山口やまぐちさとし太郎たろうオカルト評論ひょうろんのUMA図鑑ずかん#577】その正体しょうたい古代こだい存在そんざいした生物せいぶつのこりではないかとかんがえられているUMAはおおい。なかでも恐竜きょうりゅう代表だいひょうかくとして一説いっせつかたられるケースがたびたびあり、水生すいせいUMAから陸上りくじょうのUMAまでさまざまな目撃もくげきれい存在そんざいする。当然とうぜんながら、恐竜きょうりゅうかぎらず古代こだい生物せいぶつらしきものの発見はっけん世界せかい各地かくち相次あいついでいる。

「ラシャガーズ」とは、ネパールの密林みつりんにすむとわれている、日本にっぽんでは「古代こだいぞう」とも表記ひょうきされる巨大きょだいぞうのUMAである。アジアゾウよりもおおきい3、4メートルものサイズをほこり、村人むらびと殺害さつがいするがいじゅうとしておそれられたのと同時どうじに、圧倒的あっとうてきおおきさからおそれあがめられる対象たいしょうともなっているとわれている。

 ネパールのヒマラヤ山脈ひまらやさんみゃくふもとに、バルディア国立こくりつ公園こうえんというはば1000キロメートルにもおよ広大こうだい密林みつりん地帯ちたいがある。1990ねんごろのこと、ある外国がいこくじん女性じょせい公園こうえんないながれるカルリナかわをカヌーでくだっていたそのとき川辺かわべおおきな生物せいぶつが2とういるのを目撃もくげきした。女性じょせいは、それをおもわずマンモスではないかとおもったという。

 このマンモスらしき生物せいぶつ報告ほうこくは、マンモス研究けんきゅう世界せかいてき権威けんいであるエイドリアン博士はかせにもつたわることとなったが、彼女かのじょからおくられてきた写真しゃしんかれ衝撃しょうげきけた。女性じょせいからおくられた写真しゃしんうつっていた巨大きょだい生物せいぶつは、現存げんそんするアジアゾウとは頭部とうぶ形状けいじょうあきらかにことなっており、それどころか、かつてネパールに生息せいそくしていたというネパールマンモスの特徴とくちょう酷似こくじしていたというのである。

 そのべつ角度かくどから撮影さつえいされた生物せいぶつ写真しゃしんると、さらにおどろくべきことがかった。博士はかせは、生物せいぶつ頭部とうぶじゅうドームになっていることに気付きづき、これはマンモスの頭部とうぶのような単一たんいつドームとことなることから、マンモスである可能かのうせい否定ひていした。

 しかし、一方いっぽうあらたに浮上ふじょうした可能かのうせいというのは、マンモスよりもはるかにふるい200まんねんまえ絶滅ぜつめつしたはずのヒスドリクスゾウではないかというものであった。

 ヒスドリクスゾウは、現存げんそんするアジアゾウの祖先そせんかんがえられている古代こだいぞうである。ということは、女性じょせい生物せいぶつすなわちラシャガーズは古代こだいぞうのこりだったということになるのだろうか。

 その博士はかせ現地げんち調査ちょうさおこなったところ、あらたな仮説かせつてられた。すなわち、ラシャガーズは古代こだいぞうのこりではなく、現存げんそんするアジアゾウがなんらかの要因よういんで〝先祖返せんぞがえり〟を発現はつげんした姿すがたではないかというのだ。

 南極なんきょくの「ニンゲン」について、手足てあしがあるのはクジラが先祖返せんぞがえりした姿すがたではないかとするせつがある。UMAを追究ついきゅうするじょう先祖返せんぞがえりというキーワードは重要じゅうようであり、このラシャガーズもひとつの示唆しさあたえてくれる事例じれいであるのかもしれない。

 しかし、残念ざんねんなことにラシャガーズにかんする情報じょうほうきわめてすくなく、撮影さつえいされたとわれる写真しゃしんについても公開こうかいされている様子ようすられず、また現存げんそんのアジアゾウにくらべても巨大きょだいであった理由りゆうなど、未知みち部分ぶぶんおおのこしたままだ。かみじゅうかはたまたがいじゅうか。ネパールの密林みつりんなかにはそのようなきょぞう本当ほんとう生息せいそくしているのだろうか。

参考さんこう記事きじ天野あまのミチヒロちょ本当ほんとうにいる世界せかいの『未知みち生物せいぶつ案内あんない