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 「VMware製品せいひんあつかうリセラーから、突然とつぜんライセンスの契約けいやく更改こうかいせまられた」「実質じっしつ年間ねんかん1おくえん値上ねあげになるシステムもあり、どうしたものかこまっている」。2024ねん5がつ日経にっけいクロステックに大手おおて金融きんゆう機関きかん情報じょうほうシステム部門ぶもん管理かんりしょくつとめるAから悲鳴ひめいこえせられた。

ブロードコムによるVMware製品のライセンス変更の動向
ブロードコムによるVMware製品せいひんのライセンス変更へんこう動向どうこう
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 きっかけは2024ねん4がつ同社どうしゃ香港ほんこん拠点きょてんから日本にっぽん本社ほんしゃたいし、「VMware製品せいひんのライセンス変更へんこう通知つうちメールがており、どう対応たいおうすべきかなやんでいる」との相談そうだんとどいた。米国べいこく欧州おうしゅう東南とうなんアジアなどの拠点きょてんにも、同様どうよう通知つうちがあったという。

 変更へんこう影響えいきょう試算しさんしたところ「現状げんじょうくらべて最大さいだい20ばい値上ねあげになるものもあった」(A)。なかには「1週間しゅうかん以内いないおうじない場合ばあい、さらなる値上ねあげにる」といった「なかおどしのような内容ないようもあった」(どう)という。

 海外かいがい拠点きょてんからの相談そうだんけて、同社どうしゃ国内こくない本社ほんしゃ状況じょうきょう調しらべたところ、同社どうしゃグループのシステム関連かんれん会社かいしゃてにも、国内こくないのリセラー経由けいゆ同様どうよう通知つうちていたと判明はんめいした。

がたからサブスクがた移行いこう

 値上ねあげにつながる原因げんいんは、べいBroadcom(ブロードコム)によるVMware製品せいひんのライセンス変更へんこうだ。同社どうしゃは2023ねん11月に、べいVMware(ヴイエムウェア)の買収ばいしゅう完了かんりょうした。2023ねん12月にはVMware製品せいひんのラインアップ簡素かんそと、それまで提供ていきょうしていたがた永続えいぞくライセンスを廃止はいしし、サブスクリプション(定額ていがく課金かきんがた移行いこうすることを発表はっぴょうした。

 これにともない2024ねん1がつには、どの製品せいひんおわりうりになるかを公表こうひょうした。従来じゅうらい仮想かそう基盤きばん構築こうちくする「VMware vSphere」や仮想かそうマシン管理かんりの「VMware vCenter」、ネットワーク仮想かそうの「VMware NSX」、オンプレミスとクラウドを連係れんけいする「VMware HCX」、ソフトウエア定義ていぎストレージの「VMware vSAN」、運用うんよう管理かんりツールの「VMware Aria」など、かくコンポーネントは単体たんたい製品せいひんとして購入こうにゅうできた。それが今後こんごは、様々さまざまなコンポーネントをバンドルした「VMware Cloud Foundation(VCF)」と「VMware vSphere Foundation(VVF)」の2種類しゅるいだけがだい企業きぎょうけに販売はんばいされることになった。

 Aはライセンス制度せいど変更へんこうについて「実質じっしつ値上ねあげにひとしい」と説明せつめいする。これまではシステムにおうじて必要ひつようなコンポーネントをこまかく選択せんたくできたが、今後こんごはVCFかVVFのいずれかをえらぶしかなくなったからだ。

 中小ちゅうしょう企業きぎょうけにはほぼvSphereのみの「vSphere Standard」と「vSphere Essentials Plus Kit」が販売はんばいされるが、管理かんりできるサーバー規模きぼかぎりがあるため、だい企業きぎょうにはいていない。

 さらに従来じゅうらい基本きほんてきにCPU単位たんいだったライセンス料金りょうきんも、コア単位たんい料金りょうきんわった。このため「システムによってはオーバースペックになるのをけられず、結果けっかてきにコストぞうになる」(A)というわけだ。

 金融きんゆう機関きかん懇談こんだんかいでAがこのはなししたところ「うちにもおな通知つうちた」とのこえ複数ふくすうたという。ブロードコムによる買収ばいしゅう判明はんめいした時点じてんで、先読さきよみしてシステムを移行いこうしていた企業きぎょうもあれば「更新こうしん時期じきせまっていて契約けいやく更改こうかいせざるをない企業きぎょうもいた」(A)と、対応たいおうはまちまちだ。

アンケートは終了しゅうりょうしました

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