投資情報会社・フィスコが7月15日~7月19日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は底堅い値動きか。米インフレ指標の鈍化が示され、米早期利下げ観測からドルに下押し圧力がかかりやすい。ただ、日本の為替介入が警戒されても、中長期的な円安トレンドは続く可能性がある。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は7月9-10日の議会証言で、引き締め的な現行の金融政策を維持する考えを改めて示した。ただ、踏み込んだ発言は聞かれず、従来通りの政策姿勢にとどまった。
その後発表された米消費者物価指数(CPI)は市場予想を下回り、長期にわたるインフレは沈静化。市場は9月以降に年内2回の利下げを織り込み始め、目先は米金利安・ドル安に振れやすい展開となりそうだ。一方、米CPI発表直後の円急伸で、日本の為替介入が警戒されやすい。ドル円の水準は161円台から一時157円台に下落したが、日本銀行の金融政策はすでに織り込まれ、円買いにはなりにくい。米インフレ指標は鈍化を示しているものの、バイデン米大統領の進退問題がトランプ前大統領再登板の思惑につながり、インフレ再燃の見方からドルは下げづらい。日本株高を受けた円安もドルを支えるだろう。
【米・6月小売売上高】(16日発表予定)
16日発表の米6月小売売上高は前回の前月比0.1%から改善するか注目される。個人消費の強さが顕著になれば引き締め継続の思惑からドル買いに振れやすい。
【日・6月CPIコア指数】(19日発表予定)
19日発表の6月CPIコア指数は、前回の前年比+2.5%から伸びが加速すれば日本銀行の追加利上げ期待につながり、円買い材料となりそうだ。