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<社説>マイナ保険証 カネの力で不安拭えぬ:東京新聞 TOKYO Web

社説しゃせつ>マイナ保険ほけんしょう カネのちから不安ふあんぬぐえぬ

2024ねん1がつ29にち 0734ふん
 マイナンバーカードと健康けんこう保険ほけんしょう一体化いったいかしたマイナ保険ほけんしょう利用りよう促進そくしんけ、政府せいふ利用りようりつげた医療いりょう機関きかん支援しえんきん給付きゅうふする制度せいどもうけた。いわば報奨ほうしょうきんだが普及ふきゅうすすまない原因げんいんはトラブルや利点りてんまずしさにある。カネのちから強引ごういん普及ふきゅうはかるのは筋違すじちがいだ。
 現行げんこう保険ほけんしょう今年ことし12がつ廃止はいしする政府せいふ方針ほうしんにもかかわらず、マイナ保険ほけんしょう利用りようりつは8カ月かげつ連続れんぞく減少げんしょうし、昨年さくねん12がつには4・29%にまでんだ。政府せいふ医療いりょう機関きかん消極しょうきょくてき姿勢しせい一因いちいんとみて、支援しえんきん制度せいど創設そうせつした。
 11月までを2け、昨年さくねん10がつくらべて平均へいきん利用りようりつがった医院いいんなどには申請しんせいなしで支援しえんきん支給しきゅう。5ポイントえた医療いりょう機関きかんには1けんたり20えん診療しんりょう報酬ほうしゅう上乗うわのせされ、最大さいだい120えんまで増額ぞうがくされる仕組しくみだ。カード写真しゃしん=の増設ぞうせつ補助ほじょんだ。
 ただ、マイナ保険ほけんしょう利用りようりつ低迷ていめい利点りてんまずしさや相次あいつぐシステムの不具合ふぐあいなどが原因げんいんだ。
 厚生こうせい労働省ろうどうしょう昨年さくねん11がつ中央ちゅうおう社会しゃかい保険ほけん医療いりょう協議きょうぎかい報告ほうこくした調査ちょうさではマイナ保険ほけんしょうによる診療しんりょう薬剤やくざいなどの情報じょうほう活用かつようした病院びょういんは3わりじゃくにとどまり、このうち半数はんすう以上いじょう患者かんじゃ利点りてんについて「とくにない」「からない」とこたえた。
 全国ぜんこく保険ほけん団体だんたい連合れんごうかい調査ちょうさでは、昨年さくねん10がつ以降いこう回答かいとうした58・4%の医療いりょう機関きかん名前なまえ住所じゅうしょ表示ひょうじ窓口まどぐち負担ふたん割合わりあいでのあやまりなどの不具合ふぐあいきているという。
 医療いりょう情報じょうほう提供ていきょうミスは人命じんめい直接ちょくせつかかわるにもかかわらず、マイナポイントと同様どうよう経済けいざいてき利得りとくあたえて普及ふきゅううなが姿勢しせいは、人命じんめい軽視けいし批判ひはんされて当然とうぜんだ。
 支援しえんさく税金ぜいきんからやく217おくえんとうじられる。取得しゅとく任意にんいとする原則げんそく矛盾むじゅんするのではないか。
 能登半島のとはんとう地震じしんではだい規模きぼ停電ていでん通信つうしん障害しょうがい発生はっせいし、マイナ保険ほけんしょう災害さいがい十分じゅうぶん機能きのうしない疑問ぎもん浮上ふじょうした。厚労省こうろうしょう被災ひさいしゃ現行げんこう、マイナどちらの保険ほけんしょうがなくても医療いりょう機関きかんでの受診じゅしん可能かのう通知つうちして混乱こんらんけられたものの、災害さいがいには現行げんこう健康けんこう保険ほけんしょうたよりになるというこえ根強ねづよい。
 政府せいふ安心あんしん安全あんぜんのために現行げんこう健康けんこう保険ほけんしょう廃止はいし撤回てっかいすべきだ。

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