インターメスティックは「Zoff」を展開てんかいし、メガネの企画きかくから製造せいぞう、販売はんばいまでを一貫いっかんして行おこなう製造せいぞう小売こうり業ぎょうです。2001年ねんの創業そうぎょう以降いこう、大手おおてメガネチェーンが「１本ほん3～4万まん円えん」でメガネを販売はんばいしていた時代じだいに、同社どうしゃは「セットレンズ付つきで１万まん円えん以下いか」という価格かかく設定せっていで市場いちばを開拓かいたくして急きゅう成長せいちょうを遂とげました。現在げんざい、ショッピングモールやファッションビルを中心ちゅうしんに国内こくないに約やく290店舗てんぽ、海外かいがいに約やく30店舗てんぽを展開てんかいし、幅広はばひろいユーザーから支持しじを集あつめています。

インターメスティックは、2020年ねん2月がつにZoffのLINE公式こうしきアカウントを開設かいせつしました。同社どうしゃでデジタルマーケティングを担当たんとうする井戸いど氏しは「LINEは『マーケティングの効率こうりつ化か』と『顧客こきゃく体験たいけんの向上こうじょう』を行おこなう上うえで、最適さいてきなツールである」と話はなします。

「LINE公式こうしきアカウントの開設かいせつ以前いぜんから、セール情報じょうほうや誕生たんじょう月がつクーポンなどをメールで配信はいしんしていましたが、利用りよう者しゃの年齢ねんれいによってはリーチが不十分ふじゅうぶんだと感かんじていました。LINEは若年じゃくねん層そうの利用りよう者しゃも多おおいため、メッセージ配信はいしんによってこれまでリーチできなかった層そうにも情報じょうほうを届とどけることができます。

また、さまざまなコンテンツをLINE公式こうしきアカウントに集約しゅうやくすることで、顧客こきゃく体験たいけんの向上こうじょうを図はかれます。例たとえば、『商品しょうひん検索けんさく』や『バーチャル試ためし着ぎ』など買かい物ものがより便利べんりになるコンテンツや、各種かくしゅSNSやキャンペーンサイトなどユーザーにいま知しってほしいコンテンツを切きり替かえ式しきのリッチメニューでまとめることで、アクセスを促うながす仕組しくみです」

さらに、同社どうしゃは2023年ねん2月がつにLINE上じょうでさまざまなサービスを提供ていきょうできるLINEミニアプリを導入どうにゅうしました。

これにより、お客様きゃくさまが店舗てんぽで商品しょうひんを購入こうにゅうする際さいの視力しりょく測定そくていや会計かいけい待まちなどの各種かくしゅ通知つうちをLINE上じょうで簡単かんたんにメッセージ配信はいしんできるようになり、店舗てんぽ側がわの業務ぎょうむ効率こうりつが向上こうじょうするとともに、ユーザーにとってはストレスのない購買こうばい体験たいけんを提供ていきょうしています。

「メガネの購入こうにゅう時じには視力しりょく測定そくていやフィッティングが欠かかせないため、店舗てんぽの混雑こんざつ状じょう況きょうによってはお客様きゃくさまに順番じゅんばん待まちをしていただくことがあります。待まち時間じかんが長ながい場合ばあいは、一旦いったん店舗てんぽを離はなれるお客様きゃくさまも多おおく、『視力しりょく測定そくていの準備じゅんびができました』『お会計かいけいの準備じゅんびができました』といった通知つうちを『LINEミニアプリ お知しらせ』というLINE公式こうしきアカウントからお送おくりしています。

LINEミニアプリの導入どうにゅう前まえは、（商品しょうひんの）完成かんせい通知つうちのみZoffのLINE公式こうしきアカウントからお客様きゃくさま1人にんひとりにメッセージ配信はいしんしていました。しかし、配信はいしんにかかるコストや手間てまがかさんできたため、現在げんざいのLINEミニアプリを使つかった運用うんようへと切きり替かえました」

現在げんざい、店舗てんぽでLINEを活用かつようするにあたって、下記かきのうち視力しりょく測定そくてい、会計かいけい待まち、商品しょうひんの完成かんせい通知つうちが、先述せんじゅつした「LINEミニアプリ お知しらせ」のLINE公式こうしきアカウントから配信はいしんされます。

「LINEを導入どうにゅうする以前いぜんは、各かくステップの順番じゅんばん待まちで一旦いったん店舗てんぽを離はなれたお客様きゃくさまに連絡れんらくする際さい、主おもに電話でんわを使つかっていました。しかし、通つうじないときは数すう回かいかけ直なおさなければならず、それが大おおきな業務ぎょうむ負担ふたんとなっていたのです。

いまではLINEミニアプリの管理かんり用ようタブレットを数すう回かいタッチするだけで各種かくしゅ通知つうちをクイックにメッセージ配信はいしんすることができ、店舗てんぽのスタッフからも『負担ふたんが減へった』と好評こうひょうです」

店頭てんとうでLINEのサービスを自然しぜんに訴求そきゅうするオペレーションが根付ねつき、「直近ちょっきん1年ねんでLINE公式こうしきアカウントの友ともだちが昨さく対比たいひ130%に増加ぞうかし、その大半たいはんを店頭てんとうで集あつめている」と井戸いど氏しは手応てごたえを語かたります。

「特殊とくしゅなレンズを取とり寄よせる場合ばあいは、商品しょうひんの完成かんせいまで１週間しゅうかんほどお時間じかんをいただくケースもあります。そこで『完成かんせい通知つうちも後日ごじつLINEで行おこないます』と伝つたえれば、お客様きゃくさまにもLINE公式こうしきアカウントを友ともだち追加ついかする必要ひつよう性せいを感かんじていただけます。

また、友ともだち追加ついかいただいた後のちにID連携れんけいすれば、限定げんていクーポンの受うけ取とりや、購入こうにゅうしたメガネの保証ほしょう内容ないようをLINE上じょうで簡単かんたんに確認かくにんできるなど、LINEでつながるメリットがさらに大おおきくなることをお伝つたえするようにしています」

また、ZoffのLINE公式こうしきアカウントからは月つきに１～２回かい程度ていど、各種かくしゅセールやキャンペーン情報じょうほうのほか、LINEミニアプリの利用りようにあたって提供ていきょうする情報じょうほうに基もとづき（※）、誕生たんじょう月がつクーポンを配信はいしんしています。

「メガネは購入こうにゅう頻度ひんどがそう高たかくない商品しょうひんですが、普段ふだんからLINEでお客様きゃくさまとの関係かんけい性せいを構築こうちくしておけば、いざ必要ひつようになったときに「Zoffに行いってみよう」とブランドを想起そうきしてもらえます。実際じっさい、メッセージ配信はいしんをすると友ともだち追加ついかしたユーザーのアクションを喚起かんきできるので、来店らいてんしない間あいだもお客様きゃくさまと接点せってんを持もち続つづけ、着実ちゃくじつに売上うりあげをつくれるのがLINEの強つよみだと実感じっかんしています」

井戸いど氏しの言葉ことば通どおり、LINE公式こうしきアカウントで配信はいしんするメッセージの開封かいふう率りつはメールの約やく1.5倍ばい程度ていどになり、「ほかの媒体ばいたいと比くらべても、費用ひよう対たい効果こうかはかなり優秀ゆうしゅう」とLINEヤフーの法人ほうじん向むけサービスの有用ゆうよう性せいを評価ひょうかします。

「仮かりに配信はいしん内容ないようにさほど興味きょうみを持もたれなかったとしても、トーク画面がめん下か部分ぶぶんにあるリッチメニューからオンラインストアに遷移せんいし、後日ごじつ売上うりあげにつながる可能かのう性せいもあります。そうしたインパクトも加味かみすると、かつては社内しゃないで『ネイティブアプリの開発かいはつを』という話はなしもありましたが、マーケティングと顧客こきゃく体験たいけんを強化きょうかする上じょうでLINE公式こうしきアカウントはもちろん、アプリのダウンロードという最初さいしょのハードルをクリアできるLINEミニアプリを選択せんたくして正解せいかいだったと考かんがえています」

LINE公式こうしきアカウントの運用うんようから約やく３年ねん半はんが経過けいかして、530万まん人にんを超こえる幅広はばひろい年代ねんだいのユーザーを友ともだちとして集客しゅうきゃくし、そのブロック率りつは15％と高たかい効果こうかを上あげています（2023年ねん11月がつ現在げんざい）。井戸いど氏しは、「今後こんごも店頭てんとう中心ちゅうしんに新規しんきの友ともだち集客しゅうきゃくを目指めざす」と意気込いきごみます。

「よりシームレスな購買こうばい体験たいけんを提供ていきょうできるよう、店舗てんぽシステムの改良かいりょうを試験しけん的てきに行おこなっていきます。

例たとえば、商品しょうひん購入こうにゅうの受付うけつけは店舗てんぽスタッフがお客様きゃくさまのLINEミニアプリ上じょうで表示ひょうじされるデジタル会員かいいん証しょうのQRコードを読よみ込こんでいるのですが、それにより順番じゅんばん待まち状況じょうきょうをすぐに把握はあくできるようにすれば、お客様きゃくさまにより丁寧ていねいなご案内あんないができるようになります。

これが実現じつげんすれば、お客様きゃくさまは待まち時間じかんをもっと有効ゆうこう活用かつようできるようになりますし、店舗てんぽ側がわとしても業務ぎょうむの効率こうりつ化かが期待きたいできます」

さらに、マーケティングの効率こうりつ化かには「さらなるID連携れんけいへの注力ちゅうりょくを考かんがえている」といいます。

「ID連携れんけい率りつが高たかい店舗てんぽほどリピート購入こうにゅう率りつが高たかいというデータがはっきり出でているので、 今後こんごもID連携れんけいを一層いっそう推おし進すすめて、顧客こきゃくデータを有効ゆうこう活用かつようしていきたいです。いまは年齢ねんれいや性別せいべつといった属性ぞくせいデータの活用かつようにとどまっているので、今後こんごは1人ひとりひとりの購買こうばい履歴りれきに基もとづくレコメンドや、Zoffオンラインストアのカゴ落おち防止ぼうしなど、メッセージ配信はいしんを自動じどう化かできるように整備せいびを進すすめます。

店舗てんぽのスタッフと連携れんけいしながら顧客こきゃく体験たいけんとマーケティングをどちらも強化きょうかして、高品たかしな質ただし・適正てきせい価格かかくのメガネをより多おおくのお客様きゃくさまに届とどけていきます」

（公開こうかい：2023年ねん12月、取材しゅざい・文ぶん／相澤あいざわ良晃よしあき、写真しゃしん／中村なかむら宗徳むねのり）

※本ほん記事きじ内ないの数値すうちや画像がぞう、役職やくしょくなどの情報じょうほうはすべて取材しゅざい時点じてんのものです
※本ほん記事きじ内ないの実績じっせきは取材しゅざい先さき調しらべによる数値すうちです