国境なき記者団(RSF)の調査によると、10月7日以降、ガザで107人のジャーナリストが殺害され、うち13人が女性だった。「107人のうち22人(女性1人を含む)が、ジャーナリストとして活動中に殺害、もしくはジャーナリストであるという理由で特別に狙われた」とRSFのフィオナ・オブライエン英国支部長は説明する。RSFでは、このようなイスラエルによる報道の自由のあからさまな侵害に対し、国際刑事裁判所への訴えや証拠提出に加え、イスラエルに圧力をかけるよう各国政府に働きかけているそうだ。
オブライエンによると、「ガザのジャーナリストを取り巻く状況には、まったく前例がなく、防弾チョッキやヘルメットなどの安全用品を持ち込むことさえ不可能」「現在は、最大6人の女性記者を収容できるテントを設置し、避難生活で機材が破損や紛失してしまった記者に、専門的な機材を渡すと同時に、毛布や衣服、下着などの基本的な身の回りのものを提供している」とのこと。
「ジャーナリストらの精神的負担はかなり大きく、多くの同僚や友人、家族を失いながらも、何とか報道し続けようとしている状況だ」「虐殺が長引くにつれ、睡眠、食事、休息が不足し、精神的にも肉体的にも疲労が蓄積していくのは明らか。通常、戦地取材をするジャーナリストは、交代制のローテーションを組むのが普通。しかし、ガザの記者たちは10月からずっとガザに閉じ込められたままだ」と、オブライエンは現地のジャーナリストが置かれた現状の異常さを述べた。
私たちが日本からできる取り組みとして、まずは情報を得るために現地から発信をしているジャーナリストらのInstagramをフォローし、リアルタイムで情報を得ることが重要だ。そして日本語でパレスチナに関する情報発信を行い、活動する団体「palestinejpn」によると、政府や地域の政治家に問い合わせやメールの形で意見を送ること、署名活動や寄付をすることができる。イスラエルの経済活動に加担する企業をボイコットすることも日常的にできることの一つだ。
Text: Devinder Bains Translation & Adaptation: Nanami Kobayashi
From: BRITISH VOGUE