中国人民銀行、暗号資産取引の規制整理を完了
中国の中央銀行である中国人民銀行が、暗号資産(仮想通貨)の取引を含めたインターネットに関する金融リスクの規制整理作業が完了し、通常の監督態勢に戻ったことを「中国金融安定報告(2021)」にて9月3日発表した。
中国人民銀行が規制を整理した内容は、P2P金融業者に対し全ての業務の停止や暗号資産取引サービス提供禁止と、金融テクノロジー企業の監督を強化したことだ。その結果中国人民銀行は通常の監督態勢に戻ったとのことだ。
「中国金融安定報告(2021)」での発表内容は次の通りである。
(1)インターネット上の金融リスクを整理したことで、良い結果が得られた。稼働中のP2P金融業者はすべて業務を停止し、インターネット資産管理、株式クラウドファンディング、インターネット保険、暗号資産取引、インターネット外国為替取引などの分野での是正作業は基本的に完了し、通常の監督に移行している。
(2)違法・不正な金融活動が強力に抑制された。違法な資金調達などを取り締まり、長年蓄積されてきた違法な資金調達の案件が多数処分された(一部略)。
(3)未公開株や金融資産取引所のリスクへの対応で前向きな進展があった。政府は未公開株の規制に関する規則を発行し、省庁間の調整や中央・地方間の連携を発揮し、未公開株のリスクを抑制するための包括的な対策を採用している。様々な取引所の整理と統合は、着実かつ秩序ある方法で行われた。
(4)金融テクノロジー企業の監督を大規模に強化し、商業銀行の第三者インターネットプラットフォームの預金業務を規制した。
近年、中国当局は暗号資産の投機行為が正常な経済・金融秩序を乱し、違法・犯罪行為のリスクを醸成し、人々の財産の安全を著しく侵害していると指摘しており、ビットコインなどの暗号資産取引を禁止する態勢を強くしていた。
また中国は暗号資産の規制として様々な行動を行っていた。中国国務院は今年5月にビットコインのマイニングや取引の取締りを表明し、続いて地方の規制当局も暗号資産関連事業者に警告を行った。
さらに中国人民銀行は6月21日に金融機関での暗号資産取引を全面禁止の意向を示し、銀行や決済機関は規制規定を厳格に実施し、関連商品やサービスを提供してはならないと強調していた。
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参考:中国金融安定報告(2021)
デザイン:一本寿和
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