第106回全国高校野球選手権宮崎大会は18日、3回戦3試合がひなたサンマリンスタジアム宮崎(宮崎市)で行われ、小林西、富島、聖心ウルスラのシード校3校がそれぞれ勝利し、準々決勝進出を決めた。
小林西3―0都城商
小林西が初回、西銘、岡田の連続適時打で2点を先制するなど序盤から主導権を握った。投げても石川、山本が散発の計5安打に抑え、完封リレー。都城商は好機で一本が出なかった。
絶対にセーフになる――。3点を追う九回二死二塁で回ってきた打席。都城商3年・金丸龍心選手はそう誓ってバットを振った。打球は一塁ゴロとなり、アウトとなった。ただ、スタンドの父、裕次郎さん(43)には一塁にヘッドスライディングした息子の懸命な姿から、野球にかけた強い思いが伝わっていた。
「最後まであきらめない姿勢に成長を感じた。楽しい時間をつくってくれたことに感謝している」。父はそう目を細めた。
小学2年で野球を始めた龍心選手。あこがれは日章学園野球部出身の父だった。幼い頃から一緒に練習し、平日帰宅すると父が見守るなかティーバッティングに励んだ。ポジションも同じ遊撃手になった。
「自分のバッティングを一番理解してくれていたのがお父さん」。助言をもらうと調子が上がった。
野球は大学でも続けるつもり。「お父さんには感謝しかない。よい報告ができるよう練習していきたい」。甲子園に連れて行くことはできなかったが、野球を通した父との絆はこれからも変わらない。(石原拓海)