5月の夏場所なつばしょで、行司ぎょうじしん弟子でしがデビューした。

15さい木村きむら裕之ひろゆきすけ(ゆうのすけ、田子たつこうら)は、3にちぜん相撲すもうはつ土俵どひょうみ、7にちから序ノ口じょのくち取組とりくみさばいた。

中学ちゅうがく卒業そつぎょうしたばかりで、所作しょさはまだぎこちない。東西とうざい間違まちがえることもあった。こえないため、審判しんぱんはいった親方おやかたしゅおもわず苦笑にがわらいする場面ばめんなんかあった。

ABEMA大相撲おおずもうLIVEはぜん相撲すもうから中継ちゅうけいされるため、視聴しちょうしゃからは心配しんぱいするみもあった。

13にち取組とりくみ裕之ひろゆきすけいた。あどけないかお緊張きんちょうかんただよう。

土俵どひょうれてきましたか

「まだれないので緊張きんちょうします」

改善かいぜんしていきたいところはありますか

うごきとかはできてきました。こえすようにしたいです。東西とうざい力士りきしおぼえるのがむずかしいです」

入門にゅうもんのきっかけは

「(部屋へや後援こうえんしゃに)紹介しょうかいしてもらって、行司ぎょうじっていいなとおもってはいりました」

今後こんご目標もくひょうはありますか

こえをもっとして、力士りきしおぼえられるようにしたいです。緊張きんちょうしてわからなくなります」

質問しつもんたいし、こちらをしっかりて、一生懸命いっしょうけんめいこたえてくれた。

しん弟子でし行司ぎょうじには、兄弟子あにでし監督かんとくやくとなって指導しどうしている。裕之ひろゆきすけには、監督かんとくやくとして幕内まくうちかく行司ぎょうじ木村きむら要之助ようのすけ(49=八角はっかく)がついている。

要之助ようのすけは「まずはこえすことですよね。コツというか、毎日まいにち練習れんしゅうしながらすように。所作しょされてきましたから、あとはこえです」と指摘してきした。

本人ほんにんはもちろん一生懸命いっしょうけんめいだが、要之助ようのすけをはじめ、兄弟子あにでしたちこそ、しん弟子でしいち人前にんまえにしようと必死ひっし様子ようすがうかがえた。

おな田子たつこうら部屋へや兄弟子あにでし十両じゅうりょうかく行司ぎょうじ木村きむら隆男たかお(48)にもはなしいた。

「(裕之ひろゆきすけは)2がつ部屋へやて、(春場所はるばしょ開催かいさいされた)大阪おおさかにもきました。ずかしいとかではなく、まだこえない。場慣ばなれして、はらからこえすことですね。(こえの)ばしかたは、についていきますから。本人ほんにんくと、友達ともだちとカラオケにもおこなったことがないそうなんです。だから、まずはおおきなこえす。その練習れんしゅう毎日まいにちやっています。最初さいしょ出来できないもいますから」

土俵どひょうただけでは、すこ心配しんぱいになったが、本人ほんにん兄弟子あにでしはなしいて見方みかたわった。とく兄弟子あにでしたちからは、せっかく入門にゅうもんしてきた若者わかもの成長せいちょうさせようという使命しめいかんかんじた。

たとえば5ねん、こんなこともありましたねって、わらばなしになったらいいですね」

隆男たかおはこうげんって、未熟みじゅく若者わかものあたたかくつつんでいた。【佐々木ささき一郎いちろう】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲おおずもう裏話うらばなし」)

新弟子の木村裕之助(右)を連れて両国国技館内を案内していた木村隆男(2024年5月24日撮影)
しん弟子でし木村きむら裕之ひろゆきすけみぎ)をれて両国りょうこく国技こくぎ館内かんない案内あんないしていた木村きむら隆男たかお(2024ねん5がつ24にち撮影さつえい