筆者ひっしゃは漫画まんが家かほしよりこさん。絵えと文章ぶんしょうで日々ひびの暮くらしで感かんじたことを表現ひょうげんします。
■イラストエッセー〈ほしなのです〉67 私わたしはコンプレックスを固かためておにぎりにしたような、子供こどもの頃ころから自分じぶんの容姿ようしには多大ただいなる不満ふまんを持もったまま半はん世紀せいきほど生いきてきました。絵本えほんやテレビや街まちできれいな人ひとを見みてはうらやましがったり、自分じぶんもそんなふうになれるかもしれないと美容びよう法ほうを試ためしてみたりしましたが…
■イラストエッセー〈ほしなのです〉66 不意ふいのプレゼントで驚おどろきと喜よろこびが同時どうじに感かんじられて、うれしくなることがあります。私わたしもたまに人ひとにプレゼントをします。相手あいてのことを考かんがえて選えらんだものに、メッセージを書かいたカードや、庭にわの草木くさきを切きって添そえてみたりします。
■イラストエッセー〈ほしなのです〉65 お盆ぼんが来くると今いまはここにいない人ひとのことを思おもいます。親したしい人ひとの死しを経験けいけんし、私わたしの中なかに終おわらない死しが蓄積ちくせきされていくように感かんじます。自分じぶんの中なかにある、亡なき人ひとの生前せいぜんは気きづけなかった思おもいに気きづく瞬間しゅんかんもあります。死しへの思おもいはゆらゆら揺ゆれて、愛あい(いと)しい人じんもいつか亡なくなってし…
■イラストエッセー〈ほしなのです〉64 ものぐさでだらしなくて、いい加減かげん(かげん)で気分きぶん屋やの自分じぶんですが、梅干うめぼしを作つくり始はじめて3年ねん目めになります。梅酒うめしゅや梅干うめぼしを作つくっている人ひとがいると「手間てまなことだな。すごいな」と思おもっていましたが、自分じぶんでやってみるようになるとは思おもわなかった。
■イラストエッセー〈ほしなのです〉63 何なにもかもを焦こがし蒸むらし、くたくたにさせてしまうあいつ、夏なつ。 私わたしは夏なつが苦手にがてです。いつのまに夏なつが苦手にがてになってしまったのだろう。子供こどもの頃ころは夏休なつやすみが待まち遠どおしくて仕方しかたなかった。寝坊ねぼう、キャンプ、海水浴かいすいよく、プール。今いまの子供こどもも夏休なつやすみを…
■イラストエッセー〈ほしなのです〉62 厨房ちゅうぼう(ちゅうぼう)が見みえるレストランの席せきに座すわるのが好すきです。お店みせの人ひとがキビキビ働はたらいていてチームワークがあって、油あぶらをたくさん使つかっていてもステンレスがピカピカだと清潔せいけつで隅々すみずみに気きを配くばっていて気持きもちいい!と思おもいます。私わたしはほとんど決きまったお店みせにばかり行いくのですが、たま…
先月せんげつのこの欄らんで書かいた、ドジャースの大谷おおや翔しょう平ひら選手せんしゅのお金かねを通訳つうやく水原みずはら一平いっぺいさんが不正ふせい送金そうきんしていた事件じけんの顛末てんまつ(てんまつ)です。水原みずはらさんが嘘うそ(うそ)を並ならべて銀行ぎんこうまで欺あざむいて大谷おおや選手せんしゅの口座こうざにアクセスし、巨きょ額がく(24億おく円えん!)の資金しきんをギャンブルに注つぎ込こんだという容疑ようぎでした。米べい連邦れんぽう検察けんさつの迅速じんそくかつ緻密ちみつな捜査そうさによって「大谷おおや選手せんしゅは被害ひがい者しゃである」と断定だんていされました…
■イラストエッセー〈ほしなのです〉60 先日せんじつ私わたしは珍めずらしく眠ねむりが浅あさくて夜中よなかに目めが覚さめたのですが、なぜこんなに安心あんしんして眠ねむれなかったかといいますと、大谷おおや翔しょう平ひら選手せんしゅの通訳つうやくである水原みずはら一平いっぺいさんがドジャースを解雇かいこされ、大谷おおや選手せんしゅの口座こうざからの送金そうきんにより大谷おおや選手せんしゅにも疑惑ぎわくが及およんでいるというニュースのせいです。 自分じぶんはど…
■イラストエッセー〈ほしなのです〉58 元日がんじつの夕方ゆうがた、私わたしは母ははと2人ふたりの姪めい(めい)と鍋なべの用意よういをしていました。テレビから地震じしん速報そくほうが鳴なって、ペンダントライトが揺ゆれ、緊張きんちょうして固かたまりました。能登半島のとはんとうの地震じしんは地形ちけいも変かわるほどの規模きぼで、この地域ちいきでは3千せん~4千せん年ねんに1度どの大だい地震じしんだとのちのニュースで知しりました。雪ゆきの中なか、不便ふべんな避難ひなん所しょや車中しゃちゅうで過すごしている人ひとたちが一刻いっこくも早はやく暖あたたかく清潔せいけつで安全あんぜんな場所ばしょで安心あんしんして過すごされることを祈いのります。
■イラストエッセー〈ほしなのです〉57 日ひの出でや元旦がんたんというのは良よいもので、じっとしていても向むこうからやって来きてくれ、なんだかとても新鮮しんせんな真まっさらな感かんじがします。前日ぜんじつに何なにが起おきても太陽たいようは昇のぼって「はい、朝あさですよ」と新あたらしい一いち日にちを始はじめてくれます。一いち年ねんの始はじまりにはちょっとでも気持きもちをあらためまして、2024年ねんの目標もくひょうをたてることとします。 体からだ脂肪しぼうを減へらすこと。コロナ禍かがほとんど収束しゅうそくしたように…
49歳さいになりました。人ひとは生うまれてから49年ねん死しなないでいると49歳さいになるのだ、という当あたり前まえのことをかみしめています。 近頃ちかごろ私わたしはどうやって死しぬのかなと考かんがえるようになりました。子供こどもの頃ころ、死しはとても遠とおいところにありました。寝ねたきりだった祖父そふが亡なくなった時とき、両親りょうしんや叔母おばの泣なき顔がおを見みて、大人おとなが泣ないていることの方ほうがショックだった。大好だいすきだった叔母おばが亡なくなった時ときも実感じっかんがわかず、何なん年ねんもたってからもう二度にどと会あえない現実げんじつを思おもい知しって辛からし(つら)かった。 そして今いま、歳とし(とし)をとるごとに自分じぶんが直接ちょくせつ深ふかく関かかわってきた人ひとたちの死しに直面ちょくめんすることが増ふえました。父ちちや友人ゆうじんや恩師おんしの死しに
■イラストエッセー〈ほしなのです〉55 私わたしの旅行りょこうは大体だいたいが一人ひとり旅たびです。心細こころぼそくもあるけれど、新あたらしい出会であいもあって国内こくないでも国外こくがいでも一人ひとりで旅行りょこうをするといきなり現地げんちの人ひとと近ちかづける気きがします。コロナ前まえの何なん年ねんかロンドンに行いき続つづけたことがありました。知人ちじんのおすすめのホテルを気きに入いって定宿じょうやどにしていました。ホテルは4…
■イラストエッセー〈ほしなのです〉54~ほしよりこ 暑あつかったですねー。夏なつとその周辺しゅうへん。なんとなく日ひが短みじかくなって夜よるが涼すずしくなってきたなと感かんじる頃ころ、自分じぶんの中なかにむくむくと外そと向むきの気分きぶんが湧わき上あがってきました。50年ねん近ちかく生いきてきてやっとわかったことは、私わたしは季き節ぶしに振ふり回まわされやすいということです。 いったん何なにか…
■イラストエッセー〈ほしなのです〉53 大人おとなになってから好すきになった食たべ物ものってありますよね。私わたしの場合ばあいはなんといっても乾物かんぶつです。子供こどもの頃ころは乾物かんぶつの存在そんざいそのものの意味いみがわからなかった。乾物かんぶつの姿すがたはおよそ食たべ物ものから遠とおいところにあるように見みえるし、戻もどしてから味あじを含ふくませる工程こうていの面倒めんどうさも理解りかいできないし、たいがい茶色ちゃいろくて食欲しょくよくをそそられないし、口くちに含ふくんだ時ときのうまみの静しずかさがつまらなかった。 それがどうでしょう! 40歳さいを超こえたあたりからどんどん乾物かんぶつが好すきになっていく…
先日せんじつ実家じっかに帰かえったら玄関げんかんにたくさんの下駄げた(げた)が並ならんでいて、部屋へやは浴衣ゆかたと帯おびだらけ。母ははが虫干むしぼしでもしているんだなと思おもって声こえをかけたら「あら、よりこは何なに着きるの?」と聞きくので「なんのこと?」と言いうと「今度こんどの日曜日にちようびやん。こんちゃんのお店みせでみんなでごはん食たべるやろ」と言いいます。私わたしは何なにのことかさっぱりわからないでいると「お姉ねえちゃんは叔母おばさんのを着きるみたいで