テレビで頻繁に見かけるのが、大食いメニューの挑戦企画。タレントが大汗をかき、喘ぎながら大盛りメニューと格闘する映像は、テレビマンいわく「数字(視聴率)が計算できる鉄板企画」だそうだが、“食べきるとタダ”を謳う店には、どんな大食漢でも食べ切れないような大食いメニューを提供する所もあるようだ。
東京都新宿区に住むHさん(40代/男性)は、過去に「ラーメン5人前+巨大チャーシュー」「餃子100個」「2.5kgカツカレー」「ステーキ1.5kg+ご飯3合」などに成功した強靭な胃袋の持ち主だが、先日ヒドい目に遭ったという。
Hさんが、自分の胃袋の容量が人より大きいことに気付いたのは9歳の時だ。親戚一同が集まった日、大好物の餃子を母親が大量に作ってくれ、Hさんは狂喜乱舞。「いくつ食べていいの?」と聞くと、「好きなだけ食べていいわよ」と言われ、餃子を50個以上食べて、親戚一同を唖然とさせたのだ。
「あれから30年以上経ちましたが、いまだに親戚が集まると、私の“餃子大食い事件”は話題に上ります。それまで好きなものを好きなだけ食べて良い機会などなかったので、自分が大食いだとは知りませんでしたが、確かに学校の給食は全然足りませんでしたし、お腹いっぱいでもう食べれないという経験もありませんでした。それ以来、食卓に並ぶ食事の量は一気に増え、学生時代は弁当にご飯を3合詰めていました」(Hさん。以下「」内同)
毎月30kg近く米を消費するため、米屋に「何人家族ですか?」と聞かれたこともあったとか。大学に入ると、食べ切れば無料になる「チャレンジメニュー」なるものの存在を知り、これを制覇する楽しみに目覚める。
「当時はまだインターネットが無かったので、頼りになるのは友人からの情報だけ。私の大食いは友人に知れ渡っていたので、チャレンジメニューがある店を見つけると、わざわざ教えてくれるのです。成功すると写真を貼られるお店が多いので、『お前の写真、見たぞ』と言われることもしょっちゅうでした」
麺料理は得意だったはずなのに…
テレビで見かけるフードファイターの中には華奢な人が多いが、Hさんは身長183cmで体重100kgオーバーの堂々たる体躯。ファミレスで巨大ハンバーグを平らげた後、固定式のテーブルにお腹がつっかえ、無理に出ようとして座席を破壊したこともあるという。そんなHさんは、経験を積むうちに得意なメニュー、不得意なメニューがあることに気付いた。