SMBCグループとコマツがタッグ、建設けんせつ業界ぎょうかいに変革へんかくをもたらす秘策ひさくとは

日経にっけいクロステック／日経にっけいFinTech

2020.10.06

全ぜん898文字もじ

　FinTechの到来とうらい以降いこう、法人ほうじん融資ゆうしの在あり方かたが変かわろうとしている。従来じゅうらいは、決算けっさん書しょや事業じぎょう計画けいかく書しょの提出ていしゅつが不可欠ふかけつだった。企業きぎょうの与信よしんを測はかるための判断はんだん材料ざいりょうが限かぎられていたとも言いえる。ところがテクノロジーを駆使くしすることで、様々さまざまなデータを与信よしんに生いかそうとする試こころみが盛さかんになってきている。

　三井住友銀行みついすみともぎんこう、三井みつい住友すみともファイナンス＆リース、三井みつい住友すみともカードのSMBCグループ3社しゃとコマツ、官民かんみんファンドのINCJの5社しゃが2019年ねん7月がつに設立せつりつしたランドデータバンク（LDB）は、象徴しょうちょう的てきな存在そんざいと言いえる。事業じぎょう者しゃの財務ざいむデータに加くわえて、工事こうじ現場げんばのデータを利用りようするのが特徴とくちょうだ。

　第だい1弾だんサービスとして2020年ねん9月がつに提供ていきょうを開始かいしした「工事こうじ資材しざい立替たてかえ・決済けっさいサービス」は、資材しざい購入こうにゅうに係かかる代金だいきんをランドデータバンクが立たて替かえるというもの。工事こうじ完了かんりょう後ご、LDBが立たて替かえた代金だいきん分ぶんを事業じぎょう者しゃの口座こうざから引ひき落おとす。

工事こうじ現場げんばの傾向けいこうを与信よしんに生いかす

　立替たてかえ・決済けっさいサービスの与信よしんアルゴリズムは、建設けんせつ業界ぎょうかいに特とく化かした財務ざいむデータと非ひ財務ざいむデータを基もとに作成さくせいしたモデルを利用りようしている。次つぎのフェーズとして、現場げんば監督かんとく者しゃに「どの資材しざいがいつ届とどいたか」「検収けんしゅうをしたか」などの情報じょうほうをスマートフォンアプリから入力にゅうりょくしてもらい、収集しゅうしゅうした情報じょうほうを分析ぶんせきして与信よしん管理かんりに生いかすことも計画けいかく中ちゅうだ。コマツが主導しゅどうするIoT（インターネット・オブ・シングズ）プラットフォーム「ランドログ」のデータを併用へいようすることも視野しやに入いれる。ランドデータバンクの徳永とくなが順二じゅんじ代表だいひょう取締役とりしまりやく社長しゃちょうCEO（最高さいこう経営けいえい責任せきにん者しゃ）は、「将来しょうらい的てきに数すう万まん社しゃ、数すう十じゅう万まん社しゃと取引とりひきしたいと考かんがえている。与信よしんの質しつを保たもつために、ビッグデータ分析ぶんせき・活用かつようが大切たいせつになる」と語かたる。