フィギュアスケートの世界女王・坂本花織(23=シスメックス)は、昨季までと異なる姿を見せている。
昨季の坂本はグランプリ(GP)シリーズ第5戦NHK杯で3連覇を逃すと、GPファイナルは5位。シーズン終盤の世界選手権は2連覇を果たしたが、序盤は苦しい戦いが続いた。
かねてフィギュア関係者から「坂本選手はスロースターターなので、後半にかけて調子を上げてくるタイプ」との指摘があった中で、今季はGPシリーズ第2戦スケートカナダと第5戦フィンランド大会で優勝。例年とは異なり、序盤から好パフォーマンスを発揮している。
昨季との変化について坂本は「(GP)ファイナルまでは気持ちが上がり切らなかったり、五輪の後で、気持ち的に次は何に向かって頑張ればいいんだろうという期間だった」と回想。その上で「今季は序盤から気持ちが上がっていた。明るい気持ちで試合に挑めている点が違う。この状況は良い方向に向かっている」と充実感を漂わせた。
8日に行われたGPファイナル2日目(中国・北京)のショートプログラム(SP)では、今季世界最高得点となる77・35点をマーク。堂々の首位発進に「ベストな演技ができて満足している」と満面の笑み。今季の坂本は早くもエンジン全開だ。