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集団の中で「今」の長さの感覚は柔軟に変化する | テクノロジー・材料 - TSUKUBA JOURNAL
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集団しゅうだんなかで「いま」のながさの感覚かんかく柔軟じゅうなん変化へんかする

研究イメージ画像
(Image by Roman Rvachov/Shutterstock)
 ひと集団しゅうだん行動こうどうするとき共有きょうゆうする「いま」のながさの感覚かんかくが、そのひと参加さんかしている集団しゅうだんおおきくなるにつれて増加ぞうかすることがかりました。また、その傾向けいこうは、集団しゅうだんなか受動じゅどうてきうほどつよあらわれ、「いま」の感覚かんかくは、集団しゅうだんのサイズやかかわりかたによって柔軟じゅうなん変化へんかしていることがあきらかになりました。

 わたしたちが外界がいかいから情報じょうほうは、しばしばことなるはやさでのう到達とうたつしますが、たとえば、はなくちうごき(視覚しかく)とこえ聴覚ちょうかく)を、同時どうじに「いまこっているとかんじることができます。それは、のうが、ある時間じかんはばないしょうじることなるタイミングの情報じょうほうひとつのイベントとして統合とうごうしているからです。このような時間じかんはばを「Temporal Binding Window」(TBW、時間じかん統合とうごうまど)といいます。


 ほん研究けんきゅうでは、拍手はくしゅという集団しゅうだん行動こうどうなかで、「いま」の感覚かんかく(TBW)がどのように調整ちょうせいされるかを調しらべました。実験じっけん参加さんかしゃに、さまざまな条件下じょうけんか人工じんこうてき生成せいせいされた拍手はくしゅおん提示ていじし、「拍手はくしゅそろっているかどうか」を判断はんだんしてもらいました。その結果けっか拍手はくしゅ人数にんずう集団しゅうだんのサイズ)がえるにつれて、TBWは対数たいすうてき増加ぞうかしたものの、TBWの曖昧あいまいさは人数にんずう増加ぞうか影響えいきょうされないことがあきらかになりました。このことは、参加さんかしゃ集団しゅうだんない能動のうどうてきにバラバラな拍手はくしゅおん統合とうごうして「いま」を形成けいせいしていることをつよ示唆しさしています。また、拍手はくしゅおんわせてキーをすタスクでは、TBWが条件じょうけんよりも有意ゆうい増加ぞうかし、参加さんかしゃ集団しゅうだんなかでの確定かくてい相互そうご作用さようなかで「いま」を柔軟じゅうなん調整ちょうせいしているとかんがえられます。さらに、集団しゅうだんのサイズとTBW増加ぞうか関係かんけいから、集団しゅうだんにおけるリズムの加速かそく現象げんしょう(ジョイントラッシュ)が説明せつめいできることもかりました。


 ほん研究けんきゅう結果けっかにより、音楽おんがく独特どくとくのグルーブかん一体いったいかんのような、ヒトの時間じかん感覚かんかく柔軟じゅうなんせいささえる集団しゅうだん特有とくゆうのダイナミクスをあきらかにできると期待きたいされます。


PDF資料しりょう

プレスリリース

研究けんきゅう代表だいひょうしゃ

筑波大学つくばだいがくシステム情報じょうほうけい
新里にいさと 高行たかゆき じょきょう

長岡技術科学大学ながおかぎじゅつかがくだいがくわざがく研究けんきゅういん 情報じょうほう経営けいえいシステムけい
西山にしやま 雄大たけひろ じゅん教授きょうじゅ


掲載けいさい論文ろんぶん

題名だいめい
The effect of group size and task involvement on temporal binding window in clap perception
拍手はくしゅ知覚ちかくにおけるタスク関与かんよとグループサイズがあたえる時間じかん統合とうごうまど可塑かそせい
掲載けいさい
Frontiers in Psychology
【DOI】
10.3389/fpsyg.2024.1355586

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