投資情報会社・フィスコが、株式市場の9月24日~9月27日の動きを振り返りつつ、9月30日~10月4日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で2105.65円高(+5.58%)の39829.56円と大幅上昇。米国市場でNYダウが史上最高値を更新するなど米国株は上昇継続。日米金利差の拡大に伴う円安なども材料に、大型株中心に日本株は買われ、日経平均は終値ベースで7月31日以来となる39000円台を回復した。植田和男日本銀行総裁が「追加の利上げを急がない」姿勢を明確としたことで、日本の長期金利の基準となる10年物国債利回りは8月5日以来の0.7%台まで低下。10年物国債利回りの日米金利差がやや拡大したことなどを背景に、円は主要通貨に対して全面安の展開となった。
また、中国が大規模な金融緩和を発表したことで中国株が急騰。中国でビジネスを展開する資生堂<4911>、ファナック<6954>、安川電機<6506>など中国関連銘柄の一角も上昇。週末は、自民党総裁選に対する思惑が高まったことから、後場一段高の展開となり2日連続の高値引けで40000円台に迫る動きとなった。
なお、9月第3週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を5455億円売り越したほか、TOPIX先物を608億円売り越し、225先物は2235億円売り越したことから、合計8298億円の売り越しとなった。一方、個人投資家は現物を3204億円売り越すなど合計で2916億円売り越し。なお、自己は現物を1兆1895億円と大幅に買い越した。
日経平均は、2日連続で高値引けとなる強い動きを見せ、約2カ月ぶりに75日移動平均線(38292円水準)を上放れた。ただ、27日大引け後の15時20分過ぎ、自民党総裁選の結果、石破氏が第28代自民党総裁に決まったことから、ドルは142円台まで下落。225ナイト・セッションでは225先物は通常終値比2000円ほど安く37800円台まで急落しており、26日と27日の上昇幅(約2000円)を吐き出した格好に。
為替、株式、金利市場いずれも、追加の利上げに否定的な高市氏が優勢と見ており「高市トレード」が先行。為替は円全面安、株式は株高(金融株は下落)、金利市場では利回り低下の流れが強まっていた。高市氏が敗れたことで、「高市トレード」の逆回転で30日の東京市場は売り優勢となる公算が大きいが、市場は落としどころを探る展開となろう。