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　大阪おおさか・関西かんさい万博ばんぱくのシンボルになる大だい屋根やね（リング）の基本きほん構造こうぞう（木き架か構）のうち、約やく3分ぶんの2が完成かんせい──。

　大林おおばやし組ぐみは2024年ねん6月がつ26日にち、同社どうしゃを代表だいひょうとする大林組おおばやしぐみ・大だい鉄てつ工業こうぎょう・TSUCHIYA共同きょうどう企業きぎょう体たい（以下いか、大林おおばやし組ぐみJV）が手掛てがける木造もくぞうの大だい屋根やねの「PW（パビリオンワールド）北東ほくとう工こう区く」で、最後さいごの床ゆか材ざいの取とり付つけが完了かんりょう。柱はしらや梁りょう（はり）、床ゆかなどの基本きほん構造こうぞうが完成かんせいしたと発表はっぴょうした。木き架か構は当初とうしょ計画けいかくよりも約やく1カ月かげつ半はん前倒まえだおしで完成かんせいしたことになる。北東ほくとう工こう区くの延のべ面積めんせきは、約やく2万まんm2。

計画よりも約1カ月半前倒しで基本構造が完成した。写真は最後の床材を取り付けているところ（写真：大林組）
計画けいかくよりも約やく1カ月かげつ半はん前倒まえだおしで基本きほん構造こうぞうが完成かんせいした。写真しゃしんは最後さいごの床ゆか材ざいを取とり付つけているところ（写真しゃしん：大林組おおばやしぐみ）
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大屋根の全景。ほぼ円形につながっている。2024年6月19日時点（写真：伸和）
大だい屋根やねの全景ぜんけい。ほぼ円形えんけいにつながっている。2024年ねん6月がつ19日にち時点じてん（写真しゃしん：伸和のぶかず）
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　全ぜん周しゅうが約やく2㎞の大だい屋根やねは、工こう区くを3つに分わけている。約やく3分ぶんの1ずつを大林組おおばやしぐみJV（約やく650m）、竹中工務店たけなかこうむてんJV（約やく730m）、清水建設しみずけんせつJV（約やく740m）の3グループがそれぞれ担当たんとうしている。

　竹中工務店たけなかこうむてんJVは「PW西にし工こう区く」で、24年ねん6月がつ7日にちに約やく2カ月かげつ前倒まえだおしで上棟じょうとう済ずみ。続つづいて大林組おおばやしぐみJVも上棟じょうとう。残のこるは清水建設しみずけんせつJVの「PW南東なんとう工こう区く」のみとなった。同年どうねん6月がつ27日にちには2025年ねん日本にっぽん国際こくさい博覧はくらん会かい協会きょうかい（万博ばんぱく協会きょうかい）が、「24年ねん8月がつ末まつまでに大だい屋根やねの基本きほん構造こうぞうが完成かんせいする」と公表こうひょうした。完成かんせいすれば、世界せかい最大さいだい級きゅうの木造もくぞう建築けんちく物ぶつになる見通みとおしだ。

大林組JVが手掛けている大屋根の「PW北東工区」（出所：大林組）
大林組おおばやしぐみJVが手掛てがけている大だい屋根やねの「PW北東ほくとう工こう区く」（出所しゅっしょ：大林組おおばやしぐみ）
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大屋根の屋上には回廊「スカイウォーク」を整備し、散策できるようにする。白い部分は大屋根1階に光を通すための膜材（写真：生田 将人）
大だい屋根やねの屋上おくじょうには回廊かいろう「スカイウォーク」を整備せいびし、散策さんさくできるようにする。白しろい部分ぶぶんは大だい屋根やね1階かいに光ひかりを通とおすための膜まく材ざい（写真しゃしん：生田いくた 将人まさと）
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　今後こんごはエレベーターやエスカレーターといった昇降しょうこう機き設備せつびやトイレなどの仕上しあげ、大だい屋根やね上部じょうぶの植うえ栽工事こうじを実施じっし。北東ほくとう工こう区くは24年ねん12月に完成かんせいする予定よていだ。大だい屋根やね全体ぜんたいの竣工しゅんこうは25年ねん2月がつ末まつを見込みこんでいる。

　北東ほくとう工こう区くは国産こくさん木材もくざいの利用りようを推進すいしんするため、柱はしら材ざいの約やく半分はんぶんに四国しこく産さんヒノキ材ざい、梁はり材ざいは全すべて福島ふくしま県けん産さんのスギ材ざいを使つかっている。これらの木材もくざいを協力きょうりょく会社かいしゃの藤ふじ寿ひさし産業さんぎょう（福島ふくしま県けん郡山こおりやま市し）の工場こうじょう（福島ふくしま県けん浪江なみえ町まち）で集成しゅうせい材ざいにし、柱はしら・梁はりの部材ぶざいとして必要ひつような加工かこうを施ほどこした。

　大だい屋根やねの現地げんち組くみ立たて工事こうじの進捗しんちょくと工場こうじょうでの部材ぶざいの製造せいぞうや輸送ゆそうのタイミングを、現場げんばと工場こうじょうの間あいだで同期どうき。タイムリーな生産せいさん・運搬うんぱん・組くみ立たてを実現じつげんした。協力きょうりょく会社かいしゃは大林組おおばやしぐみが開発かいはつしたBIM（ビルディング・インフォメーション・モデリング）ベースのプロジェクト管理かんりシステム「プロミエ」を使つかい、大林おおばやし組ぐみとリアルタイムで進捗しんちょくを共有きょうゆうしている。

集成材工場で大屋根の工事進捗を把握。大林組が開発したBIMベースのプロジェクト管理システム「プロミエ」を使う（写真：藤寿産業）
集成しゅうせい材ざい工場こうじょうで大だい屋根やねの工事こうじ進捗しんちょくを把握はあく。大林組おおばやしぐみが開発かいはつしたBIMベースのプロジェクト管理かんりシステム「プロミエ」を使つかう（写真しゃしん：藤ふじ寿ひさし産業さんぎょう）
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集成材工場から柱や梁の部材をトラックで出荷するところ（写真：大林組）
集成しゅうせい材ざい工場こうじょうから柱はしらや梁はりの部材ぶざいをトラックで出荷しゅっかするところ（写真しゃしん：大林組おおばやしぐみ）
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　床ゆか材ざいには、四国しこく産さんのヒノキ材ざいとスギ材ざいを加工かこうしたCLT（直交ちょっこう集成しゅうせい板ばん）を採用さいよう。大林組おおばやしぐみグループのサイプレス・スナダヤ（愛媛えひめ県けん西条さいじょう市し）のCLT工場こうじょうで床ゆか材ざいを製造せいぞうした。

サイプレス・スナダヤで製造した大判CLTの床材（写真：大林組）
サイプレス・スナダヤで製造せいぞうした大判おおばんCLTの床ゆか材ざい（写真しゃしん：大林組おおばやしぐみ）
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　北東ほくとう工こう区くの木材もくざい使用しよう量りょうは、柱はしら・梁はり・桁けたに使つかう集成しゅうせい材ざい（ヒノキ、オウシュウアカマツ、スギ）が約やく6500m3、床ゆかに使用しようするCLT（ヒノキ、スギ）が約やく1800m3となっている。