里見さとみ浩太朗こうたろう　“母ははのいとこ”佐野さのさんは「とても芸げいに厳きびしいおじさん」

[ 2022年ねん7月がつ5日にち 05:24 ]

佐野さの浅夫あさおさん死去しきょ　5代目だいめ「水戸黄門みとこうもん」里見さとみ浩太朗こうたろうが悼いたむ

　何なん度どか共演きょうえんもしましたが、とても芸げいに厳きびしいおじさんでした。（僕ぼくの）母親ははおやと佐野さのさんがいとこ同士どうし。僕ぼくは「おじさん」と呼よんでいた。横浜よこはまに佐野さのさんの妹いもうとの子こが住すんでいて、訃報ふほうはそこからの電話でんわで知しりました。

　1950年ねんの「きけ、わだつみの声こえ」という映画えいがに佐野さのさんが精神せいしんを病やんだ軍曹ぐんそうの役やくで出でていた。子供こどもの頃ころ、それを見みた時ときに“あの人ひとが親戚しんせきのおじさんよ”と初はじめて聞きかされたのを覚おぼえています。

　実家じっかは横浜よこはまの大おおきな青果せいか問屋とんや。佐野さのさんは跡取あととり息子むすこだったが、“俺おれは役者やくしゃになる”と、半なかば勘当かんどうされて芸げいの道みちに進すすんだ。そのくらい芸事げいごとが好すきだったんでしょう。いくつかの劇団げきだんで活動かつどうしたが、なかなか芽めが出でなかった。そんな苦労くろうもあってか、とにかく芸げいには厳いかめしかった。「水戸黄門みとこうもん」で共演きょうえんした“うっかり八兵衛はちべえ”役やくの高橋たかはし元太郎げんたろうらがアドリブをかましたりすると「ふざけるな」と叱しかられたそうですよ。

　3年ねんほど前まえ、NHKドラマ「スローな武士ぶしにしてくれ」で京都きょうと撮影さつえい所しょを訪おとずれると、佐野さのさんも遊あそびに来きていた。そこで会あったのが最後さいごかな。穏おだやかな笑顔えがおが忘わすれられない。（談だん）