【浜名千広】ソフトバンクは投打ともに「死角」なし 気になるのは先発陣のイニング数の少なさ
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- モイネロ(2024年5月31日撮影)
ソフトバンクは残念ながら5年ぶりの交流戦優勝を逃したが、12勝6敗の2位で着実に貯金を増やした。ペナントレースは首位を独走。2位ロッテとは9ゲーム差。交流戦前は2位日本ハムと4・5差だった。柳田の負傷離脱があったにもかかわらず、盤石の戦いぶりと言っていい。
リーグ戦再開にも、大きな不安要素は見当たらない。気になるのは、先発陣のイニング数の少なさか。現時点で規定投球回を満たしているのは有原(76回2/3)とモイネロ(76回)の2人だけ。開幕から6連戦がほとんどなく、厳しい日程ではなかった。2人に加え、先発ローテーションを東浜、スチュワート、大津、大関、和田、石川の8人で回してきた。コンディション管理などいろんな要素はあったのかもしれないが、中6日以上の間隔が空いた登板が多かっただけに、各投手があと1イニングでも多く投げてくれれば、というもどかしさがあった。正念場の夏場を迎えるだけに、今後は救援陣の登板過多は禁物。その意味では、先発陣に少しでも多くのイニングを稼いでもらいたい。
打線は1番周東、3番栗原の存在がさらに大きくなりそうだ。開幕から低空飛行だった栗原は、5月から復調。好調だった周東は5月に打撃不振に陥ったが、6月に入って上昇気配。リードオフマンとして周東が定着し、3番栗原から続く山川、近藤の「新クリーンアップ」が機能すれば得点力が落ちることはないだろう。投打ともに大きな「死角」は、ない。(日刊スポーツ評論家)