中国ちゅうごく、沖ノ鳥島おきのとりしま北方ほっぽうの日本にっぽんの大陸棚たいりくだなにブイ…太平洋たいへいようでは異例いれい

　日本にっぽん最南端さいなんたん・沖ノ鳥島おきのとりしま（東京とうきょう都と）北方ほっぽうに位置いちする日本にっぽんの大陸棚たいりくだな・ 四国しこく海かい盆ぼん（しこくかいぼん） 海域かいいきに先月せんげつ、中国ちゅうごく公おおやけ船せんが浮標ふひょう（ブイ）を設置せっちしたことがわかった。政府せいふ関係かんけい者しゃが明あきらかにした。中国ちゅうごくはこれまで尖閣諸島せんかくしょとう（沖縄おきなわ県けん）周辺しゅうへんなど東シナ海ひがししなかいでブイを設置せっちしてきたが、太平洋たいへいようの日本にっぽん管轄かんかつ海域かいいきでは極きわめて異例いれい。政府せいふはブイの詳細しょうさいや設置せっち目的もくてきの分析ぶんせきを進すすめる。

　中国ちゅうごくによるブイ設置せっちを巡めぐっては昨年さくねん７月がつ、大型おおがた作業さぎょう船せん「向陽こうよう紅べに２２」が、尖閣諸島せんかくしょとうの魚釣島うおつりしまから北西ほくせい約やく８０キロの日本にっぽんの排他はいた的てき経済けいざい水域すいいき（ＥＥＺ）内ないに、直径ちょっけい約やく１０メートルの海洋かいよう調査ちょうさブイを無断むだんで設置せっちした。ブイで収集しゅうしゅうした波なみのデータなどを人工じんこう衛星えいせいで送信そうしんしているとみられる。政府せいふは日にち中ちゅう首脳しゅのう会談かいだんや外相がいしょう会談かいだんなどで即時そくじ撤去てっきょを求もとめてきたものの、中国ちゅうごくは応おうじていない。

　複数ふくすうの関係かんけい者しゃによると、同おなじ向陽こうよう紅べに２２が先月せんげつ５日にちに上海しゃんはいを出港しゅっこうし、東シナ海ひがししなかいから大隅海峡おおすみかいきょう（鹿児島かごしま県けん）を通過つうかして太平洋たいへいように出でた後のち、先月せんげつ中旬ちゅうじゅん、四国しこく海かい盆ぼん海域かいいき内ないでブイを設置せっちした。昨年さくねん７月がつのブイよりも小型こがたで、近ちかくを航行こうこうする船ふねから夜間やかんも見みえる発光はっこう器きが付ついている。

　四国しこく海かい盆ぼん海域かいいきは日本にっぽんのＥＥＺに囲かこまれ、広ひろさは国土こくど面積めんせき（３７・８万まん平方へいほうキロ・メートル）の５割わり近ちかくに相当そうとうする。付近ふきんに島しまがないためＥＥＺの域外いきがいになるが、国連こくれんの大陸棚たいりくだな限界げんかい委員いいん会かいは２０１２年ねん、沖ノ鳥島おきのとりしまを基点きてんとする日本にっぽんの大陸棚たいりくだなとして新あらたに認みとめた。国連こくれん海洋かいよう法ほう条約じょうやくにより、日本にっぽんはこの海域かいいきでの海底かいていの探査たんさや資源しげん開発かいはつについて、主権しゅけん的てきな権利けんりを行使こうしできる。

　大陸棚たいりくだなはＥＥＺとは異ことなり、上部じょうぶ水域すいいきでの海洋かいよう調査ちょうさには沿岸えんがん国こくの同意どういは必要ひつようない。ただ、同どう海域かいいきの海底かいていはレアメタルを含ふくんだ鉱物こうぶつ資源しげんが分布ぶんぷしていると指摘してきされており、今回こんかいのブイが海底かいていの探査たんさなどに関係かんけいする場合ばあいは、同どう条約じょうやくに反はんする可能かのう性せいが高たかい。

　一方いっぽう、中国ちゅうごくは沖ノ鳥島おきのとりしまについて「島しまではなく岩いわであり、日本にっぽんの大陸棚たいりくだなやＥＥＺの基点きてんにできない」とする独自どくじの主張しゅちょうを掲かかげ、同島どうとう周辺しゅうへんを始はじめとする西太平洋にしたいへいようで海洋かいよう調査ちょうさや軍事ぐんじ演習えんしゅうを繰くり返かえしている。東シナ海ひがししなかいと同様どうように今後こんご、太平洋たいへいよう側がわでも日本にっぽんＥＥＺ内ないにブイを設置せっちする恐おそれもあり、政府せいふは警戒けいかい・監視かんしを強化きょうかしている。