短距離たんきょり走はしりでは、好こうタイムを記録きろくするも「追おい風かぜ参考さんこう記録きろく」と判定はんていされることがあります。
日本人にっぽんじん選手せんしゅが100m走はしりで9秒びょう台だいを記録きろくしましたが、追おい風かぜ参考さんこう記録きろくだったというニュースも記憶きおくに新あたらしいところですよね。

この、たまに耳みみにする「追おい風かぜ参考さんこう記録きろく」のルールを知しっていますか？実じつはとても厳密げんみつな決きまりがあるんです。言葉ことばの通とおり「追おい風かぜ」が2.0m/秒びょうを超こえた時ときに適用てきようされるのですが、その計測けいそくする風向ふうこう風速ふうそく計けいは「第だい1レーンに隣接りんせつしてフィニッシュラインから50m地点ちてん」に設置せっち、またトラックから2m以上いじょう離はなしてはならず、高たかさは1m22cmと決きめられています。計測けいそく時間じかんはスターターの信号しんごう器きの発射はっしゃを起点きてんに競技きょうぎごとに定さだめられており、その時間じかんの平均へいきん値ちが対象たいしょうになります。

ところでこの追おい風かぜは、どれくらい有利ゆうりに働はたらくのでしょう。一説いっせつには風速ふうそく1.0m/秒びょうで0.085秒びょう程度ていどの恩恵おんけいがあると言いわれています。公式こうしき記録きろくになるのは風速ふうそく2.0m/秒びょうまでですから、上限じょうげんである風速ふうそく2.0m/秒びょうの場合ばあい、無風むふう時じと比くらべて、単純たんじゅん計算けいさんで0.17秒びょう速はやくゴールすることになります。100分ぶんの1秒びょうを争あらそう競技きょうぎにおいて、0.17秒びょうはとても大おおきいですね。

コントロールはできない風ふうですが、参考さんこう記録きろくにならないくらいの「追おい風かぜ」が吹ふくか否ひかは、アスリートにとっては勝利しょうりの女神めがみのような存在そんざいなのかも知しれませんね。