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<社説>報道の自由度 権力監視の決意新たに:東京新聞 TOKYO Web

社説しゃせつ報道ほうどう自由じゆう 権力けんりょく監視かんし決意けついあらたに

2024ねん5がつ16にち 0743ふん
 2024ねん報道ほうどう自由じゆうランキングで、日本にっぽん昨年さくねんからふた順位じゅんいげ、180カ国かこく地域ちいきちゅうの70となった。先進せんしん7カ国かこくでは最下位さいかい欧州おうしゅう価値かちかん反映はんえいされた、ひとつの指標しひょうぎないとの見方みかたはできるが、日本にっぽんのメディアと権力けんりょくたいする海外かいがい視線しせんきびしいことだけは自覚じかくせねばなるまい。
 順位じゅんいはパリに本部ほんぶがある国際こくさいジャーナリスト組織そしき国境こっきょうなき記者きしゃだん」が02ねんから発表はっぴょう。メディア関係かんけいしゃ弁護士べんごし学者がくしゃらへの調査ちょうさもとに、報道ほうどう機関きかん活動かつどうのほか政府せいふ報道ほうどう規制きせいを「法的ほうてき指標しひょう」として順位じゅんいけている。
 日本にっぽん民主党みんしゅとう政権せいけん時代じだいの10ねんに11まで上昇じょうしょうしたが、東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしまだい1原発げんぱつ事故じこかんする情報じょうほう透明とうめいせいけるなどとして13ねんには53がった。
 日本にっぽん今回こんかい順位じゅんいげた理由りゆうひとつは本格ほんかく運用うんようはじまった「土地とち利用りよう規制きせいほう」。対象たいしょうとなる防衛ぼうえい施設しせつ原発げんぱつ周辺しゅうへんへのジャーナリストをふく制限せいげん罰則ばっそく規定きていは「はん基地きちはん原発げんぱつ市民しみん運動うんどう萎縮いしゅくさせる」との指摘してきもある。
 日本にっぽん順位じゅんい長期ちょうき低迷ていめいは「法的ほうてき指標しひょう」が改善かいぜんされないためだ。
 12ねん政権せいけん復帰ふっきした安倍晋三あべしんぞう首相しゅしょうした特定とくてい秘密ひみつ保護ほごほうや「共謀きょうぼうざいほう成立せいりつした。こん国会こっかいでは機密きみつ情報じょうほう保護ほご経済けいざい安保あんぽ分野ぶんやひろげる法律ほうりつ成立せいりつした。いずれも報道ほうどう機関きかんによる公的こうてき情報じょうほうへのアクセスを制限せいげんするおそれがある内容ないようだ。
 政府せいふは「取材しゅざい報道ほうどう自由じゆうには十分じゅうぶん配慮はいりょがなされ、国民こくみん権利けんりそこなわれない」とかえすが、安倍あべ政権せいけんでは報道ほうどう機関きかんへの圧力あつりょく問題もんだいされた。
 国境こっきょうなき記者きしゃだんは、日本にっぽん民主みんしゅ主義しゅぎこくで、報道ほうどう自由じゆう尊重そんちょうされているとしつつ「政治せいじてき圧力あつりょく男女だんじょ平等びょうどうにより、ジャーナリストが監視かんし機能きのう十分じゅうぶんたせないことがおおい」とも警告けいこく
 日本にっぽん記者きしゃクラブ制度せいどが「自己じこ検閲けんえつ」をうながし、外国がいこくじんジャーナリストらへの差別さべつにつながるとの分析ぶんせき一貫いっかんしている。
 報道ほうどう自由じゆう順位じゅんいひくいことは謙虚けんきょめつつ、報道ほうどう言論げんろん機関きかんとして権力けんりょく監視かんし役割やくわり誠実せいじつたし、権力けんりょく圧力あつりょくにはくっしないとの決意けついあらたにしたい。

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