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原発事故の被ばく、国連科学委が「健康被害の可能性は低い」と結論も…福島の会場からは疑問の声:東京新聞 TOKYO Web

原発げんぱつ事故じこばく、国連こくれん科学かがくが「健康けんこう被害ひがい可能かのうせいひくい」と結論けつろんも…福島ふくしま会場かいじょうからは疑問ぎもんこえ

2022ねん7がつ22にち 0600ふん
国連科学委員会のメットカーフ事務局長(左から2人目)に、甲状腺がんに多くの子どもたちが苦しむ実態を訴える文書を手渡す千葉親子さん㊨=福島市で

国連こくれん科学かがく委員いいんかいのメットカーフ事務じむ局長きょくちょうひだりから2人ふたり)に、甲状腺こうじょうせんがんにおおくのどもたちがくるしむ実態じったいうったえる文書ぶんしょ手渡てわた千葉ちば親子ちかこさん㊨=福島ふくしま

 東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしまだいいち原発げんぱつ事故じこ放射線ほうしゃせんばくによる健康けんこうへの影響えいきょうかんする報告ほうこくしょをまとめた国連こくれん科学かがく委員いいんかい(UNSCEAR)が21にち福島ふくしまけんいわき研究けんきゅうしゃらとの意見いけん交換こうかんかいひらいた。ギリアン・ハースぜん議長ぎちょうは「総合そうごうてきばく線量せんりょうすくなく、がんなどの健康けんこう被害ひがい増加ぞうかする可能かのうせいひくい」と説明せつめい研究けんきゅうしゃらからは「ばくを過小かしょう評価ひょうかしている」などと疑問ぎもんこえがった。
 報告ほうこくしょは、事故じこから2019ねんまつまでに公表こうひょうされた査読さどく論文ろんぶんなどの結果けっかをまとめ、昨年さくねん3がつ公開こうかいされた。執筆しっぴつしたミハイル・バラノフ博士はかせは、福島ふくしまけん小児しょうに甲状腺こうじょうせんがんがおお確認かくにんされていることについて「ちょうこう感度かんどのスクリーニング検査けんさ結果けっか影響えいきょうしているとおもう」とべた。
 会場かいじょうからはおおくの質問しつもんた。「3.11甲状腺こうじょうせんがんども基金ききん代表だいひょう理事りじ医学いがく博士はかせ崎山さきやま早子はやこさんは、50ねん以上いじょうまえ論文ろんぶんなどにもとづき、日本人にっぽんじん海産物かいさんぶつおおべるために事故じこ放出ほうしゅつした放射ほうしゃせいヨウもとばくを世界せかい平均へいきん半分はんぶん推計すいけいしたことを問題もんだい。「福島ふくしま県民けんみん健康けんこう調査ちょうさかるとおり、摂取せっしゅりょう日本人にっぽんじん世界せかい平均へいきんわらない。ばくのあきらかな過小かしょう評価ひょうかになっている」と指摘してきした。
 高エネルギこうえねるぎ加速器研究機構かそくきけんきゅうきこう物理ぶつり学者がくしゃ黒川くろかわ真一しんいち名誉めいよ教授きょうじゅは「あやまったグラフやデータが複数ふくすうあるほか、物理ぶつりてきにありない数値すうちし、論文ろんぶん引用いんようあやまりでばく線量せんりょう過小かしょう評価ひょうかをしている。科学かがくてき報告ほうこくしょとは程遠ほどとおい」と批判ひはん黒川くろかわらの研究けんきゅうしゃグループは、報告ほうこくしょ独自どくじ検証けんしょうして結論けつろん撤回てっかいもとめてもいる。
 委員いいんかい指摘してきされたてん修正しゅうせい訂正ていせい検討けんとうするが、ハース報告ほうこくしょについて「結論けつろん堅固けんご将来しょうらいおおきくわらない」とはなした。
 委員いいんかいのメンバー3にん20日はつか福島ふくしま県知事けんちじ面会めんかい。その直後ちょくご小児しょうに甲状腺こうじょうせんがん患者かんじゃらを支援しえんする「あじさいのかい」の千葉ちば親子おやこちかこさん(74)がボリスラバ・メットカーフ事務じむ局長きょくちょうに「報告ほうこくしょ結論けつろんは、患者かんじゃ家族かぞくへの差別さべつ偏見へんけん助長じょちょうしかねない」と直接ちょくせつ再考さいこうもとめた。
 千葉ちばさんに同行どうこうした、事故じこ当時とうじ中学生ちゅうがくせい甲状腺こうじょうせんがんになった女性じょせいは「初期しょきばく線量せんりょう十分じゅうぶんなデータがないなかばくとがんの因果いんが関係かんけいがないとけられくるしい。ただしい調査ちょうさをしてほしい」とうったえた。(片山かたやま夏子なつこ

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