世界せかいの壁かべは厚あつかった。東京とうきょう五輪ごりん・男子だんしバレーボール準々じゅんじゅん決勝けっしょう（３日にち、有明ありあけアリーナ）、世界せかいランキング１１位いの日本にっぽんは、同どう１位いで五輪ごりん連覇れんぱを狙ねらうブラジルに０―３とストレートで敗やぶれ、準々じゅんじゅん決勝けっしょうで姿すがたを消けした。

　１次じリーグＡ組ぐみを３勝しょう２敗はいの４位いで通過つうかし、２９年ねんぶりの決勝けっしょうトーナメント進出しんしゅつを決きめた日本にっぽんだが、王者おうじゃの前まえに苦くるしい試合しあいを強しいられた。主将しゅしょう・石川いしかわ祐希ゆき（２５＝ミラノ）は「パワーで押おし切きられてしまった。非常ひじょうに悔くやしい気持きもちしかない。いろいろ課題かだいはあったが、いいプレー、いいパフォーマンスを全員ぜんいんがしていた。それでもこの結果けっかになったのが悔くやしい」と試合しあい後ご直後ちょくごには涙なみだも見みせた。

　４月がつから主将しゅしょうに就任しゅうにんし、コート内外ないがいでチームを引ひっ張ぱってきた。この日ひもチーム最多さいたの１７得点とくてんをマーク。サービスエースも２本ほん決きめた。さらに第だい２セットには、西田にしだ有志ゆうじ（ジェイテクト）へのフェイクトスを披露ひろう。海外かいがい仕込しこみのテクニックにネット上じょうが歓喜かんきに沸わいた。ただ、チームを勝利しょうりに導みちびくことはできず「主将しゅしょうとしてやるべきことができたかは分わからない。目標もくひょうとしていたところまでは達成たっせいできなかった。僕ぼくの実力じつりょくが足たりなかった。もっともっと僕ぼくが引ひっ張ぱらないといけないし、チームとしても成長せいちょうしていかないといけない」と反省はんせい点てんを口くちにした。

　４５年ねんぶりの４強きょう入いりはならなかったが、すでに視線しせんは前まえに向むいている。「この舞台ぶたいに立たてたことを幸しあわせに思おもっているし、次つぎはさらに上うえを目め指させるチームにして行いかなければいけない。この先さき、険けわしい道みちだとは思おもうが、一ひとつ一ひとつ乗のり越こえていきたい」。３年ねん後ごのパリ五輪ごりんへ、止とまっていた時計とけいがようやく動うごき出だした。