WRCが日本で開催、ルール大変更も発表
国際自動車連盟(FIA)は、2003年9月9日、世界ラリー選手権(WRC)の2004年カレンダーと新レギュレーションの一部を承認したと発表した。正式決定は来月になってからだが、2004年は、日本とメキシコが公式戦に組み込まれ、今年より2戦多い全16戦でタイトルが争われることになった。
■いよいよ日本へ
スバル、三菱、スズキ(ジュニアWRC)といった日本メーカーがこぞって参戦し、優勝、そしてタイトル争いを繰り広げている昨今のWRCに、いよいよ待望の日本ラウンドが加わることが、事実上決まった。
舞台に選ばれたのは、アジア・パシフィック・ラリー選手権(APRC)の公式戦を開き、国際格式のラリーで実績をつんでいる北海道。今年もAPRC戦として9月11日から始まる「ラリー北海道」が、世界選手権に昇格することになった。
日本と同じ新顔となるメキシコでのラリーは、WRC第3戦として3月12-14日に予定される。
全16戦の日程は以下の通り。
モンテカルロ 1月23-25日
スウェーデン 2月6-8日
メキシコ 3月12-14日
アルゼンチン 4月30日-5月2日
キプロス 5月14-16日
ギリシャ 5月28-30日
トルコ 6月25-27日
ニュージーランド 7月16-18日
フィンランド 8月6-8日
ドイツ 8月20-22日
日本 9月3-5日
イギリス 9月17-19日
イタリア 10月1-3日
フランス 10月15-17日
スペイン 10月29-31日
オーストラリア 11月12-14日
■ラリー界に激震
同時に発表されたレギュレーション変更は、関係者に波紋を投ずる内容となった。
チーム側は、コストを抑えるため、ラリーは年間14戦までという希望を出していたが、その意向は無視され16戦が設定された。来シーズンが迫りつつある時期の発表に、チーム側は予算を含め、大幅な体制変更を余儀なくされるであろう。特に「フォーカス」(写真)でエントリーするフォードは、追加された2戦分の遠征費などが、いまからだと捻出できないのではとウワサされる。
さらに、チームに追い討ちをかけるのが、1チーム2台のエントリーでチャンピオンシップを戦うことになったことだ。今シーズンまでマニュファクチャラーズポイントは、3台エントリーしたうちのベスト2台分をもってカウントされたが、来年からは2台の合計ポイントで決まる。
新しいメーカーへ門戸を開くと同時に、経済的に優位なチームとそうでないものとの差を減らすことが狙い、とFIAは主張するが、既に3人目のドライバーと契約してしまったプジョー(フレディ・ロイクスと契約)、シトロエン(同じくサイモン・ジャン・ジョセフ)などにとっては寝耳に水。なぜならFIAは当初、「3人目のドライバーは、過去3年間にWRCで表彰台に立っていないものに限る」という旨の提案を出しており、チームにとっては突然手のひらを返されたかっこうなのだ。
その他、レッキ(視察走行)とラリーを統合させた「ミル・ピステ・コンセプト」の導入が決まった(ただし第1、2戦は対象外)。テスト規制、チームによるサービスを1度に1台とする「フレキシ・サービス」、テレメトリーなどについては、10月の世界モータースポーツ協議会で審議されるという。
(webCG 有吉)