第だい799回かい：話題わだいの「ダンロップ・シンクロウェザー」に試乗しじょう！ 住友すみともゴムの挑戦ちょうせんはオールシーズンタイヤに革命かくめいをもたらすか？（後編こうへん） 【エディターから一言ひとこと】

ダンロップ独自どくじの新あたらしいオールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」。今回こんかいは、そのドライ／ウエット性能せいのうを報告ほうこくする。

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“水みず”と“温度おんど”でゴムの特性とくせいが変かわるという、ダンロップのオールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」。その冬ふゆ性能せいのうは実感じっかんできたが、このタイヤは春はる・夏なつ・秋あきもドライバーを支ささえなければならない。今回こんかいはシンクロウェザーの“冬ふゆ以外いがい”の性能せいのうをリポートする。

（前編ぜんぺんへ戻もどる）

サイドウォールに書かかれた「SYNCHRO WEATHER」のロゴ。このタイヤには、水みずにぬれると柔やわらかくなり、また冷温れいおん時じにも硬かたくなりにくい独自どくじのゴム素材そざいが採用さいようされている。

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新しんタイヤはデザインにもこだわりが。サイドウォールで踊おどる4本ほんのラインには、四季しきを通とおして走はしれるタイヤの意味いみが込こめられている。

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今回こんかいの試乗しじょう会かいは、住友すみともゴムの岡山おかやまタイヤテストコース、およびその周辺しゅうへんの一般いっぱん道どうで行おこなわれた。

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最新さいしんオールシーズンタイヤの“サマー性能せいのう”を試ためす

晩冬ばんとうの旭川あさひかわでウインター性能せいのうを試ためした、ダンロップの次世代じせだいオールシーズンタイヤ、シンクロウェザー。今回こんかいはそのサマータイヤとしての性能せいのうを、初夏しょかの岡山おかやま、同社どうしゃのテストコースと周辺しゅうへん道路どうろで確認かくにんした。

ここでシンクロウェザーの特徴とくちょうをダメ押だめおしでおさらいしておくと、これは「水みずスイッチ」と「温度おんどスイッチ」という、2つの“ウェザースイッチ”を持もつオールシーズンタイヤである。冬ふゆの試乗しじょう会かいでは、それぞれ「タイプ・ウエット」「タイプ・アイス」と説明せつめいされていたものだ（参照さんしょう）。

「水みずスイッチ」とは文字もじどおり、水みずに反応はんのうして柔やわらかくなるゴムの特性とくせいを表あらわしている。水みずを含ふくむと結合けつごうを緩ゆるめる新しん開発かいはつのポリマー（連続れんぞくしたゴムの分子ぶんし）を用もちいることで、雨あめが降ふったときでもゴムを路面ろめんにグリップさせることが可能かのうになる。オールシーズンタイヤにこの技術ぎじゅつを投入とうにゅうするメリットは、ウエットグリップ性能せいのうを担保たんぽしつつコンパウンド剛性ごうせいを高たかめられることだろう。ゴムがしっかりすれば走行そうこう安定あんてい性せいは高たかまるし、転ころがり抵抗ていこうを減へらすことでCO2の排出はいしゅつ量りょうも削減さくげんできる。

対たいして「温度おんどスイッチ」は、低温ていおんになるに従したがいコンパウンドが柔やわらかさを増ます技術ぎじゅつの総称そうしょうだ。ただ、こちらは現状げんじょうまだ開発かいはつ段階だんかいにあり、いまシンクロウェザーに配合はいごうされるのは「低温ていおん下かでも硬かたくなりにくいゴム」にとどまっている。とはいえ、今後こんごは温度おんどに反応はんのうするゴムが配合はいごうされて、さらにその性能せいのうを高たかめていくのだろう。

ちなみに現げん段階だんかいでもその氷上ひかみ性能せいのうはかなり高たかく、同社どうしゃのスタッドレスタイヤ「ウインターマックスWM02」と同等どうとうのブレーキ性能せいのうや旋回せんかい性能せいのうを示しめしているのはリポートしたとおりだ（参照さんしょう）。

ウエット性能せいのうは上級じょうきゅうのサマータイヤと同等どうとう

ということでさっそくリポートに移うつるが、最初さいしょに試ためしたのは、筆者ひっしゃも一番いちばん興味きょうみがあったスキッドパッドでのウエット旋回せんかいだった。車両しゃりょうは、冬季とうきに続つづき「トヨタ・カローラ ツーリング」（2WD）。比較ひかく用ようタイヤとしては、夏なつタイヤには同どう価格かかく帯たいの「ルマンV＋」が、冬ふゆタイヤにはスタッドレスのウインターマックスWM02が用意よういされていた。タイヤサイズはすべて195/65R15だ。

ここでシンクロウェザーは、いきなりかなりの“シンクロッぷり”を発揮はっきした。ウエット路面ろめんに突入とつにゅうした際さいの感触かんしょくはまさしくソフトで、ゴムだけでいえばルマンV＋よりもしなやかに路面ろめんを捉とらえている。旋回せんかい性能せいのうそのものも、「滑すべり出だすのは約やく60km/hから」と同等どうとうだ。

ただしコントロール性せいに関かんしてはややトレッド剛性ごうせいが低ひくく、ゴムが動うごきすぎて操舵そうだ量りょうが多おおくなってしまう傾向けいこうがあった。粘ねばった後のちアクセルをラフに戻もどすと反動はんどうがついて巻まき込こむ動うごきが少すこし見みられた。

これに対たいしてルマンV＋は、限界げんかい領域りょういきでゴムが追従ついしょうし切きれずトレッドが跳はねる傾向けいこうこそあったが、トレッド剛性ごうせいそのものは高たかく、操作性そうさせいわるがよかった。本当ほんとうは両者りょうしゃの中間ちゅうかんくらいのグリップ特性とくせいが望のぞましいのだが、ともあれシンクロウェザーが、現役げんえきのサマータイヤで、しかもプレミアムレンジのルマンV＋と肩かたを並ならべていたことには驚おどろかされた。

ちなみにWM02は、旋回せんかいに入はいった一発いっぱつ目めのカーブから、大おおきくフロントが流ながれていってしまった。定常ていじょう領域りょういきでの速度そくどもシンクロウェザーやルマンV＋に比くらべて3～5km/hほど低ひくく、舵かじ角かくも一いち切きり大おおきい。最終さいしゅう的てきにはスタビリティーコントロールで挙動きょどうも安定あんていするが、緊急きんきゅう回避かいひなどで急激きゅうげきにハンドルを切きるような場面ばめんを考かんがえると、やはりスタッドレスタイヤはウエット性能せいのうが一段いちだん低ひくいことを強つよく実感じっかんした。

水みずの張はられたスキッドパッドで、定常ていじょう円えん旋回せんかいを試こころみてウエットグリップ性能せいのうをチェック。

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ダンロップの説明せつめいによると、「アクティブトレッド」技術ぎじゅつを用もちいたゴムは、水みずに触ふれると瞬時しゅんじに軟化なんか。逆ぎゃくに乾かわいた状態じょうたいに移行いこうして軟化なんかが解とけるには、数すう分ぶんの時間じかんを要ようするという。

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「シンクロウェザー」ではトレッド面めんのゴムの一部いちぶに、水みずに触ふれると結合けつごうが解とけるイオン結合けつごうを用もちいた素材そざいを採用さいよう。疎水そすい性せいのゴムに水みずを浸透しんとうさせるため、水みず浸透しんとう補助ほじょ剤ざいを投入とうにゅうし、超ちょう微細びさいな水みずの流りゅう路ろを設もうけるといった工夫くふうもなされている。

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ウエット路面ろめんでの性能せいのうは「ルマンV＋」と同等どうとうの印象いんしょう。同門どうもんのサマータイヤ、それもフラッグシップの製品せいひんと互角ごかくというのには驚おどろかされた。

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もう少すこしシッカリ感かんが欲ほしい

「ドライ性能せいのう体感たいかん」と銘打めいうたれた試走しそうは、テストコースの敷地しきち内ないをフル活用かつようしたメニューとなっていた。配車はいしゃ場じょうと周回しゅうかい路ろをつなぐ連絡れんらく路ろでは乗のり心地ごこちを、周回しゅうかい路ろのストレート（100km/h以下いか）では走行そうこう安定あんてい性せいを、テストコースの両側りょうがわバンク（110R・70km/h前後ぜんご／150R・80km/h前後ぜんご）では高速こうそくコーナリングを、走はし安やす路みち（50km/h前後ぜんご）ではハンドリングを確認かくにんする……といった具合ぐあいだ。

静粛せいしゅく性せいに関かんしては、やはり内部ないぶにスポンジを仕込しこんで空洞くうどう共鳴きょうめい音おんを低減ていげんするルマンV＋が一いち枚まい上手じょうずだ。ただしシンクロウェザーも、雪ゆき柱ばしらの剪断（せんだん）性せいおよび水みず膜まくの排水はいすい性せいに優すぐれるVパターンのトレッドデザインを搭載とうさいしながら、そのパターンノイズをよく抑おさえ込こんでいる。また連絡れんらく路ろに用意よういされた乗のり心地ごこちの確認かくにんコースでは、シンクロウェザーのしなやかさが荒あれた路面ろめんや段差だんさなどで乗のり心地ごこちのよさにつながっていることが感かんじられた。とはいえ、衝撃しょうげき吸収きゅうしゅう能力のうりょくと振動しんどうが減衰げんすいする速はやさ／早はやさ、そしてシッカリ感かんはルマンV＋が優勢ゆうせいで、ここは好このみが分わかれるところだろう。ちなみにWM02は、ゴムの量りょうが多おおいぶん段差だんさではバネ下かのドタバタ感かんが強つよく、かつサイプ（圧あつ雪路ゆきじや氷こおり盤ばん路ろでのグリップ力りょくを高たかめるための細こまかい溝みぞ）の数かずが多おおいことから、ロードノイズも低速ていそくから高速こうそく巡航じゅんこうまで、満遍まんべんなく聞きこえてきた。

高速こうそく周回しゅうかい路ろでは、ルマンV＋の剛性ごうせいバランスのよさが光ひかった。低速ていそくのハンドリングセクションも同様どうようで、操舵そうだ応答おうとう性せいがリニアだ。これと比較ひかくすると、シンクロウェザーは剛性ごうせい感かんがソフトで、110Rや150Rといった大おおきなカーブでも操舵そうだに対たいする応答おうとうがワンテンポ遅おそいから、これを予測よそくして切きっていく必要ひつようがある。またレーンチェンジでは、あえて荒あらっぽく操舵そうだするとレーン内ないにクルマをとどめるための修正しゅうせい舵かじが必要ひつようになる。

とはいえ、スタッドレスタイヤのようにサイプが刻きざまれているというのに、ストレートでトレッド面めんがムービングすることもなかったし、その性能せいのうはサマータイヤの範疇はんちゅう（はんちゅう）にある。恐おそらく高速こうそく性能せいのうやハンドリング性能せいのうに関かんしては、同おなじレベルで比較ひかくするなら、よりスタンダードなサマータイヤを持もってくるべきだったのだろう。もしくは、現行げんこうオールシーズンタイヤの「オールシーズンマックスAS1」か。

今回こんかいダンロップが比較ひかく対象たいしょうにルマンV＋を選えらんだのは、シンクロウェザーがおよそ同どう価格かかく帯たいのタイヤになるからだろう。高性能こうせいのうなオールシーズンタイヤだけに、その価格かかくはスタンダードな夏なつタイヤよりは少すこし高たかくなるためだ。もちろんスタッドレスと2セットそろえるコストを考かんがえれば、それはかなりの節約せつやくとなる。

ちなみに、筆者ひっしゃはAS1のサマー性能せいのうも試ためしたことがあるのだが、その実力じつりょくはかなり高たかかった。記憶きおくをひも解とけば、感触かんしょく的てきにはこちらのほうが、シンクロウェザーよりも剛性ごうせいバランスが高たかかったと記憶きおくしている。柔やわらかすぎず、しなやかないいタイヤだった。恐おそらくシンクロウェザーは、現状げんじょうだとコンパウンド性能せいのうだけでなく、タイヤの構造こうぞうも含ふくめてしなやかさを出だすことで、ウインター性能せいのうをカバーしているのではないか。加くわえて言いえば、シンクロウェザーのこの柔やわらかさを“乗のり心地ごこちのよさ”として歓迎かんげいするユーザーもいるだろう。全体ぜんたい的てきには、ソフトで乗のり心地ごこちのよいタイヤというのが、テストコースにおけるシンクロウェザーの印象いんしょうだった。

またあえて触ふれておくと、WM02はその剛性ごうせい感かん、操舵そうだ応答おうとう性せいともにウインタータイヤの域いきにあり、シンクロウェザーのサマー性能せいのうがサマータイヤのレベルにあることが、乗のり比くらべでよくわかった。

「ドライ性能せいのう体感たいかん」では、高速こうそく周回しゅうかい路ろやハンドリング路ろなど、さまざまなコースで「シンクロウェザー」のドライ性能せいのうを試ためすことができた。

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スノー性能せいのう／ウエット性能せいのうを高たかめるべくVシェイプのトレッドパターンが施ほどこされた「シンクロウェザー」。騒音そうおんの面めんでは不利ふりなはずだが、ロードノイズはよく抑おさえ込こまれている。

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既存きそんのオールシーズンタイヤ「オールシーズンマックスAS1」より“ウインター寄より”の性能せいのうバランスとなっている「シンクロウェザー」。実際じっさい、サイプの量りょうは通常つうじょうのオールシーズンタイヤより多おおいとのことだ。

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「シンクロウェザー」がウインタータイヤとして使つかえるのはトレッドの半分はんぶん、プラットフォームの部分ぶぶんまで。それ以降いこうはサマータイヤとして、残のこり溝みぞ1.6mmまで使つかうことができる。

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テストコースではやや剛性ごうせいが不足ふそくして感かんじられた「シンクロウェザー」だが、技術ぎじゅつ的てきにはサイプが多おおくても剛性ごうせいを確保かくほするための工夫くふうがなされている。サイド側がわにいくにつれて、サイプの量りょうを減へらしたり、溝みぞを浅あさくしたり、はたまたサイプのデザイン自体じたいを変かえたりして、ショルダー部ぶのブロック剛性ごうせいの低下ていかを抑おさえているのだ。

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ドライ路面ろめんでのハンドリングに関かんしては、やはり「ルマンV＋」に一いち歩ほ譲ゆずる印象いんしょう。さすがはダンロップが誇ほこるサマータイヤのフラッグシップといったところだろう。

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テストコース周辺しゅうへんの一般いっぱん道どうを走はしる、「シンクロウェザー」を装着そうちゃくした「メルセデス・ベンツGLC」。

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公道こうどう試乗しじょうでは、テストコースを走はしったときとタイヤの印象いんしょうがあまりに違ちがうので驚おどろいた。一度いちど配車はいしゃ場じょうに戻もどり、タイヤの空気圧くうきあつを確たしかめてもらったほどだ。（もちろん空気圧くうきあつは適正てきせいだった）

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「メルセデス・ベンツGLC」のハンドルを握にぎる筆者ひっしゃ。テストコースでの印象いんしょうとは裏腹うらはらに、公道こうどうでは「シンクロウェザー」に剛性ごうせいの高たかさを感かんじた。

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オールシーズンタイヤでありながら、サマータイヤとしても十分じゅうぶん評価ひょうかできる性能せいのうを有ゆうしていた「シンクロウェザー」。「アクティブトレッド」は現在進行形げんざいしんこうけいで研究けんきゅう開発かいはつが進すすめられている技術ぎじゅつなので、ダンロップの関係かんけい者しゃいわく「（タイヤにも）クルマみたいに年次ねんじ改良かいりょうを加くわえていくかも」とのこと。アクティブトレッド技術ぎじゅつは、タイヤの売うり方かたや買かい方かた、タイヤとの付つき合あい方かたも変かえていくのかもしれない。

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公道こうどうではなぜか印象いんしょうが逆転ぎゃくてん

最後さいごはシンクロウェザーで一般いっぱん道どうを走はしる。車両しゃりょうは冬季とうき試乗しじょうのときと同おなじく「メルセデス・ベンツ GLC」で、タイヤサイズは235/60R18だ。車くるま高だかが高たかく、そこそこ以上いじょうに車くるま重じゅうもあるSUVを、テストコースではソフトに感かんじたシンクロウェザーはちゃんと支ささえられるのか？　最初さいしょはそう思おもったのだが、結果けっか的てきにはとても快適かいてきな乗のり味あじとなっていた。

その乗のり心地ごこちは、トレッド面めんの当あたりが柔やわらかくてとても優やさしい。にもかかわらずタイヤそのものはよく転ころがる印象いんしょうで、不思議ふしぎな快適かいてきさが味あじわえた。試乗しじょう時じはまだ転ころがり抵抗ていこうのグレーディングは公開こうかいされていなかったが、開発かいはつ陣じんいわく、そこにもかなり注力ちゅうりょくしたのだという。

またワインディングロードでは、テストコースでの印象いんしょうとは逆ぎゃくに、むしろ剛性ごうせいの高たかさを感かんじた。コンパウンド自体じたいは標準ひょうじゅん的てきなグリップ力りょくなのだが、荷重かじゅうがかかるほどにタイヤがしっかり荷重かじゅうを支ささえてくれる感かんじが高たかまるのだ。クルマとの相性あいしょうもあるのかもしれないが、もしかしたらテストコースだと、“ゴムだけの性能せいのう”でほとんどを走はしれてしまったのかもしれない。GLCは重心じゅうしんが高たかく重量じゅうりょうもあるから、曲まがり込こんだカーブだとタイヤにしっかり荷重かじゅうがかかって、とても走はしりやすかった。

総そうじてシンクロウェザーのサマー性能せいのうは、実じつにスタンダードで快適かいてきだった。確たしかに、ゴムとタイヤ構造こうぞうとで役割やくわりをスイッチするような場面ばめんでは、まだ“段だんつき”があるような気きはする。走行そうこう安定あんてい性せいに関かんしても、もう少すこし本格ほんかく的てきにダイナミック性能せいのうをテストしてみたい。そのキャラクターをきっちり理解りかいするには時間じかんが欲ほしいと感かんじたけれど、第だい一いち印象いんしょうはまずまずだ。しかも、これがオールシーズンタイヤだというのだから、やはりアクティブトレッド技術ぎじゅつは大おおきな可能かのう性せいを持もっていると感かんじた。

（文ぶん＝山田やまだ弘樹ひろき／写真しゃしん＝住友ゴム工業すみともごむこうぎょう、webCG／編集へんしゅう＝堀田ほった剛つよし資し）

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