7日投開票の東京都知事選で現職の小池百合子氏(71)が3選を果たした。有力対抗馬と目された前参院議員の蓮舫氏(56)だったが、前広島県安芸高田市長の石丸伸二氏(41)の後塵を拝する屈辱の3位。蓮舫氏は敗因について「私の力不足」としたが、いったい何があったのか。元衆院議員の宮崎謙介氏(43)は、蓮舫氏の「賞味期限切れ」と指摘した。
午後8時の投票締め切り直後、小池氏の当選確実の一報が伝わると、都内に設けられた会場に集まった支援者たちからはため息が漏れた。別室で待機していた蓮舫氏は、約10分後に会場に姿を現した。
「きつい敗戦だと思います。多くの方に本当に温かい言葉と応援をいただき、私も思いを訴えることができた。そういう戦いだったと思います」と振り返った。敗因について「これからじっくりいろいろ考えさせていただきたいと思いますが、私の力不足。そこに尽きると思います」と述べた。
小池氏を水面下で支援した自民党への逆風が吹き荒れているにもかかわらず、2位にもなれずに3位という大惨敗に、立憲民主党もショックを隠せない。同党所属の女性国会議員は「蓮舫さんはもともと都知事を目指すタイプの政治家でなかった。都連幹部は『小池氏に対抗できる知名度ある候補者として最終的に蓮舫さんしかいなかった』と受け止めていた。必死に応援したが残念な結果です」と漏らした。
そもそも候補者として初めにあがったのは蓮舫氏ではなかった。立憲都連などが現職の小池氏に対抗するための候補者を選ぶ段階で、まず名前が出たのは女性キャスターらだった。「しかし都連幹部は私たちに『接触のしようがない』という趣旨のことを言うだけ。擁立をあきらめたのか、断られたのか、それすら知らされていないです」と立憲所属の参院議員は明かした。
最終的に蓮舫氏が手を挙げ選挙活動に突入したが、日に日に情勢は悪化し、石丸伸二氏に逆転されたと報じられると、陣営の焦りは隠せなかった。自分たちの主張が届いていないと考えたのか、陣営関係者はテレビ局の記者に対して「なんで都知事選を扱わないんだ」と八つ当たりに近いクレームを付けるなどイラ立ちをみせていた。蓮舫氏もマイク納め後の囲み取材で「テレビ局がまったく報道してくださいませんし。(公開候補者討論会が)小池さんが断ったから、流れたと。努力をした跡は本当にあるんだろうかっていうメディアに対して疑心暗鬼はあります」と不満を口にした。
ただ何を言おうが、3位という結果はあまりにも重い。元衆院議員の宮崎氏は「政治家としての価値がダダ下がりです。これだけ反自民のキャンペーンを張ってきて、それでまさかの石丸氏にも負けたとなると、完全に蓮舫氏自身の賞味期限が切れてしまったと言わざるを得ません」とバッサリと斬り捨てた。
敗因は蓮舫氏の言動にあると指摘した。「そもそも出馬表明の時にいつもの〝批判スタイル〟から入ったことでこれまでの蓮舫支持者は沸いたかもしれませんが、へきえきとしていた人たちからは『またやってるよ』となるわけです。続いてもったいつけて出してきた政策もピンボケ。神宮の森を争点にしようとしたり、と空回り。やはりこれが蓮舫氏の限界なのでは?と思わざるを得ません」
今後については明言していないが、衆院選出馬が取りざたされている。宮崎氏は「賞味期限切れになった蓮舫氏を泉(健太)代表をはじめ次世代の立憲の議員たちが必要とするか、というくらいのラインになってきます」と厳しい目を向ける。
蓮舫氏は政治家人生の岐路に立たされている。