BIM新しん時代じだい

2023年ねんは「AI-BIM統合とうごう元年がんねん」、BIMは都市としを改変かいへんするツールに

山梨やまなし知彦ともひこ氏し 日建にっけん設計せっけいチーフデザインオフィサー常務じょうむ執行しっこう役員やくいん

　2009年ねん発行はっこうの著書ちょしょ『BIM建設けんせつ革命かくめい』で、日本にっぽんにおける建築けんちくBIMの潮流ちょうりゅうをつくり出だした日建にっけん設計せっけいの山梨やまなし知彦ともひこ常務じょうむ。BIM元年がんねんとされる09年ねんから14年ねんを経へて、BIMの現在地げんざいちと未来みらいをどのように分析ぶんせきしているのか。

2025年ねんにBIM確認かくにん申請しんせいを試行しこう、期限きげんを切きった国交こっこう省しょうの本気ほんき度ど

　2022年ねん末まつ、国土こくど交通省こうつうしょうは25年ねんにBIM（ビルディング・インフォメーション・モデリング）確認かくにん申請しんせいを試行しこうすると宣言せんげんした。明確めいかくな目標もくひょうを示しめしたことの影響えいきょうは大おおきい。建築けんちく界かいはBIMの普及ふきゅうに向むけて新しん時代じだいに突入とつにゅうしそうだ。

建築けんちくBIM加速かそく化か事業じぎょうが始動しどう、最大さいだい5500万まん円えん補助ほじょで普及ふきゅうなるか

　BIM（ビルディング・インフォメーション・モデリング）による確認かくにん申請しんせいを2025年ねんに試行しこうする目標もくひょうを掲かかげた国土こくど交通こうつう省しょう。同省どうしょうはBIMの社会しゃかい実装じっそうを加速かそくするために80億おく円えんの国費こくひを投とうじる補助ほじょ事業じぎょうを創設そうせつした。

省しょうエネ計算けいさんにワクワク感かんを、設計せっけい者しゃがつくったBIMサービス

　日本にっぽんとドイツで環境かんきょう建築けんちくを実践じっせんする設計せっけい者しゃが起業きぎょうし、BIM（ビルディング・インフォメーション・モデリング）データを用もちいて誰だれでも簡単かんたんに省しょうエネ計算けいさんができるクラウドサービスを開発かいはつした。既すでに複数ふくすうの企業きぎょうが導入どうにゅうを検討けんとう中ちゅうだ。

オープンBIMで「もの決ぎめ」進化しんか、竹中工務店たけなかこうむてんの野心やしん的てきプロジェクト

　JR静岡しずおか駅前えきまえから繁華はんか街がいを500mほど歩あるくと、円弧えんこ状じょう断面だんめんのスラブを3枚まい重かさねた建物たてものに出でくわす。竹中工務店たけなかこうむてんがBIM（ビルディング・インフォメーション・モデリング）でつくり込こんだ野心やしん的てきな自社じしゃプロジェクトだ。

BIMを「BM」と「I」に分解ぶんかい、ビル管理かんりに使つかえるAIR-Plate

　BIM（ビルディング・インフォメーション・モデリング）を「BM」と「I」に分わけ、誰だれもが使つかいやすいツールにする──。維持いじ管理かんりでのBIM活用かつようを目指めざして梓あずさ総合そうごう研究所けんきゅうじょ（東京とうきょう都と千代田ちよだ区く）が開発かいはつ中ちゅうの「AIR-Plate」。その実力じつりょくとは。

簡単かんたんそうで難むずかしいBIM積算せきさん、「最後さいごの聖域せいいき」に挑いどむ積算せきさん事務所じむしょ

　BIM（ビルディング・インフォメーション・モデリング）との親和しんわ性せいが高たかいとされてきた積算せきさんだが、普及ふきゅうには課題かだいが多おおい。積算せきさん事務所じむしょのフジキ建築けんちく事務所じむしょ（東京とうきょう都と豊島としま区く）は、この「最後さいごの聖域せいいき」に果敢かかんに挑戦ちょうせんしている。

プロジェクト初期しょきにコスト把握はあく、秘密ひみつは「空間くうかん単価たんか」にあり

　官公庁かんこうちょう施設しせつを多おおく手掛てがける石本いしもと建築けんちく事務所じむしょが、BIM（ビルディング・インフォメーション・モデリング）を用もちいた新あらたな試こころみに挑戦ちょうせん中ちゅうだ。ボリュームスタディーなど設計せっけいの初期しょき段階だんかいで、より正確せいかくな仕上しあげコストの把握はあくを目指めざす。

大林おおばやし組ぐみの社内しゃないルール公開こうかいに騒然そうぜん、BIMの標準ひょうじゅん化かは進すすむか

　BIM（ビルディング・インフォメーション・モデリング）データを相互そうご利用りようするに当あたって課題かだいになっているのが、モデリングルールの標準ひょうじゅん化かだ。大林組おおばやしぐみは自社じしゃのルールを一般いっぱん公開こうかいし、課題かだい解決かいけつへ一いち石せきを投とうじた。

スターツやURも挑戦ちょうせん、既存きそん建物たてもののBIM化かをどうする？

　既存きそん建築けんちく物ぶつのBIM（ビルディング・インフォメーション・モデリング）モデルを、点てん群ぐんデータなどを基もとに作成さくせいし、維持いじ・修繕しゅうぜんに役立やくだてる取とり組くみが徐々じょじょに始はじまっている。課題かだいはモデル作成さくせいに要ようする手間てまをどこまで削減さくげんできるかだ。

ハンドブックで発注はっちゅう者しゃの理解りかい深ふかめる

　BIMの普及ふきゅうには設計せっけい者しゃや施工しこう者しゃだけでなく、発注はっちゅう者しゃの理解りかいが欠かかせない。しかし、「発注はっちゅう者しゃにBIMを採用さいようするよう依頼いらいされても、何なにに使つかいたいのかを設計せっけい者しゃがくみ取とれず、発注はっちゅう者しゃとの間あいだで誤解ごかいが生しょうじることがあった」。こう語かたるのは日建にっけん設計せっけい品質ひんしつ管理かんりグループの安井やすい謙介けんすけアソシエイトだ。

竹中工務店たけなかこうむてん「D3B」構想こうそうの正体しょうたい、AIで描えがくデータ駆動くどう型がた設計せっけい施工しこう

　目的もくてきに応おうじたBIM（ビルディング・インフォメーション・モデリング）ソフトを自由じゆうに選えらべる「オープンBIM」を推進すいしんしてきた竹中工務店たけなかこうむてん。同社どうしゃがBIMの先さきに見据みすえる「D3B（データ駆動くどう型がた設計せっけい施工しこう）」構想こうそうに迫せまる。