【デンバー(べいコロラドしゅう)18にち日本にっぽん時間じかん19にち)=斎藤さいとういさおひろし】ドジャース大谷おおやしょうひら投手とうしゅ(29)が、「勝率しょうりつ9%」からの奇跡きせきてきだい逆転ぎゃくてんげき貢献こうけんした。ロッキーズせんに「1ばんDH」で出場しゅつじょうだい3打席だせき今季こんきメジャー最長さいちょうとなる距離きょり476フィート(やく145メートル)の特大とくだいだんで4ねん連続れんぞくの20ごう到達とうたつめた。だい5打席だせきでは左前打さぜんだはなち、5打数だすう2安打あんだ2打点だてんながれをせた。打席だせきでバットをき、位置いち安定あんていさせるしんルーティンをれ、直近ちょっきん5試合しあい打率だりつ4わり5ふん、3本塁打ほんるいだ、5打点だてん一気いっき状態じょうたいげ、本塁打ほんるいだすうでリーグトップタイに浮上ふじょうした。

   ◇   ◇   ◇

大谷おおや確信かくしんあるきで打球だきゅう見上みあげた。6かい無死むし左腕さわんゴンバーのスライダーを強振きょうしん。スタジアムを半分はんぶんるように、センター方向ほうこうっすぐ、一直線いっちょくせんんでいった。今季こんき最長さいちょう距離きょり476フィート(やく145メートル)の特大とくだいだんてき騒然そうぜん。ロバーツ監督かんとくは、あまりの衝撃しょうげきにあきれわらい。「なんてこった…。数日すうじつまえ本塁打ほんるいだも『いままでたことがない』とったが、この1ほんも、たことがないとおもう。言葉ことばにならない。べつ次元じげん」と、おどろくしかなかった。

標高ひょうこう1580メートルに位置いちするクアーズフィールド。西側にしがわにはロッキー山脈さんみゃくがそびえる。高地こうち打球だきゅうびやすいことをいても、非凡ひぼんさをしめ衝撃しょうげきてきな1はつだった。打席だせきでの位置いち安定あんていし、最近さいきん5試合しあいで3はつ一気いっき状態じょうたいがってきた。この序盤じょばんから劣勢れっせい展開てんかいで6かい打席だせきはいまえは5てんビハインド。あきらめないチームの先頭せんとうつ1ばん大谷おおやいちげきが、だい逆転ぎゃくてんげきへの号砲ごうほうとなった。

そして最終さいしゅうかいおもいがつうじた。1から代打だいだヘイワードの満塁まんるいだんで1てん。この時点じてんではまだMLB公式こうしきのデータサイト「ベースボール・サバント」の計算けいさんでドぐんかくりつはわずか9%だったが、いきおいをめるわけにはいかない。直後ちょくご大谷おおやがチェンジアップにらいついて左前打さぜんだはなった。土壇場どたんばでしぶとく出塁しゅつるい両手りょうてをたたいてよろこび、さらにチームをもりてた。4ばんT・ヘルナンデスの逆転ぎゃくてん3ランにつながり、9%の勝率しょうりつから奇跡きせきこった。

主力しゅりょく故障こしょう離脱りだつつづいた逆境ぎゃっきょうなか、チームは3連勝れんしょうかざった。ロバーツ監督かんとくは「ショウヘイのいきおいもつづいているし、テオ(T・ヘルナンデス)の本塁打ほんるいだおおきかった。攻撃こうげきめんで、これ以上いじょうないほど興奮こうふんした」と打線だせんのつながりを称賛しょうさん大谷おおやは4ねん連続れんぞく20ごう到達とうたつし、本塁打ほんるいだすうでリーグトップタイにならんだ。中堅ちゅうけんしゅのスーパーキャッチにはばまれただい4打席だせきでは、強烈きょうれつなライナーで打球だきゅう速度そくど111・7マイル(やく180キロ)をマーク。6月おとこのエンジンが、いよいよ全開ぜんかいになってきた。