお、リトナビル、ダルナビル、ホスアンプレナビル(リトナビル併用へいよう)、ロピナビル・リトナビル配合はいごうざいとう
ヌクレオシドけいぎゃく転写てんしゃ酵素こうそ阻害そがいざい
ネビラピン
ほんざい作用さようげんじゃくするおそれがある。エチニルエストラジオールのAUCが減少げんしょうする。
HIVプロテアーゼ阻害そがいざい
アタザナビル
ほんざいちゅう濃度のうど上昇じょうしょうするおそれがある。ほんざい代謝たいしゃ酵素こうそ(CYP3A4)を阻害そがいするとかんがえられる。
ヌクレオシドけいぎゃく転写てんしゃ酵素こうそ阻害そがいざい
エトラビリン
ほんざいちゅう濃度のうど上昇じょうしょうするおそれがある。エトラビリンはほんざい代謝たいしゃ酵素こうそ(CYP2C9)を阻害そがいするとかんがえられる。
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有がんゆう食品しょくひんほんざい効果こうかげん弱化じゃっかおよ不正ふせい性器せいき出血しゅっけつ発現はつげんりつ増大ぞうだいするおそれがあるので、ほんざい投与とうよはセイヨウオトギリソウ含有がんゆう食品しょくひん摂取せっしゅしないよう注意ちゅういすること。この食品しょくひん薬物やくぶつ代謝たいしゃ酵素こうそ誘導ゆうどうし、ほんざい代謝たいしゃ促進そくしんするとかんがえられる。
フルコナゾールほんざいちゅう濃度のうど上昇じょうしょうするおそれがある。フルコナゾールはほんざい代謝たいしゃ酵素こうそ(CYP3A4)を阻害そがいするとかんがえられる。
ボリコナゾールほんざいちゅう濃度のうど上昇じょうしょうするおそれがある。
ボリコナゾールのちゅう濃度のうど上昇じょうしょうするおそれがある。
ボリコナゾールはほんざい代謝たいしゃ酵素こうそ(CYP3A4)を阻害そがいするとかんがえられる。
ほんざいがボリコナゾールの代謝たいしゃ酵素こうそ(CYP2C19)を阻害そがいするとかんがえられる。
アセトアミノフェンほんざいちゅう濃度のうど上昇じょうしょうするおそれがある。
アセトアミノフェンのちゅう濃度のうど低下ていかするおそれがある。
アセトアミノフェンはエチニルエストラジオールの硫酸りゅうさん抱合ほうごう阻害そがいするとかんがえられる。
ほんざいきもにおけるアセトアミノフェンのグルクロンさん抱合ほうごう促進そくしんするとかんがえられる。
ラモトリギン
モルヒネ
サリチル酸さりちるさん
これらの薬剤やくざいちゅう濃度のうど低下ていかするおそれがある。ほんざいはこれらの薬剤やくざいのグルクロンさん抱合ほうごう促進そくしんするとかんがえられる。
カリウム製剤せいざい
塩化えんかカリウム、グルコンさんカリウムとう
ACE阻害そがいざい
カプトプリル、エナラプリルとう
アンジオテンシンII受容じゅようたい拮抗きっこうざい
ロサルタンカリウム、カンデサルタンシレキセチルとう
カリウム保持ほじせい利尿りにょうやく
スピロノラクトン、トリアムテレン、カンレノさんカリウムとう
ステロイドせい消炎しょうえん鎮痛ちんつうざい
インドメタシンひとし
こうカリウムしょう誘発ゆうはつすることがあるので、血清けっせいカリウム観察かんさつするなど十分じゅうぶん注意ちゅういすること。これらの薬剤やくざいによる血清けっせいカリウム上昇じょうしょうとドロスピレノンのこうミネラルコルチコイド作用さようによるとかんがえられる。
危険きけん因子いんしじん障害しょうがい患者かんじゃ血清けっせいカリウムたか患者かんじゃ

11. 副作用ふくさよう

11.1 重大じゅうだい副作用ふくさよう
つぎ副作用ふくさようがあらわれることがあるので、観察かんさつ十分じゅうぶんおこない、異常いじょうみとめられた場合ばあいには投与とうよ中止ちゅうしするなど適切てきせつ処置しょちおこなうこと。
11.1.1 血栓けっせんしょう四肢ししはいしんのう網膜もうまくとう(0.3%)
下肢かし急激きゅうげき疼痛とうつう腫脹しゅちょう突然とつぜん息切いきぎれ、胸痛きょうつうはげしい頭痛ずつう四肢しし脱力だつりょく麻痺まひ、構語障害しょうがい急性きゅうせい視力しりょく障害しょうがいとう症状しょうじょうがあらわれた場合ばあいにはただちに投与とうよ中止ちゅうしし、適切てきせつ処置しょちおこなうこと。[1.、2.4-2.112.142.158.2-8.69.1.29.1.5-9.1.10参照さんしょう
11.2 その副作用ふくさよう
つぎ副作用ふくさようがあらわれることがあるので、観察かんさつ十分じゅうぶんおこない、異常いじょうみとめられた場合ばあいには投与とうよ中止ちゅうしするなど適切てきせつ処置しょちおこなうこと。
 5%以上いじょう1〜5%未満みまん1%未満みまん頻度ひんど不明ふめい
生殖せいしょく性器せいき出血しゅっけつ(23.7%)、不規則ふきそく子宮しきゅう出血しゅっけつ月経げっけいつう下腹部かふくぶつう月経げっけい過多かた機能きのうせい子宮しきゅう出血しゅっけつそと陰部いんぶちつカンジダしょう月経げっけいしょう退出たいしゅつ子宮しきゅう平滑へいかつ筋腫きんしゅ骨盤こつばんつう月経げっけいぜん症候群しょうこうぐん、CA125上昇じょうしょう細胞さいぼう異常いじょう子宮しきゅう頸部上皮じょうひ形成けいせい出血しゅっけつせい卵巣らんそうのうほう子宮しきゅう頸管ポリープ、卵巣らんそうのうしゅちつ感染かんせんそとかげちつそうようしょう性器せいき分泌ぶんぴつぶつ過少かしょう月経げっけいちつえんちつ乾燥かんそう
乳房ちぶさ 乳房ちぶさ不快ふかいかん乳房ちぶさつう乳腺にゅうせん線維せんい腺腫せんしゅ乳腺にゅうせんしょう線維せんいのうほうせい乳腺にゅうせん疾患しっかん乳房ちぶさしゅこぶ乳汁にゅうじゅう分泌ぶんぴつ乳房ちぶさしゅだい
消化しょうか悪心あくしん(20.8%)嘔吐おうと腹部ふくぶ不快ふかいかん便秘べんぴ下痢げりうえ腹部ふくぶつう胃炎いえん口内こうないえん腹痛はらいた胃腸いちょうえん腹部ふくぶ膨満、口渇こうかつ細菌さいきんせい胃腸いちょうえん齲歯むしば消化しょうか不良ふりょう鼓腸こちょう
精神せいしん神経しんけいけい頭痛ずつう(25.5%)かたぶけねむり浮動ふどうせいめまい、不眠症ふみんしょう回転かいてんせいめまい感覚かんかく鈍麻どんまかた頭痛ずつうみみ、うつびょうそもそもうつ気分きぶん気力きりょく低下ていか情動じょうどう不安定ふあんてい、リビドー減退げんたい感覚かんかく神経しんけい過敏かびん
循環じゅんかん  動悸どうき高血圧こうけつあつ静脈じょうみゃくこぶ
呼吸こきゅう  はな咽頭いんとうえんアレルギあれるぎせい鼻炎びえん気管支炎きかんしえん喘息ぜんそく口腔こうくう咽頭いんとうつう 
肝臓かんぞう  かん機能きのう検査けんさ異常いじょう、Al-P低下ていかγがんま-GTP上昇じょうしょう 
腎臓じんぞう  尿にょうちゅうタンパク陽性ようせい血漿けっしょうちゅうレニン活性かっせい上昇じょうしょう血漿けっしょうちゅうアルドステロン活性かっせい上昇じょうしょう
血液けつえき凝固ぎょうこ検査けんさ異常いじょう、プラスミノーゲン上昇じょうしょう、トロンビン・アンチトロンビンIIIふく合体がったい上昇じょうしょうフィブリンDダイマー上昇じょうしょう、プロテインS低下ていか、フィブリノゲン上昇じょうしょう血清けっせいてつ低下ていかプロトロンビン時間じかん短縮たんしゅくてつ欠乏けつぼうせい貧血ひんけつ白血球はっけっきゅう増加ぞうか血小板けっしょうばん減少げんしょう貧血ひんけつ白血球はっけっきゅう減少げんしょう、プロテインC上昇じょうしょう血清けっせいてつ上昇じょうしょう 
内分泌ないぶんぴつ代謝たいしゃけい トリグリセリド上昇じょうしょう、コレステロール上昇じょうしょう脂質ししつ異常いじょう 
すじ骨格こっかくけい 背部はいぶつう四肢ししつう筋骨きんこつかく硬直こうちょくすじ痙縮 
皮膚ひふ かさ湿疹しっしん発疹はっしん、じん麻疹ましん色素しきそ沈着ちんちゃくちゅうかたちべにむら、そうようしょう
  アレルギあれるぎせい結膜炎けつまくえん 
その 浮腫ふしゅ倦怠けんたいかん発熱はつねつ、CRP上昇じょうしょう体重たいじゅう増加ぞうか膀胱ぼうこうえん顔面がんめん浮腫ふしゅ、ほてり急性きゅうせいたんのうえん無力むりょくしょうあせ体重たいじゅう減少げんしょう

12. 臨床りんしょう検査けんさ結果けっかおよぼす影響えいきょう

含有がんゆうするエチニルエストラジオールの作用さようによる血清けっせいタンパク(コルチコイド結合けつごうせいグロブリン、サイロキシン結合けつごうせいグロブリンとう)の増加ぞうかにより、そうコルチゾール、そうT3そうT4上昇じょうしょうがみられることがある。また、これらの遊離ゆうりがた変化へんかしないとされている。これら検査けんさ判定はんていさいしては注意ちゅういすること。

14. 適用てきようじょう注意ちゅうい

14.1 薬剤やくざい交付こうふ注意ちゅうい
PTP包装ほうそう薬剤やくざいはPTPシートからして服用ふくようするよう指導しどうすること。PTPシートのあやまいんにより、かた鋭角えいかく食道しょくどう粘膜ねんまくとげいれし、さらには穿孔せんこうをおこしてたてへだたほらえんとうじゅうあつし合併症がっぺいしょう併発へいはつすることがある。

15. その注意ちゅうい

15.1 臨床りんしょう使用しようもとづく情報じょうほう
15.1.1 外国がいこく疫学えきがく調査ちょうさ結果けっか静脈じょうみゃく血栓けっせんしょうのリスクは、るいやく経口けいこう避妊ひにんざい)を服用ふくようしている女性じょせい服用ふくようしていない女性じょせいし、3.25〜4.0ばいたかくなるとの報告ほうこくがある。また、静脈じょうみゃく血栓けっせんしょうのリスクは経口けいこう避妊ひにんざい服用ふくよう開始かいし最初さいしょの1年間ねんかんにおいてもっとたかくなるとの報告ほうこくがある。さらに、外国がいこくでのだい規模きぼ市販しはん調査ちょうさ結果けっかはじめて経口けいこう避妊ひにんざい服用ふくよう開始かいししたときだけでなく、4週間しゅうかん以上いじょう中断ちゅうだん服用ふくよう再開さいかいしたときまたは4週間しゅうかん以上いじょう中断ちゅうだんべつ経口けいこう避妊ひにんざいえたときにも静脈じょうみゃく血栓けっせんしょうのリスクが上昇じょうしょうし、そのリスクは服用ふくよう開始かいし3ヵ月かげつあいだとくたかいとの報告ほうこくがある。
外国がいこくでのだい規模きぼ市販しはん調査ちょうさにおける2ねん以上いじょう追跡ついせき調査ちょうさ結果けっかほんざい同一どういつ成分せいぶん・含量の製剤せいざい静脈じょうみゃく血栓けっせんしょう発現はつげんりつは10000婦人ふじんねんたり7.2けんであり、静脈じょうみゃく血栓けっせんしょうのリスクはるいやく(レボノルゲストレルとう含有がんゆうする経口けいこう避妊ひにんざい)と同等どうとうであることが報告ほうこくされている。なお、外国がいこくでの少数しょうすうれいまたうしきの疫学えきがく調査ちょうさにおいて、結果けっか評価ひょうか確立かくりつしていないが、ほんざい同一どういつ成分せいぶんでエチニルエストラジオール含量0.030mg製剤せいざい服用ふくようしゃでの静脈じょうみゃく血栓けっせんしょうのリスクは、るいやく(レボノルゲストレルを含有がんゆうする経口けいこう避妊ひにんざい)の服用ふくようしゃよりたかかったとの報告ほうこくもある。
15.1.2 外国がいこくでの疫学えきがく調査ちょうさ結果けっかるいやく経口けいこう避妊ひにんざい)の服用ふくようにより乳癌にゅうがんおよ子宮しきゅう頸癌になる可能かのうせいたかくなるとの報告ほうこくがある。
15.1.3 外国がいこくで、るいやく経口けいこう避妊ひにんざい)を2ねん以上いじょう服用ふくようした場合ばあい良性りょうせいきも腫瘍しゅようが10まんにんたり3.4にん発生はっせいするとの報告ほうこくがある。また、腫瘍しゅよう破裂はれつにより腹腔ふくこうない出血しゅっけつこす可能かのうせいがある。一方いっぽう悪性あくせいきも腫瘍しゅようきもがん)の発生はっせいりつきわめてひくく、100まんにんたり1にんたない。
15.1.4 外国がいこくで、るいやく経口けいこう避妊ひにんざい)の服用ふくようにより全身ぜんしんせいエリテマトーデス(SLE)の悪化あっか、アナフィラキシー、溶血ようけつせい尿毒症にょうどくしょう症候群しょうこうぐん(HUS)があらわれたとの報告ほうこくがある。
15.1.5 外国がいこくで、るいやく経口けいこう避妊ひにんざい)の服用ふくようによる角膜かくまくあつ変化へんかとうによりコンタクトレンズがうまく調整ちょうせいされないため、視力しりょく視野しや変化へんか装用そうよう不快ふかいかんとうがみられたとの報告ほうこくがある。
15.1.6 調節ちょうせつ卵巣らんそう刺激しげきぜん周期しゅうきてい用量ようりょう黄体おうたいホルモン・卵胞らんぽうホルモン配合はいごうざい投与とうよした場合ばあい生産せいさんりつ継続けいぞく妊娠にんしんりつは、投与とうよしなかった場合ばあい比較ひかくしてひくかったとの報告ほうこくがある1)。[5.参照さんしょう

16. 薬物やくぶつ動態どうたい

16.1 ちゅう濃度のうど
16.1.1 たんかい投与とうよ
健康けんこう女性じょせいほんざいたんかい経口けいこう投与とうよしたときの薬物やくぶつ動態どうたいパラメータは、以下いかのとおりであった。血清けっせいちゅうドロスピレノン(DRSP)濃度のうど投与とうよ1.5あいだ最高さいこう血清けっせいちゅう濃度のうど(Cmax)にたっし、その相性あいしょう消失しょうしつしめした。血清けっせいちゅうエチニルエストラジオール(EE)濃度のうど投与とうよ1.5あいだにCmaxにたっしたのちすみやかに消失しょうしつし、投与とうよ6〜48あいだには定量ていりょう限界げんかい以下いかとなった2)
 Cmax(ng/mL)tmax(h)AUCa)(ng・h/mL)t1/2(h)
DRSP37.4±12.21.5(0.5-4)501±88.127.0±5.60
EE0.0538±0.01911.5(1-4)0.229±0.142
16.1.2 反復はんぷく投与とうよ
健康けんこう女性じょせいほんざいけい21日間にちかん反復はんぷく投与とうよしたときの薬物やくぶつ動態どうたいパラメータは、以下いかのとおりであった。血清けっせいちゅうDRSP濃度のうど投与とうよ8にち定常ていじょう状態じょうたい到達とうたつし、投与とうよ21にち蓄積ちくせきりつは3.0であった。血清けっせいちゅうEE濃度のうど投与とうよ21にち蓄積ちくせきりつは2.5であった3)
 Cmax(ng/mL)tmax(h)AUC(0-24h)(ng・h/mL)t1/2(h)
DRSP1にち40.5±11.01.5(1-2)277±56.1
DRSP21にち80.8±17.71.5(1-2)825±18929.5±5.28
EE1にち0.0362±0.01621.5(1-2)0.119±0.0783
EE21にち0.0576±0.02861.25(1-2)0.275±0.168
16.4 代謝たいしゃ
健康けんこう閉経へいけい女性じょせい14C-DRSPを経口けいこう投与とうよのヒト血漿けっしょうちゅうに、ラクトンたまきひらきたまきによりしょうじたDRSPの酸性さんせいがたおよび4,5-ジヒドロ-DRSP-3-硫酸りゅうさんが、主要しゅよう活性かっせい代謝たいしゃぶつとして検出けんしゅつされた4)外国がいこくじんデータ)。DRSPは、in vitro薬物やくぶつ代謝たいしゃ酵素こうそCYP3A4によりわずかに代謝たいしゃされた。EEはおもにCYP3A4で代謝たいしゃされ、硫酸りゅうさん抱合ほうごうおよびグルクロンさん抱合ほうごうける5)
16.5 排泄はいせつ
健康けんこう閉経へいけい女性じょせい14C-DRSPを経口けいこう投与とうよ放射ほうしゃ活性かっせい投与とうよ10日とおか以内いないにほぼ完全かんぜん糞尿ふんにょうちゅう排泄はいせつされ、尿にょうちゅうより糞便ふんべんちゅうにややおお排泄はいせつされた。糞尿ふんにょうちゅう排泄はいせつされた変化へんかたいわずかであった4)外国がいこくじんデータ)。健康けんこう女性じょせい3H-EEを経口けいこう投与とうよ放射ほうしゃ活性かっせい投与とうよ10日とおか以内いないにほぼ完全かんぜん糞尿ふんにょうちゅう排泄はいせつされ、尿にょう糞便ふんべんちゅう排泄はいせつは4:6であった6)外国がいこくじんデータ)。

17. 臨床りんしょう成績せいせき

17.1 有効ゆうこうせいおよ安全あんぜんせいかんする試験しけん
子宮しきゅうないまくしょうともな疼痛とうつう改善かいぜん
17.1.1 国内こくないだいIIIしょう比較ひかく試験しけん
子宮しきゅうないまくしょう患者かんじゃ最大さいだい124にち周期しゅうきぐん平均へいきん35.7さい、22〜47さい、プラセボぐん平均へいきん35.3さい、20〜49さい)を対象たいしょうとし、プラセボ対照たいしょうじゅうめくらけんおよじつくすり(ジエノゲスト)対照たいしょうめくらけん比較ひかく試験しけん実施じっしした7)有効ゆうこうせいについてはプラセボを対照たいしょうとし、もっと高度こうど骨盤こつばんつう視覚しかくてきアナログスケール(VAS)をもちいて評価ひょうかした。もっと高度こうど骨盤こつばんつうについて、投与とうよまえから投与とうよ開始かいし17〜24しゅうまでのVAS変化へんかりょう平均へいきん±標準ひょうじゅん偏差へんさ)は、最大さいだい124にち周期しゅうきぐん(114れい)で−36.6±23.9mm、プラセボぐん(117れい)で−10.7±18.0mmであった。ぐんあいだ最小さいしょうじょう平均へいきん[95%信頼しんらい区間くかん]は−26.3mm[−31.6mm、−20.9mm]であり、最大さいだい124にち周期しゅうきぐんのプラセボぐんたいする優越ゆうえつせいしめされた[片側かたがわp<0.0001、投与とうよぐんおよびベースライン観察かんさつにおけるVAS(60mm未満みまん、60mm以上いじょう)を固定こてい効果こうかとした分散ぶんさん分析ぶんせき]。
副作用ふくさよう臨床りんしょう検査けんさ異常いじょうふくむ)は241れいちゅう151れい(62.7%)にみとめられた。おも副作用ふくさよう発現はつげんれいすう発現はつげんりつ)は、性器せいき出血しゅっけつ59れい(24.5%)、プラスミノーゲン上昇じょうしょう32れい(13.3%)、不正ふせい子宮しきゅう出血しゅっけつ29れい(12.0%)、悪心あくしん25れい(10.4%)とうであった。
月経げっけい困難こんなんしょう
17.1.2 国内こくないだいIIIしょう比較ひかく試験しけん
月経げっけい困難こんなんしょう患者かんじゃ最大さいだい124にち周期しゅうきぐん平均へいきん28.9さい、20〜46さい、28にち周期しゅうきぐんちゅう平均へいきん30.4さい、20〜45さい)を対象たいしょうとし、じつくすり対照たいしょうめくらけん比較ひかく試験しけん実施じっしした8)有効ゆうこうせいについては、治験ちけんやく投与とうよ開始かいし25にちからの140日間にちかん評価ひょうか期間きかんちゅうにおける月経げっけいつうともな日数にっすうにより評価ひょうかした。140日間にちかんにおける月経げっけいつうともな日数にっすう平均へいきん±標準ひょうじゅん偏差へんさ)は、最大さいだい124にち周期しゅうきぐん(99れい)で11.9±9.4にち、28にち周期しゅうきぐん(91れい)で15.3±11.8にちであった。ぐんあいだ平均へいきん[95%信頼しんらい区間くかん]は−3.4にち[−6.5にち、−0.3にち]であり、最大さいだい124にち周期しゅうきぐんの28にち周期しゅうきぐんたいする優越ゆうえつせいしめされた(p=0.0300、標本ひょうほんt検定けんてい)。
副作用ふくさよう臨床りんしょう検査けんさ異常いじょうふくむ)は105れいちゅう80れい(76.2%)にみとめられた。おも副作用ふくさよう発現はつげんれいすう発現はつげんりつ)は、性器せいき出血しゅっけつ40れい(38.1%)、プラスミノーゲン上昇じょうしょう26れい(24.8%)、不正ふせい子宮しきゅう出血しゅっけつ15れい(14.3%)とうであった。
17.1.3 国内こくないだいII/IIIしょう比較ひかく試験しけん
月経げっけい困難こんなんしょう患者かんじゃ(28にち周期しゅうきぐんちゅう平均へいきん30.8さい、20〜48さい)を対象たいしょうとし、プラセボ対照たいしょうじゅうめくらけん比較ひかく試験しけん実施じっしした9)月経げっけい困難こんなんしょう程度ていどおよ鎮痛ちんつうやく使用しよう日数にっすう指標しひょうとした月経げっけい困難こんなんしょうスコアb)もちいた。その結果けっか最終さいしゅう評価ひょうか最大さいだい4周期しゅうき投与とうよ)の投与とうよまえからの変化へんかりょうはプラセボぐん(58れい投与とうよまえ:4.0±0.96、変化へんかりょう:−1.0±1.53)と比較ひかくし28にち周期しゅうきぐん(61れい投与とうよまえ:4.0±0.91、変化へんかりょう:−1.9±1.63)において有意ゆういおおきいことがしめされた。
項目こうもく程度ていど内容ないようスコア
月経げっけい困難こんなんしょう程度ていどなしなし0
軽度けいど仕事しごと学業がくぎょう家事かじ)に若干じゃっかん支障ししょうあり1
中等ちゅうとうよこになって休息きゅうそくしたくなるほど仕事しごと学業がくぎょう家事かじ)への支障ししょうきた2
重度じゅうど1にち以上いじょう寝込ねこみ、仕事しごと学業がくぎょう家事かじ)ができない3
鎮痛ちんつうやく使用しようなしなし0
軽度けいど直前ちょくぜん(あるいは現在げんざい)の月経げっけい期間きかんちゅう鎮痛ちんつうやくを1にち使用しようした1
中等ちゅうとう直前ちょくぜん(あるいは現在げんざい)の月経げっけい期間きかんちゅう鎮痛ちんつうやくを2にち使用しようした2
重度じゅうど直前ちょくぜん(あるいは現在げんざい)の月経げっけい期間きかんちゅう鎮痛ちんつうやくを3にち以上いじょう使用しようした3
b)ノーベルファーマ株式会社かぶしきがいしゃ:Prog Med.2005;25:739-758
副作用ふくさよう臨床りんしょう検査けんさ異常いじょうふくむ)は61れいちゅう57れい(93.4%)にみとめられた。おも副作用ふくさよう発現はつげんれいすう発現はつげんりつ)は、悪心あくしん17れい(27.9%)、頭痛ずつう15れい(24.6%)、凝固ぎょうこ検査けんさ異常いじょう13れい(21.3%)、性器せいき出血しゅっけつ13れい(21.3%)、月経げっけいつう9れい(14.8%)、不正ふせい子宮しきゅう出血しゅっけつ8れい(13.1%)、下腹部かふくぶつう7れい(11.5%)とうであった。
17.1.4 国内こくないだいII/IIIしょう長期ちょうき投与とうよ試験しけん
月経げっけい困難こんなんしょう患者かんじゃ(28にち周期しゅうきぐんちゅう平均へいきん29.3さい、20〜44さい)を対象たいしょうとし、28にち周期しゅうきぐんの24週間しゅうかん(6周期しゅうき投与とうよにおける月経げっけい中間なかま出血しゅっけつたいする有効ゆうこうせいおよび52週間しゅうかん(13周期しゅうき投与とうよにおける安全あんぜんせい評価ひょうかすることを目的もくてきとした長期ちょうき投与とうよ試験しけん実施じっしした10)。その結果けっか月経げっけい中間なかま出血しゅっけつ発現はつげんりつ(12.6%、95%信頼しんらい区間くかん:8.57〜17.53%)は許容きょよう範囲はんいないであり、長期ちょうき投与とうよにおける安全あんぜんせい確認かくにんされた。また、月経げっけい困難こんなんしょうたいする有効ゆうこうせい投与とうよちゅう持続じぞくすることがしめされた。
副作用ふくさよう臨床りんしょう検査けんさ異常いじょうふくむ)は349れいちゅう314れい(90.0%)にみとめられた。おも副作用ふくさよう発現はつげんれいすう発現はつげんりつ)は、頭痛ずつう153れい(43.8%)、悪心あくしん105れい(30.1%)、不正ふせい子宮しきゅう出血しゅっけつ96れい(27.5%)、凝固ぎょうこ検査けんさ異常いじょう70れい(20.1%)、月経げっけいつう68れい(19.5%)、性器せいき出血しゅっけつ67れい(19.2%)、下腹部かふくぶつう39れい(11.2%)とうであった。
ちゅう)ドロスピレノン・エチニルエストラジオールじょうを24日間にちかん連続れんぞく投与とうよ、プラセボじょうを4日間にちかん投与とうよする28日間にちかんを1周期しゅうきとする。

18. 薬効やっこう薬理やくり

18.1 作用さようじょ
子宮しきゅうないまくしょうともな疼痛とうつう改善かいぜん月経げっけい困難こんなんしょう
18.1.1 ほんざい排卵はいらん抑制よくせい作用さようおよ子宮しきゅうないまく増殖ぞうしょく抑制よくせい作用さようによって、プロスタグランジンるいとう過剰かじょうさんせい抑制よくせいすることにより子宮しきゅう収縮しゅうしゅく運動うんどう抑制よくせいし、月経げっけい困難こんなんしょう子宮しきゅうないまくしょうにおける疼痛とうつうなどの症状しょうじょう軽減けいげんするとかんがえられる。
生殖せいしょく補助ほじょ医療いりょうにおける調節ちょうせつ卵巣らんそう刺激しげき開始かいし時期じき調整ちょうせい
18.1.2 ほんざい一定いってい期間きかん投与とうよし、内因ないいんせい卵胞らんぽうホルモンおよ黄体おうたいホルモンの分泌ぶんぴつ抑制よくせいしたうえで、ほんざい有効ゆうこう成分せいぶんである合成ごうせい卵胞らんぽうホルモンと合成ごうせい黄体おうたいホルモンのちゅう濃度のうど一定いってい期間きかん維持いじし、ほんざい中止ちゅうしによりそれらのちゅう濃度のうど急激きゅうげき低下ていかさせることで子宮しきゅうないまくがはくらくし、生殖せいしょく補助ほじょ医療いりょうにおける調節ちょうせつ卵巣らんそう刺激しげき開始かいし時期じき規定きていするしょう退出たいしゅつしょうじる。

19. 有効ゆうこう成分せいぶんかんする理化学りかがくてき知見ちけん

19.1. ドロスピレノン

一般いっぱんてき名称めいしょう ドロスピレノン
一般いっぱんてき名称めいしょうおうめい Drospirenone
化学かがくめい 3-Oxo-6βべーた,7βべーた:15βべーた,16βべーた-dimethano-17αあるふぁ-pregn-4-ene-21,17-carbolactone
分子ぶんししき C24H30O3
分子ぶんしりょう 366.49
物理ぶつり化学かがくてき性状せいじょう ほんひん白色はくしょく粉末ふんまつである。
ほんひんはアセトニトリルまたN,N-ジメチルホルムアミドにけやすく、メタノールにややけやすく、エタノール(99.5)にややけにくく、みずにほとんどけない。
理化学りかがく知見ちけんその 19.1 ドロスピレノン
KEGG DRUG D03917

19.2. エチニルエストラジオール ベータデクス

一般いっぱんてき名称めいしょう エチニルエストラジオール ベータデクス
一般いっぱんてき名称めいしょうおうめい Ethinylestradiol Betadex
化学かがくめい 19-Nor-17αあるふぁ-pregna-1,3,5(10)-triene-20-yne-3,17-diol−di-βべーた-cyclodextrin
分子ぶんししき C20H24O2・2C42H70O35
分子ぶんしりょう 2,566.37
物理ぶつり化学かがくてき性状せいじょう ほんひん白色はくしょく粉末ふんまつである。
ほんひんみずけにくい。
ほんひん吸湿きゅうしつせいである。
理化学りかがく知見ちけんその 19.2 エチニルエストラジオール ベータデクス

22. 包装ほうそう

84じょう[28じょう(PTP)×3]
336じょう[28じょう(PTP)×12]

23. 主要しゅよう文献ぶんけん

  1. Farquhar C,et al., Cochrane Database Syst Rev., 5, (2017) »PubMed
  2. 社内しゃない資料しりょう薬物やくぶつ動態どうたいたんかい投与とうよ)(ヤーズ配合はいごうじょう2010ねん7がつ23にち承認しょうにん、CTD2.7.2.2.2.1)
  3. 社内しゃない資料しりょう薬物やくぶつ動態どうたい反復はんぷく投与とうよ)(ヤーズ配合はいごうじょう2010ねん7がつ23にち承認しょうにん、CTD2.7.2.2.2.3)
  4. 社内しゃない資料しりょう薬物やくぶつ動態どうたい代謝たいしゃ排泄はいせつ)(ヤーズ配合はいごうじょう2010ねん7がつ23にち承認しょうにん、CTD2.7.2.2.2.4)
  5. 社内しゃない資料しりょう薬物やくぶつ動態どうたい代謝たいしゃ)(ヤーズ配合はいごうじょう2010ねん7がつ23にち承認しょうにん、CTD2.7.2.3.1.3)
  6. Speck U,et al., Contraception., 14, 151-163, (1976) »PubMed
  7. 社内しゃない資料しりょう子宮しきゅうないまくしょう患者かんじゃ対象たいしょうとした国内こくないだいIIIしょう臨床りんしょう試験しけん(2016ねん12月19にち承認しょうにん、CTD2.7.6.2)
  8. 社内しゃない資料しりょう月経げっけい困難こんなんしょう患者かんじゃ対象たいしょうとした国内こくないだいIIIしょう臨床りんしょう試験しけん(2016ねん12月19にち承認しょうにん、CTD2.7.6.3)
  9. 社内しゃない資料しりょう月経げっけい困難こんなんしょう患者かんじゃ対象たいしょうとした国内こくないだいII/IIIしょう比較ひかく試験しけん(ヤーズ配合はいごうじょう2010ねん7がつ23にち承認しょうにん、CTD2.7.6.29)
  10. 社内しゃない資料しりょう月経げっけい困難こんなんしょう患者かんじゃ対象たいしょうとした国内こくないだいII/IIIしょう長期ちょうき投与とうよ試験しけん(ヤーズ配合はいごうじょう2010ねん7がつ23にち承認しょうにん、CTD2.7.6.30)

24. 文献ぶんけん請求せいきゅうさきおよわせさき

文献ぶんけん請求せいきゅうさき
バイエル薬品ばいえるやくひん株式会社かぶしきがいしゃ メディカルインフォメーション
〒530-0001 大阪おおさかきた梅田うめだ丁目ちょうめ4ばん9ごう
文献ぶんけん請求せいきゅうさき
製品せいひん情報じょうほうわせさき
バイエル薬品ばいえるやくひん株式会社かぶしきがいしゃ
電話でんわ:0120-106-398
バイエル医療いりょうよう医薬品いやくひんのおわせさき

26. 製造せいぞう販売はんばい業者ぎょうしゃとう

26.1 製造せいぞう販売元はんばいもと
バイエル薬品ばいえるやくひん株式会社かぶしきがいしゃ
大阪おおさかきた梅田うめだ丁目ちょうめ4ばん9ごう

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