廣陵こうりょう散ち解かい

廣陵こうりょう散ち解かい
作者さくしゃ：韓かん皋　唐とう

本ほん作品さくひん收錄しゅうろく於《全ぜん唐から文ぶん/卷まき0623》

妙みょう哉嵇生せい之の為ため是ぜ曲きょく也，其當晉すすむ魏ぎ之の際さい乎。其音商しょう，主しゅ秋聲しゅうせい。秋あき也者，天てん將はた搖ゆら落肅殺ころせ，其歲之の晏乎。又また晉すすむ成金なりきん運うん，商しょう金きん聲ごえ也，所以ゆえん知ち魏ぎ云うん季き，而晉將しょう代だい也。慢其商しょう弦つる，而與宮みや同音どうおん，是ぜ臣しん奪だつ君きみ之の義也よしや，此所以知司馬しば氏し將はた篡也。司馬しば懿受魏ぎ明あかり帝みかど顧託後嗣こうし，反はん有ゆう篡奪之の心しん，自じ誅曹爽，逆ぎゃく節ふし彌わたる露ろ。王おう陵りょう都と督とく揚あげ州しゅう，謀はかりごと立りつ荊王彪あや，毋邱儉、文ぶん欽、諸しょ葛かずら誕前後ぜんご相しょう繼ままし為ため揚あげ州都しゅうと督とく，咸有匡ただし復ふく魏ぎ室しつ之の謀はかりごと，皆みな為ため懿父子ふし所しょ殺ころせ。叔夜以揚州しゅう故こ廣陵こうりょう之これ地ち，彼かれ四よん人にん者しゃ，皆みな魏ぎ室しつ文武ぶんぶ大臣だいじん，咸敗散ち於廣陵りょう，故こ名めい其曲為ため廣陵こうりょう散ち，言げん魏たかし氏し散ち，自じ廣陵こうりょう始はじめ也。止とめ息いき者しゃ，晉すすむ雖暴興きょう，終止しゅうし息いき於此也。其哀憤いきどお躁蹙憯痛迫せり脅おびえ之の旨むね，盡つき在ざい於是矣，永えい嘉之よしゆき亂らん其應乎。叔夜撰せん此，將はた貽後代だい之の知音ちいん者しゃ，且避晉すすむ魏ぎ之の禍わざわい，所以ゆえん託たく之の神かみ鬼おに也。