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医療用医薬品 : ナルフラフィン塩酸塩 (ナルフラフィン塩酸塩ODフィルム2.5μg「ニプロ」)

医療いりょうよう医薬品いやくひん : ナルフラフィン塩酸えんさんしお

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医薬品いやくひん情報じょうほう


総称そうしょうめい ナルフラフィン塩酸えんさんしお
一般いっぱんめい ナルフラフィン塩酸えんさんしお
欧文おうぶん一般いっぱんめい Nalfurafine Hydrochloride
製剤せいざいめい ナルフラフィン塩酸えんさんしお口腔こうくうない崩壊ほうかいフィルム
薬効やっこう分類ぶんるいめい 経口けいこうそうようしょう改善かいぜんざい
薬効やっこう分類ぶんるい番号ばんごう 1190
ATCコード V03AX02
KEGG DRUG
D06405 ナルフラフィン塩酸えんさんしお
JAPIC 添付てんぷ文書ぶんしょ(PDF)
この情報じょうほうKEGG データベースにより提供ていきょうされています。
日米にちべい医薬品いやくひん添付てんぷ文書ぶんしょこちらから検索けんさくすることができます。

添付てんぷ文書ぶんしょ情報じょうほう2023ねん10がつ 改訂かいていだい2はん


商品しょうひん情報じょうほう 3.組成そせい性状せいじょう

販売はんばいめい 欧文おうぶん商標しょうひょうめい 製造せいぞう会社かいしゃ YJコード 薬価やっか 規制きせい区分くぶん
ナルフラフィン塩酸えんさんしおODフィルム2.5μみゅーg「ニプロ」後発こうはつひん Nalfurafine Hydrochloride OD Film ニプロ 1190015F1054 261.4えんじょう 劇薬げきやく, 処方箋しょほうせん医薬品いやくひんちゅう

2. 禁忌きんき

つぎ患者かんじゃには投与とうよしないこと
2.1 ほんざい成分せいぶんたい過敏かびんしょう既往きおうれきのある患者かんじゃ

4. 効能こうのうまたは効果こうか

つぎ患者かんじゃにおけるそうようしょう改善かいぜん既存きそん治療ちりょう効果こうか不十分ふじゅうぶん場合ばあいかぎる)
透析とうせき患者かんじゃ
慢性まんせいきも疾患しっかん患者かんじゃ

6. 用法ようほうおよ用量ようりょう

通常つうじょう成人せいじんには、ナルフラフィン塩酸えんさんしおとして1にち1かい2.5μみゅーgを夕食ゆうしょくまた就寝しゅうしんまえ経口けいこう投与とうよする。なお、症状しょうじょうおうじて増量ぞうりょうすることができるが、1にち1かい5μみゅーgを限度げんどとする。

7. 用法ようほうおよ用量ようりょう関連かんれんする注意ちゅうい

効能こうのう共通きょうつう
7.1 ほんざい口腔こうくうない崩壊ほうかいするが、口腔こうくう粘膜ねんまくからの吸収きゅうしゅうにより効果こうか発現はつげん期待きたいする製剤せいざいではないため、唾液だえきまたみずむこと。[14.2.1参照さんしょう
血液けつえき透析とうせき患者かんじゃにおけるそうようしょう改善かいぜん場合ばあい
7.2 ほんざい投与とうよから血液けつえき透析とうせき開始かいしまでは十分じゅうぶん間隔かんかくをあけること。ほんざい血液けつえき透析とうせきにより除去じょきょされることから、ほんざい服用ふくようから血液けつえき透析とうせきまでの時間じかんみじか場合ばあいほんざいちゅう濃度のうど低下ていかする可能かのうせいがある。[16.8.1参照さんしょう
腹膜ふくまく透析とうせき患者かんじゃにおけるそうようしょう改善かいぜん場合ばあい
7.3 ほんざい投与とうよから透析とうせきえき交換こうかんまでは十分じゅうぶん間隔かんかくをあけること。ほんざい服用ふくようから透析とうせきえき交換こうかんまでの時間じかんみじか場合ばあいほんざいちゅう濃度のうど低下ていかする可能かのうせいがある。[16.1.1参照さんしょう
慢性まんせいきも疾患しっかん患者かんじゃにおけるそうようしょう改善かいぜん場合ばあい
7.4 ほんざい投与とうよは1にち1かい2.5μみゅーgから開始かいしし、効果こうか不十分ふじゅうぶん場合ばあいに1にち1かい5μみゅーgへの増量ぞうりょう検討けんとうすること。

8. 重要じゅうよう基本きほんてき注意ちゅうい

8.1 重度じゅうど(Child-Pugh分類ぶんるいグレードC)のかん障害しょうがいのある患者かんじゃたいするほんざい投与とうよにあたっては、リスク・ベネフィットを勘案かんあんし、投与とうよちゅう患者かんじゃ状態じょうたい十分じゅうぶん観察かんさつすること。[9.3.116.1.1参照さんしょう
8.2 眠気ねむけ、めまいとうがあらわれることがあるので、ほんざい投与とうよちゅう患者かんじゃには自動車じどうしゃ運転うんてんとう危険きけんともな機械きかい操作そうさには従事じゅうじさせないよう注意ちゅういすること。
8.3 ほんざい使用しようにより効果こうかみとめられない場合ばあいには、漫然まんぜん長期ちょうきにわたり投与とうよしないように注意ちゅういすること。
8.4 ほんざい投与とうよにより、プロラクチン上昇じょうしょうとう内分泌ないぶんぴつ機能きのう異常いじょうがあらわれることがあるので、適宜てきぎ検査けんさ実施じっしすることがのぞましい。

9. 特定とくてい背景はいけいゆうする患者かんじゃかんする注意ちゅうい

9.2 じん機能きのう障害しょうがい患者かんじゃ
慢性まんせいきも疾患しっかん患者かんじゃにおけるそうようしょう改善かいぜん場合ばあい
ちゅう濃度のうど上昇じょうしょうするおそれがある。
9.3 かん機能きのう障害しょうがい患者かんじゃ
効能こうのう共通きょうつう
9.3.1 重度じゅうど(Child-Pugh分類ぶんるいグレードC)のかん障害しょうがいのある患者かんじゃ
重度じゅうど(Child-Pugh分類ぶんるいグレードC)のかん障害しょうがいのある患者かんじゃ対象たいしょうとした臨床りんしょう試験しけん実施じっししていない。[8.116.1.1参照さんしょう
透析とうせき患者かんじゃにおけるそうようしょう改善かいぜん場合ばあい
9.3.2 中等ちゅうとう(Child-Pugh分類ぶんるいグレードB)のかん障害しょうがいのある患者かんじゃ
ちゅう濃度のうど上昇じょうしょうするおそれがある。[16.1.1参照さんしょう
9.5 にん
妊婦にんぷまた妊娠にんしんしている可能かのうせいのある女性じょせいには投与とうよしないことがのぞましい。動物どうぶつ実験じっけん(ラット)において、胎盤たいばん通過つうか生存せいぞん胎児たいじすう減少げんしょう出産しゅっさんりつ低下ていかおよ出生しゅっしょう体重たいじゅう減少げんしょう報告ほうこくされている。
9.6 授乳じゅにゅう
治療ちりょうじょう有益ゆうえきせいおよ母乳ぼにゅう栄養えいよう有益ゆうえきせい考慮こうりょし、授乳じゅにゅう継続けいぞくまた中止ちゅうし検討けんとうすること。動物どうぶつ実験じっけん(ラット)において、乳汁にゅうじゅうちゅう移行いこうすることが報告ほうこくされている。
9.7 小児しょうにとう
小児しょうにとう対象たいしょうとした臨床りんしょう試験しけん実施じっししていない。
9.8 高齢こうれいしゃ
患者かんじゃ状態じょうたい観察かんさつしながら慎重しんちょう投与とうよすること。一般いっぱん生理せいり機能きのう低下ていかしていることがおおい。

10. 相互そうご作用さよう

相互そうご作用さよう序文じょぶん
ほんざいは、しゅとしてきも代謝たいしゃ酵素こうそCYP3A4によって代謝たいしゃされる。[16.4.1参照さんしょう
薬物やくぶつ代謝たいしゃ酵素こうそ用語ようご
CYP3A4
10.2 併用へいよう注意ちゅうい
CYP3A4阻害そがい作用さようのある薬剤やくざいとう
アゾールけいこうきんざい(イトラコナゾールとう)、ミデカマイシン、リトナビル、シクロスポリン、ニフェジピン、シメチジン、グレープフルーツジュースとう
16.7.116.7.2参照さんしょう
ほんざい血漿けっしょうちゅう濃度のうど上昇じょうしょうする可能かのうせいがあるため、併用へいよう開始かいし用量ようりょう変更へんこうならびに中止ちゅうしには、患者かんじゃ状態じょうたい十分じゅうぶん観察かんさつするなど注意ちゅういすること。CYP3A4阻害そがい作用さようのある薬剤やくざいとうとの併用へいようによりほんざい代謝たいしゃ阻害そがいされ、血漿けっしょうちゅう濃度のうど上昇じょうしょうする可能かのうせいがある。
睡眠薬すいみんやくこう不安ふあんやくこううつやくこう精神病せいしんびょうやくこうてんかんやくほんざいとの併用へいようにより、不眠ふみん幻覚げんかく眠気ねむけ浮動ふどうせいめまい、たたかえ、せんもうとうみとめられる可能かのうせいがあるので、併用へいよう開始かいし用量ようりょう変更へんこうならびに中止ちゅうしには、副作用ふくさよう発現はつげん注意ちゅういすること。ほんざいによる中枢ちゅうすうせい副作用ふくさよう増強ぞうきょうされる可能かのうせいがある。
オピオイドけい薬剤やくざいほんざい作用さよう増強ぞうきょうあるいはげんじゃくされるおそれがある。両剤りょうざい薬理やくりがくてき相互そうご作用さよう増強ぞうきょうまた拮抗きっこう)がかんがえられる。

11. 副作用ふくさよう

11.1 重大じゅうだい副作用ふくさよう
つぎ副作用ふくさようがあらわれることがあるので、観察かんさつ十分じゅうぶんおこない、異常いじょうみとめられた場合ばあいには投与とうよ中止ちゅうしするなど適切てきせつ処置しょちおこなうこと。
11.1.1 かん機能きのう障害しょうがい黄疸おうだん(いずれも頻度ひんど不明ふめい
AST、ALT、Al-P、γがんま-GTPのいちじるしい上昇じょうしょうとうともなきも機能きのう障害しょうがい黄疸おうだんがあらわれることがある。
ちゅう3)慢性まんせいきも疾患しっかん患者かんじゃ対象たいしょうとした国内こくない臨床りんしょう試験しけんでの発現はつげん頻度ひんど
11.2 その副作用ふくさよう
つぎ副作用ふくさようがあらわれることがあるので、観察かんさつ十分じゅうぶんおこない、異常いじょうみとめられた場合ばあいには投与とうよ中止ちゅうしするなど適切てきせつ処置しょちおこなうこと。
 5%以上いじょう1〜5%未満みまん1%未満みまん頻度ひんど不明ふめい
精神せいしん神経しんけいけい不眠ふみんちゅう1)、ちゅう2)眠気ねむけちゅう1)、ちゅう2)浮動ふどうせいめまい、頭痛ずつういらいらかん幻覚げんかく、構語障害しょうがい、レストレスレッグス症候群しょうこうぐんたたかえ、しびれ不穏ふおん、せんもうえきいかせい
消化しょうかけい便秘べんぴちゅう1)、ちゅう2)口渇こうかつ悪心あくしん下痢げり嘔吐おうと食欲しょくよく不振ふしん腹部ふくぶ不快ふかいかん胃炎いえん口内こうないえん 
皮膚ひふ そうよう悪化あっか湿疹しっしん発疹はっしん蕁麻疹じんましんべにむらおか色素しきそ沈着ちんちゃく
肝臓かんぞう そう胆汁たんじゅうさん上昇じょうしょうAST上昇じょうしょう、ALT上昇じょうしょう、Al-P上昇じょうしょうγがんま-GTP上昇じょうしょう、ビリルビン上昇じょうしょうLDH上昇じょうしょう
腎臓じんぞうしき尿にょう夜間やかんしき尿にょうちゅう2)、ちゅう3)尿にょうちゅう3)  
循環じゅんかんけい  動悸どうき、ほてり、血圧けつあつ上昇じょうしょう 
内分泌ないぶんぴつけいプロラクチン上昇じょうしょうテストステロン低下ていか甲状腺こうじょうせん刺激しげきホルモン低下ていか甲状腺こうじょうせん刺激しげきホルモン上昇じょうしょうこう利尿りにょうホルモン上昇じょうしょう女性じょせい乳房ちぶさ 
血液けつえき  こうさんだまぞう貧血ひんけつ 
尿にょう 尿にょうちゅう陽性ようせいちゅう3)尿にょうちゅう蛋白たんぱく陽性ようせいちゅう3)  
その 倦怠けんたいかん胸部きょうぶ不快ふかいかん脱力だつりょくかん回転かいてんせいめまい、異常いじょうかん浮腫ふしゅちゅうリン低下ていか 

13. りょう投与とうよ

13.1 症状しょうじょう
りょう投与とうよにより、幻覚げんかく不安ふあん重度じゅうど眠気ねむけ不眠ふみんとうがあらわれるおそれがある。
13.2 処置しょち
投与とうよ中止ちゅうしし、必要ひつようおう適切てきせつ対症療法たいしょうりょうほうおこなうこと。なお、ほんざい血液けつえき透析とうせきにより除去じょきょされることがしめされている。[16.8.1参照さんしょう

14. 適用てきようじょう注意ちゅうい

14.1 薬剤やくざい交付こうふ注意ちゅうい
かわいた手指しゅしでアルミ包装ほうそうをめくり、薬剤やくざい(フィルム)をして服用ふくようするよう指導しどうすること。
14.2 服用ふくよう注意ちゅうい
14.2.1 ほんざいしたうえにのせ、唾液だえき浸潤しんじゅんさせると崩壊ほうかいするため、みずなしで服用ふくよう可能かのうである。また、みず服用ふくようすることもできる。[7.1参照さんしょう
14.2.2 ほんざいたままの状態じょうたいでは、みずなしで服用ふくようさせないこと。
14.2.3 アルミ包装ほうそう遮光しゃこうして品質ひんしつ保持ほじしているため、アルミ包装ほうそう開封かいふうすみやかに服用ふくようすること。

15. その注意ちゅうい

15.2 臨床りんしょう試験しけんもとづく情報じょうほう
15.2.1 動物どうぶつ実験じっけん(イヌ静脈じょうみゃくない投与とうよ、0.1μみゅーg/kg以上いじょう)において全身ぜんしん麻酔ますいでの血圧けつあつ低下ていか報告ほうこくされている。
15.2.2 動物どうぶつ実験じっけん(ラット筋肉きんにくない投与とうよ、40μみゅーg/kg/day以上いじょう)において受胎じゅたいりつ低下ていか報告ほうこくされている。

16. 薬物やくぶつ動態どうたい

16.1 ちゅう濃度のうど
16.1.1 たんかい投与とうよ
(1)血液けつえき透析とうせき患者かんじゃ(16れい)にナルフラフィン塩酸えんさんしお(カプセル)2.5または5μみゅーgを経口けいこうたんかい投与とうよしたとき変化へんかたい薬物やくぶつ動態どうたいパラメータは以下いかとおりであった1)
薬物やくぶつ動態どうたいパラメータ
投与とうよぐんμみゅーg)れいすうCmax(pg/mL)Tmax(hr)AUC0-∞(pg・hr/mL)t1/2(hr)
2.583.15±0.824.25±1.5866.26±15.5414.21±4.93
586.51±2.763.00±0.93120.59±71.9014.03±7.44
(2)腹膜ふくまく透析とうせき患者かんじゃ(16れい)にナルフラフィン塩酸えんさんしお(カプセル)2.5または5μみゅーgを経口けいこうたんかい投与とうよしたとき変化へんかたい薬物やくぶつ動態どうたいパラメータは以下いかとおりであった。腹膜ふくまく透析とうせき方法ほうほう連続れんぞく携行けいこうしき腹膜ふくまく透析とうせき(CAPD)、持続じぞくてき周期しゅうきてき腹膜ふくまく透析とうせき(CCPD))、自動じどう腹膜ふくまく潅流装置そうち(APD)の有無うむおよ透析とうせきえき種類しゅるいにより、変化へんかたい薬物やくぶつ動態どうたいパラメータにあきらかな差異さいみとめられなかった。なお、ナルフラフィン塩酸えんさんしお(カプセル)5μみゅーg投与とうよぐんにおいて、ナルフラフィン塩酸えんさんしお(カプセル)投与とうよから初回しょかい透析とうせきえき交換こうかんまでの時間じかんが3あいだ規定きていされた5れいのうち1れいで、変化へんかたいのCmaxおよびAUC0-∞がそれぞれ5.37pg/mLおよび156.54pg・h/mLと低下ていかする傾向けいこうみとめられた2)。[7.3参照さんしょう
薬物やくぶつ動態どうたいパラメータ
投与とうよぐんμみゅーg)れいすうCmax(pg/mL)Tmax(hr)AUC0-∞(pg・hr/mL)t1/2(hr)
2.553.81±0.881.0092.67±23.4720.99±4.22
5118.28±3.002.00193.74±57.5224.77±3.23
(3)軽度けいど(Child-Pugh分類ぶんるいグレードA)の代償だいしょうせい肝硬変かんこうへん患者かんじゃ(12れい)にナルフラフィン塩酸えんさんしお(カプセル)2.5または5μみゅーgを経口けいこうたんかい投与とうよしたとき変化へんかたい薬物やくぶつ動態どうたいパラメータは以下いかとおりであった。健康けんこう成人せいじん男子だんし比較ひかくしてCmaxやAUCが上昇じょうしょうする傾向けいこうみとめられなかった3)
薬物やくぶつ動態どうたいパラメータ
投与とうよぐんμみゅーg)れいすうCmax(pg/mL)Tmax(hr)AUC0-∞(pg・hr/mL)t1/2(hr)
2.563.63±1.262.33±1.0334.58±13.555.37±2.11
566.76±2.031.50±0.5558.06±26.286.61±2.46
(4)中等ちゅうとう(Child-Pugh分類ぶんるいグレードB)の慢性まんせいきも疾患しっかん患者かんじゃべ30れい)にナルフラフィン塩酸えんさんしお(カプセル)2.5または5μみゅーgを経口けいこうたんかい投与とうよしたとき変化へんかたい薬物やくぶつ動態どうたいパラメータは以下いかとおりであった。軽度けいど(Child-Pugh分類ぶんるいグレードA)のかん障害しょうがい患者かんじゃ比較ひかくしてCmaxとAUCは上昇じょうしょうする傾向けいこうみとめられた4)。[9.3.2参照さんしょう
薬物やくぶつ動態どうたいパラメータ
投与とうよぐんμみゅーg)れいすうCmax(pg/mL)Tmax(hr)AUC0-∞(pg・hr/mL)t1/2(hr)
2.5166.36±2.621.81±1.52117.4±51.417.52±10.69
51411.71±4.451.50±1.02197.7±97.014.59±5.27
(5)重度じゅうど(Child-Pugh分類ぶんるいグレードC)のかん障害しょうがい患者かんじゃにおける薬物やくぶつ動態どうたい検討けんとうされていない5)。[8.19.3.1参照さんしょう
16.1.2 反復はんぷく投与とうよ
血液けつえき透析とうせき患者かんじゃ(14〜16れい)にナルフラフィン塩酸えんさんしお(カプセル)2.5または5μみゅーgを経口けいこう反復はんぷく投与とうよしたとき変化へんかたい薬物やくぶつ動態どうたいパラメータは以下いかとおりであった1)
薬物やくぶつ動態どうたいパラメータ
投与とうよぐんμみゅーg)れいすうCmax(pg/mL)Tmax(hr)AUC0-∞(pg・hr/mL)t1/2(hr)
2.575.70±3.854.14±1.35210.25±144.2825.33±10.52
5710.25±1.743.86±1.21358.86±179.2428.34±8.55
また、透析とうせきでは透析とうせき比較ひかくしt1/2短縮たんしゅくしており、透析とうせきおよ透析とうせきのt1/2はそれぞれ、5.11〜11.17(hr)、13.55〜64.37(hr)であった。
16.1.3 生物せいぶつがくてき同等どうとうせい試験しけん
ナルフラフィン塩酸えんさんしおODフィルム2.5μみゅーg「ニプロ」とレミッチカプセル2.5μみゅーgのそれぞれ1まいまたは1カプセル(ナルフラフィン塩酸えんさんしおとして2.5μみゅーg)を、クロスオーバーほうにより健康けんこう成人せいじん男子だんし絶食ぜっしょくたんかい経口けいこう投与とうよして血漿けっしょうちゅうナルフラフィン濃度のうど測定そくていした。られた薬物やくぶつ動態どうたいパラメータ(AUえーゆーC0→48hr、Cmax)について90%信頼しんらい区間くかんほうにて統計とうけい解析かいせきおこなった結果けっか、log(0.80)〜log(1.25)の範囲はんいないであり、両剤りょうざい生物せいぶつがくてき同等どうとうせい確認かくにんされた6)7)
薬物やくぶつ動態どうたいパラメータ(みずあり投与とうよ
 判定はんていパラメータ参考さんこうパラメータ
AUC0→48hr(pg・hr/mL)Cmax(pg/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
ナルフラフィン塩酸えんさんしおODフィルム2.5μみゅーg「ニプロ」28.904±5.6342.2638±0.48962.68±0.759.35±1.41
レミッチカプセル2.5μみゅーg28.060±5.0702.3160±0.49422.53±0.708.95±1.73
血漿けっしょうちゅうナルフラフィン濃度のうど推移すいいみずあり投与とうよ
薬物やくぶつ動態どうたいパラメータ(みずなし投与とうよ
 判定はんていパラメータ参考さんこうパラメータ
AUC0→48hr(pg・hr/mL)Cmax(pg/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)
ナルフラフィン塩酸えんさんしおODフィルム2.5μみゅーg「ニプロ」28.520±5.3152.1440±0.41592.83±0.869.35±1.98
レミッチカプセル2.5μみゅーg※※29.475±6.1682.4655±0.50252.28±1.029.38±1.85
血漿けっしょうちゅうナルフラフィン濃度のうど推移すいいみずなし投与とうよ
血漿けっしょうちゅう濃度のうどならびにAUC、Cmaxとうのパラメータは、被験者ひけんしゃ選択せんたく体液たいえき採取さいしゅ回数かいすう時間じかんとう試験しけん条件じょうけんによってことなる可能かのうせいがある。
16.2 吸収きゅうしゅう
16.2.1 食事しょくじ影響えいきょう
健康けんこう成人せいじん男子だんし(12れい)を対象たいしょうに、ナルフラフィン塩酸えんさんしお(カプセル)10μみゅーgを食後しょくご経口けいこうたんかい投与とうよしたときAUえーゆーC0-48hrおよびCmaxは空腹くうふく投与とうよ場合ばあいとほぼ同等どうとうであり、食事しょくじ影響えいきょうみとめられなかった8)
ちゅう1)通常つうじょう1かい投与とうよりょうは2.5μみゅーgである。
ちゅう2)開発かいはつ段階だんかい製剤せいざいでの試験しけん成績せいせきであるが、当該とうがい製剤せいざいはレミッチカプセルと溶出ようしゅつ挙動きょどう類似るいじせいから同等どうとうであるとかんがえられている9)
薬物やくぶつ動態どうたいパラメータにたいする食事しょくじ影響えいきょう
投与とうよ方法ほうほうCmax(pg/mL)Tmax(hr)AUC0-48hr(pg・hr/mL)t1/2(hr)
空腹くうふく投与とうよ12.67±3.953.1±1.1114.46±34.265.99±1.35
食後しょくご投与とうよ13.68±3.653.2±1.3126.03±38.105.90±1.10
16.3 分布ぶんぷ
16.3.1 ヒト血漿けっしょうタンパク結合けつごうりつは、73.3〜76.3%であり、性差せいさみとめられなかった10)in vitro)。
16.3.2 ラットに経口けいこうたんかい投与とうよしたのち全身ぜんしんオートラジオグラムおよ組織そしきちゅう放射能ほうしゃのう濃度のうど測定そくてい結果けっかから、投与とうよ15ふん食道しょくどう肝臓かんぞう消化しょうかかんおよびその内容ないようぶつたか放射能ほうしゃのう分布ぶんぷみとめられた。また、投与とうよ168あいだでは肝臓かんぞう腎臓じんぞう甲状腺こうじょうせんおよちょう内容ないようぶつ放射能ほうしゃのうみとめられた10)
16.4 代謝たいしゃ
16.4.1 in vitro試験しけん代謝たいしゃ
in vitro代謝たいしゃ評価ひょうかけいによる検討けんとうから、しゅ代謝たいしゃ酵素こうそはCYP3A4であった11)。[10.参照さんしょう
16.5 排泄はいせつ
16.5.1 健康けんこう成人せいじん男子だんし(6れい)を対象たいしょうに、トリチウムで標識ひょうしきしたナルフラフィン塩酸えんさんしお静脈じょうみゃくないたんかい投与とうよしたとき薬物やくぶつ動態どうたい検討けんとうしたところ、投与とうよ14日間にちかんでのくそちゅう排泄はいせつりつは56.0%、尿にょうちゅう排泄はいせつりつは36.2%で、累積るいせき排泄はいせつりつは92.2%となった。尿にょうちゅうではおも変化へんかたいとして、くそちゅうではおもだつシクロプロピルメチルたいとして排泄はいせつされた12)しゅ代謝たいしゃぶつだつシクロプロピルメチルたいであり、そのにグルクロンさん抱合ほうごうたいみとめられた(外国がいこくじんデータ)。
16.5.2 4しゅ透析とうせきまくもちいて透析とうせきによる除去じょきょについて検討けんとうしたところ、変化へんかたい透析とうせきまく面積めんせき1.5m2換算かんさんクリアランスは44.6〜61.8mL/minと算出さんしゅつされ、健康けんこう成人せいじん男子だんしにおける変化へんかたいじんクリアランス170〜210mL/minと比較ひかくするとちいさいものの、変化へんかたいまくしゅ関係かんけいなく透析とうせきにより除去じょきょされるものとかんがえられた。また、代謝たいしゃぶつだつシクロプロピルメチルからだおよびグルクロンさん抱合ほうごうたい)についてもまくしゅ関係かんけいなく除去じょきょされるものとかんがえられた10)
16.7 薬物やくぶつ相互そうご作用さよう
16.7.1 ケトコナゾール(経口けいこうざい国内こくない発売はつばい)との併用へいよう
健康けんこう成人せいじん男子だんし(22れい)を対象たいしょうに、ナルフラフィン塩酸えんさんしお液剤えきざい)10μみゅーgを単独たんどく経口けいこうたんかい投与とうよしたときとケトコナゾールを反復はんぷく投与とうよ併用へいようしたときAUえーゆーC0-∞はケトコナゾールを併用へいようすることにより160.5%となり、ケトコナゾールはナルフラフィン塩酸えんさんしお薬物やくぶつ動態どうたい影響えいきょうした13)外国がいこくじんデータ)。[10.2参照さんしょう
ちゅう通常つうじょう1かい投与とうよりょうは2.5μみゅーgである。
16.7.2 in vitro試験しけん代謝たいしゃ
ナルフラフィン塩酸えんさんしおのAUCにおよぼす影響えいきょうについてin vitro代謝たいしゃ評価ひょうかけいもちいて検討けんとうしたところ、そのAUCはケトコナゾール併用へいよう最大さいだい5.5ばい、ミデカマイシン併用へいよう最大さいだい2.5ばい、シクロスポリン併用へいよう最大さいだい2.3ばいとなる可能かのうせいしめされた14)。[10.2参照さんしょう
16.7.3 ヒトPとうタンパク(MDR1)発現はつげんLLC-PK1細胞さいぼうもちいたin vitro試験しけん
ナルフラフィン塩酸えんさんしおはPとうタンパクの基質きしつであるが、Pとうタンパクをかいしたジゴキシンの輸送ゆそう影響えいきょうおよぼさないことがしめされた10)一方いっぽう、ナルフラフィン塩酸えんさんしおのPとうタンパクをかいした輸送ゆそうはケトコナゾール、ベラパミル塩酸えんさんしお、シクロスポリン、タクロリムス、セチリジン塩酸えんさんしおにより阻害そがいされることがしめされた15)
16.7.4 吸収きゅうしゅうせい薬剤やくざいとのin vitro吸着きゅうちゃく試験しけん
ナルフラフィン塩酸えんさんしおこうリンしょう治療ちりょうざいであるセベラマー塩酸えんさんしおかげイオン交換こうかん樹脂じゅしけい薬剤やくざい)にたいする吸着きゅうちゃくりつは11.9〜14.7%16)こうカリウムしょう治療ちりょうざいであるポリスチレンスルホンさんナトリウム(イオン交換こうかん樹脂じゅしけい薬剤やくざい)にたいする吸着きゅうちゃくりつは62.4〜72.7%16)、ポリスチレンスルホンさんカルシウム(イオン交換こうかん樹脂じゅしけい薬剤やくざい)にたいする吸着きゅうちゃくりつは98.8〜98.9%17)であった。
16.8 その
16.8.1 血液けつえき透析とうせき影響えいきょう
ナルフラフィン塩酸えんさんしお(カプセル)投与とうよ血漿けっしょうちゅう濃度のうどたいする透析とうせき回数かいすうしゅう1,2,3かい)、透析とうせき時間じかん(2,4,6あいだ)、透析とうせき実施じっし時期じき午前ごぜん午後ごご夜間やかん)、投与とうよから透析とうせきまでの間隔かんかく(4,8,12あいだ)の影響えいきょうをシミュレーションにより検討けんとうした結果けっか投与とうよから透析とうせきまでの間隔かんかくが4時間じかん以内いない血液けつえき透析とうせきでは血漿けっしょうちゅう濃度のうど低下ていかする可能かのうせいがあるが、8時間じかん以上いじょう血液けつえき透析とうせきでは影響えいきょうはないとかんがえられた。その項目こうもくについては血漿けっしょうちゅう濃度のうど影響えいきょうはないとかんがえられた18)。[7.213.2参照さんしょう

17. 臨床りんしょう成績せいせき

17.1 有効ゆうこうせいおよ安全あんぜんせいかんする試験しけん
ナルフラフィン塩酸えんさんしお(カプセル)の成績せいせき以下いかしめす。
血液けつえき透析とうせき患者かんじゃにおけるそうようしょう改善かいぜん場合ばあい
17.1.1 国内こくないだいIIIしょう試験しけん
既存きそん治療ちりょう抵抗ていこうせいのそうようしょうゆうする血液けつえき透析とうせき患者かんじゃ337れい対象たいしょうに、1にち1かい、14日間にちかん経口けいこう反復はんぷく投与とうよしたさい有効ゆうこうせいを、かゆみの指標しひょうであるVAS(Visual Analogue Scale)をもちい、施設しせつじゅうめくらけん比較ひかく試験しけんにより検討けんとうした。その結果けっか投与とうよ前後ぜんこうでのVAS変化へんかりょうにおいて、2.5μみゅーgおよび5μみゅーg投与とうよぐん有効ゆうこうせい確認かくにんされた19)20)
2.5μみゅーg投与とうよ臨床りんしょう成績せいせき
 れいすう平均へいきんVAS±標準ひょうじゅん偏差へんさきょう分散ぶんさん分析ぶんせき片側かたがわ2.5%検定けんてい
投与とうよまえ(mm)投与とうよ(mm)プラセボぐんとの(mm)
[95%信頼しんらい区間くかん
p
プラセボぐん11173.78±11.4758.55±22.069.13[3.78,14.49]p=0.0005
2.5μみゅーg投与とうよぐん11276.71±11.7952.19±23.71
5μみゅーg投与とうよ臨床りんしょう成績せいせき
 れいすう平均へいきんVAS±標準ひょうじゅん偏差へんさきょう分散ぶんさん分析ぶんせき片側かたがわ2.5%検定けんてい
投与とうよまえ(mm)投与とうよ(mm)プラセボぐんとの(mm)
[95%信頼しんらい区間くかん
p
プラセボぐん11173.78±11.4758.55±22.068.26[3.05,13.47]p=0.0010
5μみゅーg投与とうよぐん11473.03±11.5449.63±22.30
投与とうよまえ平均へいきんVASきょう変量へんりょうとしたきょう分散ぶんさん分析ぶんせきにより調整ちょうせいみのてん推定すいてい
副作用ふくさよう発現はつげんりつは、2.5μみゅーgぐんで25.0%(28/112れい)、5μみゅーgぐんで35.1%(40/114れい)であった。おも副作用ふくさようは、2.5μみゅーgぐん不眠ふみん7.1%(8/112れい)、眠気ねむけ4.5%(5/112れい)、便秘べんぴおよびプロラクチン上昇じょうしょう2.7%(3/112れい)、5μみゅーgぐん不眠ふみん14.0%(16/114れい)、便秘べんぴ7.0%(8/114れい)、眠気ねむけ3.5%(4/114れい)、そうよう悪化あっか、プロラクチン上昇じょうしょうおよ甲状腺こうじょうせん刺激しげきホルモン上昇じょうしょう2.6%(3/114れい)であった。
17.1.2 国内こくないだいIIIしょう試験しけん長期ちょうき投与とうよ試験しけん
既存きそん治療ちりょう抵抗ていこうせいのそうようしょうゆうする血液けつえき透析とうせき患者かんじゃ211れい対象たいしょうに、1にち1かい、ナルフラフィン塩酸えんさんしお5μみゅーgを52週間しゅうかん経口けいこう反復はんぷく投与とうよしたさい有効ゆうこうせいを、VASをもちい、オープン試験しけんにより検討けんとうした。その結果けっか投与とうよ前後ぜんこうでのVAS変化へんかりょうにおいて、有効ゆうこうせい確認かくにんされた21)
長期ちょうき投与とうよ臨床りんしょう成績せいせき
 投与とうよまえ2しゅう4しゅう12しゅう24しゅう36しゅう52しゅう
れいすう211208198184163155145
平均へいきんVAS±標準ひょうじゅん偏差へんさ(mm)75.22±12.4150.95±24.3847.17±25.3239.39±25.8333.60±27.7331.85±24.9130.87±25.92
ナルフラフィン塩酸えんさんしお依存いぞんせいについて、精神せいしん依存いぞんおよ身体しんたい依存いぞんしめ症例しょうれいみとめられなかった。またたいせいが211れいちゅう5れいみとめられている21)
副作用ふくさよう発現はつげんりつは、48.8%(103/211れい)であった。おも副作用ふくさようは、不眠症ふみんしょう19.4%(41/211れい)、便秘べんぴ7.1%(15/211れい)、プロラクチン上昇じょうしょう3.3%(7/211れい)、眠気ねむけ2.4%(5/211れい)であった。
腹膜ふくまく透析とうせき患者かんじゃにおけるそうようしょう改善かいぜん場合ばあい
17.1.3 国内こくないだいIIIしょう試験しけん
既存きそん治療ちりょう抵抗ていこうせいのそうようしょうゆうする腹膜ふくまく透析とうせき患者かんじゃ37れい対象たいしょうに、ナルフラフィン塩酸えんさんしお2.5μみゅーgを2週間しゅうかんつづいて5μみゅーgを2週間しゅうかん経口けいこう反復はんぷく投与とうよしたさい有効ゆうこうせいを、かゆみの指標しひょうであるVASをもちい、めくらけん対照たいしょう試験しけんにより検討けんとうした。その結果けっか、2.5μみゅーg投与とうよ期間きかん2しゅう(LOCF)における投与とうよ前後ぜんこうでのVAS変化へんかりょう平均へいきんは24.93mm(90%信頼しんらい区間くかん:18.67,31.19mm)であり、90%信頼しんらい区間くかん下限かげんは、事前じぜん設定せっていされたVAS変化へんかりょうの閾値(15.24mm)を上回うわまわった22)
※LOCF:Last Observation Carried Forward
副作用ふくさよう発現はつげんりつは、45.9%(17/37れい)であった。おも副作用ふくさようは、不眠ふみんおよびプロラクチン上昇じょうしょう13.5%(5/37れい)、眠気ねむけおよびテストステロン低下ていか8.1%(3/37れい)、嘔吐おうと5.4%(2/37れい)であった。
慢性まんせいきも疾患しっかん患者かんじゃにおけるそうようしょう改善かいぜん場合ばあい
17.1.4 国内こくないだいIIIしょう試験しけん
こうヒスタミンやくまたこうアレルギーやくによる治療ちりょう奏効そうこうしない難治なんじせいのそうようしょうゆうする慢性まんせいきも疾患しっかん患者かんじゃ317れい対象たいしょうに、1にち1かい、12週間しゅうかん経口けいこう反復はんぷく投与とうよしたさい有効ゆうこうせいを、かゆみの指標しひょうであるVASをもちい、施設しせつじゅうめくらけん比較ひかく試験しけんにより検討けんとうした。主要しゅよう評価ひょうか項目こうもくは、投与とうよ期間きかん4しゅう(LOCF)のVAS変化へんかりょうとした。その結果けっか投与とうよ前後ぜんこうでのVAS変化へんかりょうにおいて、2.5μみゅーgおよび5μみゅーg投与とうよぐん有効ゆうこうせい確認かくにんされた23)24)
はら疾患しっかん確定かくていしており、肝臓かんぞう炎症えんしょうが6ヵ月かげつ以上いじょう持続じぞくしているまた画像がぞう診断しんだんにより肝炎かんえんからさらに病態びょうたい進展しんてんした状態じょうたいにあると判断はんだんされたかん疾患しっかん患者かんじゃ
2.5μみゅーg投与とうよ臨床りんしょう成績せいせき
 れいすう平均へいきんVAS±標準ひょうじゅん偏差へんさきょう分散ぶんさん分析ぶんせき片側かたがわ2.5%検定けんてい
投与とうよまえ(mm)投与とうよ(mm)プラセボぐんとの※※(mm)
[95%信頼しんらい区間くかん
p
プラセボぐん10377.26±10.5058.02±24.119.31[2.94,15.69]p=0.0022
2.5μみゅーg投与とうよぐん10577.30±11.0448.74±25.27
5μみゅーg投与とうよ臨床りんしょう成績せいせき
 れいすう平均へいきんVAS±標準ひょうじゅん偏差へんさきょう分散ぶんさん分析ぶんせき片側かたがわ2.5%検定けんてい
投与とうよまえ(mm)投与とうよ(mm)プラセボぐんとの※※(mm)
[95%信頼しんらい区間くかん
p
プラセボぐん10377.26±10.5058.02±24.118.22※※※[1.88,14.55]p=0.0056
5μみゅーg投与とうよぐん10977.29±11.0749.79±25.50※※※
※※投与とうよまえ平均へいきんVASきょう変量へんりょうとしたきょう分散ぶんさん分析ぶんせきにより調整ちょうせいみのてん推定すいてい
※※※108れい
副作用ふくさよう発現はつげんりつは、2.5μみゅーgぐんで60.0%(63/105れい)、5μみゅーgぐんで54.1%(59/109れい)であった。おも副作用ふくさようは、2.5μみゅーgぐんでプロラクチン上昇じょうしょう13.3%(14/105れい)、こう利尿りにょうホルモン上昇じょうしょうおよそう胆汁たんじゅうさん上昇じょうしょう7.6%(8/105れい)、甲状腺こうじょうせん刺激しげきホルモン上昇じょうしょう6.7%(7/105れい)、不眠症ふみんしょうしき尿にょう夜間やかんしき尿にょうおよ眠気ねむけ5.7%(6/105れい)、5μみゅーgぐんで、しき尿にょう夜間やかんしき尿にょう便秘べんぴ眠気ねむけ、プロラクチン上昇じょうしょうおよこう利尿りにょうホルモン上昇じょうしょう7.3%(8/109れい)、浮動ふどうせいめまい5.5%(6/109れい)であった。
17.1.5 国内こくないだいIIIしょう試験しけん長期ちょうき投与とうよ試験しけん
こうヒスタミンやくまたこうアレルギーやくによる治療ちりょう奏効そうこうしない難治なんじせいのそうようしょうゆうする慢性まんせいきも疾患しっかん患者かんじゃ122れい対象たいしょうに、1にち1かい、ナルフラフィン塩酸えんさんしお5μみゅーgを52週間しゅうかん経口けいこう反復はんぷく投与とうよしたさい有効ゆうこうせいを、VASをもちい、オープン試験しけんにより検討けんとうした。その結果けっか投与とうよ前後ぜんこうでのVAS変化へんかりょうにおいて有効ゆうこうせい確認かくにんされた25)
はら疾患しっかん確定かくていしており、肝臓かんぞう炎症えんしょうが6ヵ月かげつ以上いじょう持続じぞくしているまた画像がぞう診断しんだんにより肝炎かんえんからさらに病態びょうたい進展しんてんした状態じょうたいにあると判断はんだんされたかん疾患しっかん患者かんじゃ
長期ちょうき投与とうよ臨床りんしょう成績せいせき
 投与とうよまえ2しゅう4しゅう12しゅう24しゅう36しゅう52しゅう
れいすう12212212111611010399
平均へいきんVAS±標準ひょうじゅん偏差へんさ(mm)78.05±11.7356.70±24.5750.09±26.9442.88±28.6137.67±27.2331.31±25.4327.77±24.73
ナルフラフィン塩酸えんさんしお依存いぞんせいについて、精神せいしん依存いぞんしめ症例しょうれいみとめられなかった。また、122れいちゅう身体しんたい依存いぞんが1れいたいせいが4れいみとめられている25)
副作用ふくさよう発現はつげんりつは、75.4%(92/122れい)であった。おも副作用ふくさようは、しき尿にょう夜間やかんしき尿にょう13.1%(16/122れい)、プロラクチン上昇じょうしょう11.5%(14/122れい)、便秘べんぴ10.7%(13/122れい)、浮動ふどうせいめまい7.4%(9/122れい)、こう利尿りにょうホルモン上昇じょうしょう6.6%(8/122れい)、そう胆汁たんじゅうさん上昇じょうしょう5.7%(7/122れい)であった。

18. 薬効やっこう薬理やくり

18.1 作用さようじょ
ヒトオピオイド受容じゅようたい発現はつげん細胞さいぼうもちいたin vitro受容じゅようたい結合けつごう試験しけんおよ受容じゅようたい作動さどうせい試験しけん結果けっかから、選択せんたくてきなオピオイドκかっぱ受容じゅようたい作動さどうやくであることがしめされている26)
ヒトオピオイド受容じゅようたい結合けつごう試験しけんおよ作動さどうせい試験しけん成績せいせき
試験しけん項目こうもくκかっぱμみゅーδでるたκかっぱμみゅーδでるた
結合けつごう試験しけん
Ki(nmol/L)
0.244±0.02562.21±0.214484±59.61:9:1984
作動さどうせい試験しけん
EC50(nmol/L)
0.00816±0.001381.66±0.0921.3±1.01:203:2610
また、in vitro試験しけんにおいて、ヒスタミン受容じゅようたいふくむオピオイド受容じゅようたい以外いがい種々しゅじゅ受容じゅようたい、トランスポーターおよびイオンチャネルに結合けつごうせず、肥満ひまん細胞さいぼうからのだつ顆粒かりゅう反応はんのうたいしても抑制よくせい作用さようしめさなかった26)27)。さらにサブスタンスPかわない投与とうよ誘発ゆうはつマウス行動こうどう抑制よくせい作用さようは、オピオイドκかっぱ受容じゅようたい拮抗きっこうやくであるノルビナルトルフィミン(nor-BNI)ののう室内しつない投与とうよにより完全かんぜん拮抗きっこうされた28)
18.2 そうようたいする作用さよう
既存きそんとめかゆやくであるこうヒスタミンやく有効ゆうこうなヒスタミンかわない投与とうよ誘発ゆうはつマウス行動こうどうおよこうヒスタミンやくがたいサブスタンスPかわない投与とうよ誘発ゆうはつマウス行動こうどう抑制よくせいした29)。また、こうヒスタミンやく無効むこう中枢ちゅうすうせいのかゆみモデルであるモルヒネだいふねない投与とうよ誘発ゆうはつマウス行動こうどう抑制よくせいした28)
18.3 依存いぞんせい
ラット退すさくすり症候しょうこう観察かんさつ10)においてモルヒネでみとめられた退すさくすり症候しょうこうをほとんどしめさなかったことから、ほんくすり身体しんたい依存いぞんせいよわく、サル自己じこ投与とうよ試験しけん10)において強化きょうか効果こうかみとめられなかったことから、精神せいしん依存いぞんせいはないとかんがえられている。

19. 有効ゆうこう成分せいぶんかんする理化学りかがくてき知見ちけん

19.1. ナルフラフィン塩酸えんさんしお

一般いっぱんてき名称めいしょう ナルフラフィン塩酸えんさんしお
一般いっぱんてき名称めいしょうおうめい Nalfurafine Hydrochloride
化学かがくめい (2E)-N-[(5R,6R)-17-(Cyclopropylmethyl)-4,5-epoxy-3,14-dihydroxymorphinan-6-yl]-3-(furan-3-yl)-N-methylprop-2-enamide monohydrochloride
分子ぶんししき C28H32N2O5・HCl
分子ぶんしりょう 513.03
物理ぶつり化学かがくてき性状せいじょう 白色はくしょく〜ごくうすい黄色おうしょく粉末ふんまつである。
KEGG DRUG D06405

22. 包装ほうそう

14まい、140まい

23. 主要しゅよう文献ぶんけん

  1. 血液けつえき透析とうせき患者かんじゃにおける薬物やくぶつ動態どうたい検討けんとう(レミッチカプセル:2009ねん1がつ21にち承認しょうにん、CTD2.7.6)
  2. 腹膜ふくまく透析とうせき患者かんじゃにおける薬物やくぶつ動態どうたい検討けんとう(レミッチカプセル・ODじょう、ノピコールカプセル:2017ねん9がつ22にち承認しょうにん審査しんさ報告ほうこくしょ
  3. 代償だいしょうせい肝硬変かんこうへん患者かんじゃにおける薬物やくぶつ動態どうたい検討けんとう(ノピコールカプセル:2014ねん12月26にち承認しょうにん、CTD2.7.6.7)
  4. Child-Pugh分類ぶんるいグレードBの肝硬変かんこうへん患者かんじゃにおける薬物やくぶつ動態どうたい検討けんとう(ノピコールカプセル:2014ねん12月26にち承認しょうにん、CTD2.7.6.8)
  5. 中等ちゅうとう以上いじょうかん機能きのう障害しょうがい患者かんじゃたいするほんざい投与とうよについて(ノピコールカプセル:2014ねん12月26にち承認しょうにん審査しんさ報告ほうこくしょ
  6. 社内しゃない資料しりょう生物せいぶつがくてき同等どうとうせい試験しけんみずあり)
  7. 社内しゃない資料しりょう生物せいぶつがくてき同等どうとうせい試験しけんみずなし)
  8. 健康けんこう成人せいじんにおける食事しょくじ影響えいきょう検討けんとう(レミッチカプセル:2009ねん1がつ21にち承認しょうにん、CTD2.7.6)
  9. 健康けんこう成人せいじんにおける食事しょくじ影響えいきょう検討けんとう(レミッチカプセル:2009ねん1がつ21にち承認しょうにん審査しんさ報告ほうこくしょ
  10. 中尾なかおかおる , 日本にっぽん薬理やくりがく雑誌ざっし, 135 (5), 205-214, (2010) »PubMed
  11. Ando,A.et al., Biopharm.Drug Dispos., 33 (5), 257-264, (2012) »PubMed
  12. 健康けんこう成人せいじんにおける吸収きゅうしゅう代謝たいしゃ排泄はいせつ検討けんとう(レミッチカプセル:2009ねん1がつ21にち承認しょうにん、CTD2.7.6)
  13. 健康けんこう成人せいじんにおける薬物やくぶつ相互そうご作用さよう検討けんとう(レミッチカプセル:2009ねん1がつ21にち承認しょうにん、CTD2.7.6), (L20200002)
  14. 薬物やくぶつ相互そうご作用さよう検討けんとう(レミッチカプセル:2009ねん1がつ21にち承認しょうにん、CTD2.6.4.7), (L20201666)
  15. ヒトPとうタンパク(MDR1)発現はつげんLLC-PK1細胞さいぼうもちいたin vitro試験しけん(ノピコールカプセル:2014ねん12月26にち承認しょうにん、CTD2.6.4.7), (L20201667)
  16. 吸収きゅうしゅうせい薬剤やくざい吸着きゅうちゃくざい)との薬物やくぶつ相互そうご作用さよう検討けんとう(ノピコールカプセル:2014ねん12月26にち承認しょうにん、CTD2.6.4.7)
  17. 吸収きゅうしゅうせい薬剤やくざい吸着きゅうちゃくざい)との薬物やくぶつ相互そうご作用さよう検討けんとう(2)(レミッチカプセル・ODじょう、ノピコールカプセル:2017ねん9がつ22にち承認しょうにん審査しんさ報告ほうこくしょ
  18. 血液けつえき透析とうせき影響えいきょう(レミッチカプセル:2009ねん1がつ21にち承認しょうにん審査しんさ報告ほうこくしょ
  19. 血液けつえき透析とうせき患者かんじゃにおけるそうようしょうたいする効果こうか検討けんとう検証けんしょうてき試験しけん)(レミッチカプセル:2009ねん1がつ21にち承認しょうにん、CTD2.7.6)
  20. 血液けつえき透析とうせき患者かんじゃにおけるそうようしょうたいする効果こうか検討けんとう検証けんしょうてき試験しけん)(レミッチカプセル:2009ねん1がつ21にち承認しょうにん審査しんさ報告ほうこくしょ
  21. 血液けつえき透析とうせき患者かんじゃにおけるそうようしょうたいする効果こうか検討けんとう長期ちょうき投与とうよ試験しけん)(レミッチカプセル:2009ねん1がつ21にち承認しょうにん、CTD2.7.6)
  22. 腹膜ふくまく透析とうせき患者かんじゃにおけるそうようしょうたいする効果こうか検討けんとう一般いっぱん臨床りんしょう試験しけん)(レミッチカプセル・ODじょう、ノピコールカプセル:2017ねん9がつ22にち承認しょうにん審査しんさ報告ほうこくしょ
  23. 慢性まんせいきも疾患しっかん患者かんじゃにおけるそうようしょうたいする効果こうか検討けんとう検証けんしょうてき試験しけん)(ノピコールカプセル:2014ねん12月26にち承認しょうにん、CTD2.7.6.13)
  24. 慢性まんせいきも疾患しっかん患者かんじゃにおけるそうようしょうたいする効果こうか検討けんとう検証けんしょうてき試験しけん)(ノピコールカプセル:2014ねん12月26にち承認しょうにん審査しんさ報告ほうこくしょ
  25. 慢性まんせいきも疾患しっかん患者かんじゃにおけるそうようしょうたいする効果こうか検討けんとう長期ちょうき投与とうよ試験しけん)(ノピコールカプセル:2014ねん12月26にち承認しょうにん、CTD2.7.6.14)
  26. 中尾なかおかおる , 日本にっぽん神経しんけい精神せいしん薬理やくりがく雑誌ざっし, 28 (2), 75-83, (2008) »PubMed
  27. 各種かくしゅ受容じゅようたい、トランスポーターおよびイオンチャンネルにたいする結合けつごう試験しけん(ノピコールカプセル:2014ねん12月26にち承認しょうにん、CTD2.6.2.2)
  28. Umeuchi,H.et al., Eur.J.Pharmacol., 477 (1), 29-35, (2003) »PubMed
  29. Togashi,Y.et al., Eur.J.Pharmacol., 435 (2-3), 259-264, (2002) »PubMed

24. 文献ぶんけん請求せいきゅうさきおよわせさき

文献ぶんけん請求せいきゅうさき
ニプロ株式会社かぶしきがいしゃ 医薬品いやくひん情報じょうほうしつ
〒566-8510 大阪おおさか摂津せっつ千里丘せんりおか新町しんまち3ばん26ごう
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FAX:050-3535-8939
製品せいひん情報じょうほうわせさき
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26. 製造せいぞう販売はんばい業者ぎょうしゃとう

26.1 製造せいぞう販売元はんばいもと
ニプロ株式会社かぶしきがいしゃ
大阪おおさか摂津せっつ千里丘せんりおか新町しんまち3ばん26ごう

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