《豪雨ごううで浸水しんすい、地震じしん…》地下鉄ちかてつや地下街ちかがいで災害さいがいに遭あったらどう動うごくべきか？　「人ひとが少すくない避難ひなん経路けいろへ」「勝手かってに列車れっしゃ外がいに出でると感電かんでんする恐おそれも」専門せんもん家かが指摘してきする注意ちゅうい点てん

　防火ぼうか性せいや耐火たいか性せいが高たかく、地震じしんが起おきても地上ちじょうより揺ゆれが小ちいさい──海外かいがいでは地下ちかシェルターが一般いっぱん化かする国くにも少すくなくなく、「有事ゆうじの際さいにも地下ちかは安全あんぜん」と思おもわれてきた。しかし、果はたして本当ほんとうにそうだろうか。ここ最近さいきん、相次あいつぐ集中しゅうちゅう豪雨ごううと巨大きょだい地震じしんは、地下ちかの「安全あんぜん神話しんわ」を揺ゆるがしている。災害さいがい危機きき管理かんりアドバイザーの和田わだ隆昌りゅうしょうさんはこう話はなす。

「自然しぜん災害さいがい時じの地下鉄ちかてつや地下街ちかがいを管理かんりする予算よさんの規模きぼは自治体じちたいによって異ことなりますが、被害ひがいが起おきてから対策たいさくを講こうじる自治体じちたいがほとんどで、予算よさんの少すくない地方ちほう都市としほど災害さいがいリスクが高たかい。

　地震じしんについても『地下ちかは安全あんぜん』とされてきましたが、揺ゆれだけでなくそれに伴ともなう火災かさいや停電ていでんなどさまざまな危険きけんがあることを考かんがえれば、地震じしん発生はっせい時じに対応たいおうを誤あやまると地下ちかは一気いっきに危険きけんな空間くうかんになり、命いのちを落おとす可能かのう性せいが大おおきくなります」

　もし地下鉄ちかてつや地下街ちかがいにいる際さいに災害さいがいが起おきた場合ばあい、どう行動こうどうすればよいのか。

　安全あんぜんを確認かくにんしたらなるべく早はやく地上ちじょうに出でることが先決せんけつ。ただしパニックになると危険きけんが増ますので、乗務じょうむ員いんの指示しじに従したがうことが重要じゅうようだ。防災ぼうさい・危機きき管理かんりジャーナリストの渡辺わたなべ実みのるさんが語かたる。

「豪雨ごううや地震じしん時じに駅えき構内こうないにいる場合ばあい、乗務じょうむ員いんや駅員えきいんが客きゃくを地上ちじょうに誘導ゆうどうします。乗務じょうむ員いんや駅員えきいんは緊急きんきゅう時じに備そなえた訓練くんれんをして危険きけんな空間くうかんの状況じょうきょうを正確せいかくに把握はあくできるので、指示しじに従したがうことが原理げんり原則げんそくです」

　誘導ゆうどうする人間にんげんがいない場合ばあい、自力じりきで近きん場ばの避難ひなん経路けいろをめざすことになる。

「その際さい、1つの避難ひなん経路けいろに多おおくの人ひとが集中しゅうちゅうしている場合ばあい、将棋倒しょうぎだおしなどを避さけるために、少すこし遠回とおまわりしてでも別べつの避難ひなん経路けいろを使つかうべきです。またエレベーターは災害さいがい直後ちょくごに稼働かどうしていても急きゅうに止とまることがあるので使用しようを避さけて、階段かいだんを利用りようしてください」（和田わださん）