次々と手が出てしまう、止まらない感抜群の「せきとり」の半身揚げ
取り寄せた半身揚げは、丁寧に真空包装されていました。中を取り出して、以下の3つの方法で加熱調理する必要があります。
冷凍状態……真空包装袋から取り出し、レンジパックに入れ500Wで5~6分加熱
解凍冷蔵状態(1)……真空包装袋から取り出し、レンジパックに入れ500Wで2~3分加熱する
解凍冷蔵状態(2)……電気オーブンがある場合は、アルミを敷いて加熱
このうち筆者は「解凍冷蔵状態(2)」のやり方で加熱。そして、出来上がった半身揚げがこちら!
『せきとり』の半身揚げは、カレーと塩のみで味付けされ、さらに片栗粉をつけて作られているそうですが、そのさじ加減が絶妙。くどくない一方、鮮度の良い鶏肉の旨みを贅沢に味わうことができる一品です。見た目よりもくどくないのは揚げている油が綺麗なためかもしれません。
とにかくジューシーで、次々と手が出てしまう止まらない感も十分な一品。新潟のソウルフードであるゆえんがわかったと同時に、新潟県民が羨ましくも思いました。
新潟のソウルフード・半身揚げのルーツとは?
あまりに絶品すぎる『せきとり』の半身揚げですが、専務の関 雅仁さんによれば、創業者の苦労の中から生まれたメニューでもあったそうです。
「昭和34年の創業時、もともと養鶏業を営んでいたものの経営難となり、屋台で鶏料理を出すようになりました。その後、現在本店がある新潟県中央区窪田町に本店を構え、現在では3店舗を展開しています。
半身揚げは、一口大の鶏肉にカットすると、どうしても捨てる部分が出てきてもったいない。そこで創業者が鶏1羽を半分にカットし、無駄なく様々部位を食べられる『半身』にし、揚げることで人気メニューとなりました」(関専務)
『せきとり』の半身揚げは「カレー味」でもあります。この理由はなんだったのでしょうか。
「創業時、学校給食にカレーライスが流行り、お子さんから年配の方までが好むカレー味の唐揚げとして考案しました。当店の半身揚げはカレー粉と塩のみの味付けですが、鶏の大きさにより塩加減と揚げ時間は調整しています。塩の振り方、塩加減によって味が大きく変わってしまうため、この点は特に注意し、味を守っています」(関専務)
今ではその名は全国の唐揚げファンにも知れ渡り、前述の通り、日本唐揚協会の「全国からあげグランプリ」半身揚げ部門で11年連続グランプリを獲得しています。この点について、どんな思いを抱いているかも聞きました。
「ご来店いただけるお客さまはもちろん、遠方でもメディアを通じて様々なカタチでご紹介いただける機会が増え、創業者が考案した半身揚げが、たくさんの方々に召し上がっていただけたことを、本当に嬉しく感じております。味を守り、『また食べたい』と思っていただけるような、記憶に残る半身揚げを今後も作っていきたいと思っております」(関専務)
すごもり需要の影響もあり、全国各地の「うまいもの」がお取り寄せでいただける機会が増えた今ですが、『せきとり』の半身揚げのようなソウルフードを通販で注文し、自宅にいながらにしてその土地の味を楽しむのは本当に贅沢で、楽しいことだと思いました。新潟でしか味わえなかった味、そして『せきとり』でしか出せない味、是非お取り寄せでいただいてみてはいかがでしょうか。
(撮影・文◎松田義人)