コンゴ民主みんしゅ共和きょうわこくはアフリカ中部ちゅうぶ位置いちする。なか赤道せきどうはしるコンゴ盆地ぼんち、その盆地ぼんちながれるアフリカ大陸たいりくで2番目ばんめながいコンゴがわゆうするくにである。

 かつてコンゴ王国おうこくであったが、ヨーロッパによる奴隷どれい貿易ぼうえき中心ちゅうしんとなってしまい、ベルギーりょうとなった地域ちいきがコンゴ民主みんしゅ共和きょうわこくとなっている。

 1971ねんから1997ねんまではザイール共和きょうわこくというで、アフリカ大陸たいりくでも2番目ばんめ世界せかいで11番目ばんめ面積めんせきほこるが、世界せかい最貧さいひんこくとしても有名ゆうめいである。

 このコンゴはUMAがよくられることでも有名ゆうめいである。

 みずうみにすむ首長しゅちょうりゅう「モケーレ・ムベンベ」、人間にんげんほどのおおきさの巨大きょだいクモである「チバ・フー・フィー」、そして今回こんかいあつかう「カサイレックス」である。コンゴ民主みんしゅ共和きょうわこくなかでも中心ちゅうしんちかたに、カサイバレーで目撃もくげきされた、現代げんだいきる恐竜きょうりゅうだとわれている。

 名前なまえ目撃もくげきされた、生息せいそくおもわれる「カサイ」からり、ラテン語らてんごで「おう」を意味いみする、恐竜きょうりゅうおう「ティラノサウルス」に使つかわれている「レックス」をつけたものだ。

 1932ねん冒険ぼうけんであるジョン・ジョンソン当時とうじまだベルギーりょうだった時期じきのコンゴのカサイバレーを探検たんけんしている最中さいちゅう事故じこきた。

 ジョンソンはサイがべつ巨大きょだい生物せいぶつわれている場面ばめん遭遇そうぐうした。そのサイはくるま突進とっしんし、くるま横転おうてん、ジョンソンうしなう。ますと、そこにはだいあばれするサイを捕食ほしょくする恐竜きょうりゅうにもえるオオトカゲのような生物せいぶつ姿すがたがあったのだという。

 ジョンソンはなしによると、全身ぜんしんあかまだら模様もようはいった黒色こくしょくながはな、そしてなんほんものきばっていた。体長たいちょうやく13メートルと巨大きょだいで、これはティラノサウルスに匹敵ひってきするおおきさである。

 しかし、ティラノサウルスが生息せいそくしていたのはきたアメリカ大陸あめりかたいりくで、コンゴにいたという事実じじつはない。ちかいものでえば、カルカロドントサウルスがおり、きたアフリカ一帯いったい生息せいそくした巨大きょだい肉食にくしょく恐竜きょうりゅうである。これはティラノサウルスと同等どうとうか、それ以上いじょう体格たいかく史上しじょう最大さいだいきゅう肉食にくしょく恐竜きょうりゅうだ。

 カルカロドントサウルスは、前肢ぜんしがティラノサウルスよりながいため、その親戚しんせきではなく、みなみアメリカ大陸あめりかたいりく生息せいそくしたギガノトサウルスにちかいとわれている。

 カルカロドントサウルスのからだしょくくろではないもののあかいまだら模様もようがあるという推測すいそく有力ゆうりょくであり、もしジョンソン目撃もくげきした姿すがた明確めいかくだったのであれば、このカルカロドントサウルスののこりである可能かのうせいかんがえられるのだ。

 カサイレックスは日本にっぽんではあまり知名度ちめいどたかくないが、海外かいがいでは非常ひじょう人気にんきのあるUMAのひとつである。ファンによってイラストが多数たすうえがかれ、フィギュアの制作せいさくもされている。

 前述ぜんじゅつのモケーレ・ムベンベの一種いっしゅではないかとの推論すいろんもあったのだが、近年きんねんべつ個体こたいとしてとらえているひとおおい。

 また、突然変異とつぜんへんいによって巨大きょだいしたトカゲというせつ浮上ふじょうしたが、これもさだかではない。

 アフリカの大地だいち広大こうだい未開みかい部分ぶぶんもあり、まだ生物せいぶつ生息せいそくしている可能かのうせいたかい。そのようななぞおお土地とちゆえ、人々ひとびと期待きたいふくらんでいる。

 かつてなが期間きかん地球ちきゅうじょうせいしてきた恐竜きょうりゅうだが、突然とつぜん姿すがたしてしまい、その絶滅ぜつめつ理由りゆうはいまだになぞおおい。隕石いんせき落下らっか火山かざん噴火ふんか地殻ちかく変動へんどう伝染でんせんびょう哺乳類ほにゅうるいによるたまご乱獲らんかく、ダークマター(暗黒あんこく物質ぶっしつ)など、様々さまざませつっている。

 もし恐竜きょうりゅうがまだ人間にんげんっていない土地とちのこっているとすれば、それはロマンがあるだけでなく、地球ちきゅう歴史れきしをひもとくためのおおきながかりとなるのではないだろうか。