【ソフトバンク今宮健太】「あのピッチャー」への何くそが伝説の10球に/連載〈3〉
阪神甲子園球場が24年8月1日、開場100周年を迎える。野球人にとって、聖地はどのような舞台だったのか。「8・1甲子園100周年~甲子園と野球と私~」と題して、聖地にゆかりのある12球団の選手、関係者に12回連載で語ってもらった。3回目はソフトバンク今宮健太内野手(32)。
試合後、笑顔で握手を交わす明豊・今宮(右)と花巻東・菊池
今宮は高校時代、怪物左腕を人一倍意識していた。
「あのピッチャーを打てないと日本一にはなれないと思っていました」
あのピッチャー。ブルージェイズ菊池雄星だ。
2人は91年生まれ。明豊(大分)3年時の09年春、当時花巻東(岩手)のエースだった菊池とセンバツで初対戦した。結果は4打数1安打も「結構な形でやられて…」。チームは計12三振で完封負けを喫した。
150キロに迫る真っすぐが厳しく内角を突く。
キレのあるスライダーにバットは空を切る。
「自分で見るのも恥ずかしい」ほどの完敗。「春やられて、そこから(菊池を)意識しました」
語り継がれる「伝説の10球」がある。
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